PRESS RELEASE (サービス)
2015年9月15日
富士通株式会社
富士通の実践にもとづくIoTソリューションモデルをIICがテストベッドとして承認
グローバルなエコシステムによる「工場の見える化」で、製造業におけるIoT活用を拡大
当社は、工場内のIoT活用を広く推進するため、社内工場での実践ノウハウに基づいたソリューションモデルを、米インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(Industrial Internet Consortium、以下IIC)に提案し、このたびテストベッド(注1)として承認されました。
当社が提案したモデル「Factory Operations Visibility and Intelligence Testbed」は、工場の機器に装着したセンサーからリアルタイムに取得する稼働情報などと、関連する製造計画や作業実績といったデータをクラウド上で統合することによる「工場の見える化」をテーマとしたものです。
当社は、本テストベッドを主導し、センサーや分析アプリケーションなど、様々な得意分野を持った複数の企業と協業してエコシステムを構築し、実証実験や実運用を通じて、お客様の多様なニーズに対応できるソリューションの強化を目指します。
本テストベッドは、2015年9月16日(水曜日)から18日(金曜日)にスペインのバルセロナで開催される「IoT Solutions World Congress」のIICブースで紹介されます。
IICについて
IICは、2014年3月27日に米国で設立された、産業分野におけるIoT活用のデファクトスタンダードを推進する国際的な団体です。現時点で、参加企業は26カ国で200社を越え、ユースケースの分析、アーキテクチャー/フレームワークの策定、テストベッドによるエコシステムの構築などを推進しています。
当社は、2014年6月の第1回会議よりIICに参加し、現在はステアリング・コミッティーにおける唯一の日本企業として、ワーキンググループ運営や技術的な活動に加え、IICの運営にも積極的に関わっています。
今回のテストベッドについて
当社は、富士通アイ・ネットワークシステムズ株式会社(本社:山梨県南アルプス市、代表取締役社長:中村裕登)の山梨工場(山梨県南アルプス市)および株式会社島根富士通の工場(本社:島根県出雲市、代表取締役社長:宇佐美隆一)での実践とノウハウに基づいた「工場の見える化」をテーマとしたIoTのソリューションモデルを、テストベッドとして提案してきました。今回、その有用性が評価され、IICにおいて日本初のテストベッドとして承認されました。
このテストベッドは、IoTを活用した「工場の見える化」を容易に実現し、現場の改善活動の変革や働く意欲の向上、コストダウンの効果を短期間で評価できることを目指したものです。また、IICに承認されたことを受けて、様々な技術をもった企業が、このテストベッド上で、例えば、生産ラインの効率化に向けた分析機能などの付加価値を開発できるようになります。
今後、当社は、様々な企業とともに、実践内容の評価と共通アーキテクチャーの策定、プロトタイプの構築・検証を進め、相互運用性の高いテストベッドで、多くのお客様が短期間に検証できるよう取り組んでいきます。また、そこから得たノウハウを取り入れ、多様なニーズに対応できるソリューションの強化を目指します。
IoT活用による「工場の見える化」について
工場の現場で発生する様々なセンシングデータと、製造装置ログ、製造計画/実績、作業員情報などの関連データをクラウドに集約・統合し、現場の可視化と事象分析・予測を実現し、改善における意思決定の支援を可能とします。現場の状況が関係者間でデジタルに共有できるため、現場の改善検討のスピードアップや他部門/他工場との比較による最適な手段の立案などにつなげることができます。これにより、多品種少量生産の自動製造工程や、製品修理などのマニュアル工程の改善活動に関わる工数の大幅な削減や、製造工程における最適なチーム編成・人材育成に寄与することができます。
「Factory Operations Visibility and Intelligence Testbed」イメージ
エンドースメント
IIC Executive Director, Dr. Richard Soley様のコメント
実際の工場でのシミュレーションを通じて、オペレーションの効率性を高めるための製造工程の可視化や分析ができる、富士通の「Factory Operations Visibility and Intelligence Testbed」は、製造業を前進させる非常に大きなステップになると考えます。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 テストベッド:
- IICのテストベッドは、ソリューションモデルを構築したベンダーが主導で、エコシステム構築のため、協力企業や顧客をIIC参加企業内(現時点の参加企業は200社以上)で募り、その協力企業とともに、テストプロジェクトや実顧客への実装プロジェクトを進めるというもの。
関連リンク
- ビジネス創出とグローバルエコシステム形成に向けたIoTプラットフォームを提供 (2014年11月13日 プレスリリース)
- 人とロボットが協調する次世代ものづくりの取り組みを開始 (2015年3月6日 プレスリリース)
- IoTデータ活用基盤サービス「FUJITSU Cloud IoT Platform」の提供開始 (2015年6月10日 プレスリリース)
本件に関するお問い合わせ
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