[ PRESS RELEASE ] |
![]() 1998-0166 平成10年8月11日 富士通株式会社 |
当社が提案したPDM(Product Data Management:製品データ管理 *1)の中核となる仕様が米国8月10日にOMG(Object Management Group:オブジェクト指向技術の標準化団体 *2)において、正式に採用されました。
当社は、通産省のNCALSプロジェクト(*3)のひとつであるV-CALS(*4)に、トヨタ自動車株式会社、日産自動車株式会社、三菱自動車工業株式会社、本田技研工業株式会社、マツ ダ 株 式 会 社などの自動車メーカとともに参画しました。 この中の「次世代PDM技術確立のための実験」において、当社のインターネット上で分散環境を提供するソフトウェア「INTERSTAGE(インターステージ *5)」を用いて得られた成果を基に、PDMの仕様の中核となる製品構成定義(*6)の仕様を作成しました。
その後、当社およびDEC、IBM、マトリックス ワン(Matrix One, Inc.)、旧メタフェース(Metaphase Technology, Inc.、現Structural Dynamics Research Corp.)、シェルパ(Sherpa Corporation)は、各社の提案を基に共同でPDMの仕様を作成しました。 この仕様を1998年1月にOMGに提案し、今回 正式採用されました。
当社が提案したPDMの仕様の中核となる製品構成定義が、共同作成者に受け入れられ、OMGに認められたのは、この仕様がV-CALSにおける実証実験の成果に裏付けられた仕様であったからです。
当PDMの仕様は、今後 全世界の標準仕様として扱われ、サプライチェーンマネージメント:系列を越えた部品供給の基盤となります。 これは、異なるメーカのPDM製品間での連携やデータ交換をより容易なものとし、製造業における企業内システムの統合や、企業間でのシステムの連携が促進されます。
例えば 自動車産業においては、当仕様が系列を越えた部品調達のシステム基盤となることで、各部品メーカがグローバルな競争力をつけ、ひいては産業の急速な発展にもつながります。
今後 当社は、今年4月に発表した@ECCALSVISIONの中核製品となる次世代製品情報管理パッケージ「PDMSTAGE(*7)」を、当PDMの国際標準の仕様に準拠させていきます。
当社は今後も、通産省のNCALSプロジェクトの成果を実用に役立てるとともに、OMGの活動をはじめとした、国際標準仕様の作成に積極的に参加していきます。
【商標について】
【用語説明】
【添付資料】
*1 PDM(Product Data Management)
製品データ管理であるPDMは、製造業において製品の設計・生産に関する情報を統合的に管理するアプリケーションで、製品や部品の情報をデジタル化して管理・運用することにより開発コストや期間を改善します。*2 OMG(Object Management Group)
OMGは、1989年に発足したオブジェクト指向技術の標準化団体で、現在では世界から800以上のソフトウェアベンダ、ディベロッパ、一般企業が参画する業界最大の団体です。
オブジェクト指向の分散アプリケーション構築を可能とするフレームワークの仕様を提供することを目的として標準化活動を行なっています。
(URL=http://www.omg.org/)
富士通は、1991年からOMGに参加しており、1995年から仕様の提案が可能なContributingメンバーになり、OMGの仕様策定活動に積極的に参画しています。*3 NCALSプロジェクト
通産省からの委託を受け、情報処理振興事業協会を通して1995年に設立された日本のCALS実行機関であるNCALS(CALS技術研究組合)が、3年間にわたり自動車・鉄鋼・プラント・宇宙産業など、9業種の具体的なアプリケーションをパイロットモデルとして、CALSの実証モデルを構築し、その適用可能性を技術面と業務面から実証したプロジェクトです。
(URL=http://www.ncals.cif.or.jp/)*4 V-CALS(自動車CALSコンソーシアム)
V-CALSは、自動車の開発から生産・保守にいたる、ライフサイクル全体に対するCALS関連技術の検討と実証実験を行い、開発業務を標準化してデジタル化することで、開発工程の大幅な短縮が可能であることを実証したプロジェクトです。 自動車メーカ5社(トヨタ、日産、三菱、ホンダ、マツダ)が、次世代の開発業務への要件を抽出し、日立が部品の形状データの表示機能、富士通が部品データの検索機能とこれらの機能を支える基盤となるオブジェクト指向技術、およびデータベース技術の研究開発を行いました。
(URL=http://www.vcals.cif.or.jp/)*5 INTERSTAGE
富士通が開発したソフトウェア製品で、これからのネットワークコンピュータ時代に向けて、企業内、企業間、消費者までをシームレスに連携させるソフトウェアプラットフォームです。 V-CALSでは、INTERSTAGEの持つ分散オブジェクトの機能が使われました。
これは、OMGが決めた異機種間連携のための国際標準仕様CORBA2.0に準拠しています。
(URL=http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/softinfo/product/net/INTERSTAGE/)*6 製品構成定義
「製品は部品の組合わせで構成されている」という視点で、部品情報を管理する手法です。 部品間の関係は階層(ツリー)構造で表現されます。*7 PDMSTAGE
富士通が開発したソフトウェア製品で、オブジェクト技術などの最先端技術とSTEPなどの業界標準の採用により、オープンでグローバルなソリューションを提供する次世代製品情報管理パッケージです。
(URL=http://pr.fujitsu.com/jp/news/1998/Apr/2-3.html、
http://pr.fujitsu.com/jp/news/1998/Apr/2-5.html)
以 上