2022年9月16日
富士通株式会社

AIと犯罪心理学を活用した特殊詐欺実証を基に被害者の心理状態に関係する要素を分析


当社は、学校法人東洋大学(所在地:東京都文京区、理事長:安齋隆、以下 東洋大学)、尼崎市(市長:稲村和美)と実施している特殊詐欺の未然防止に向けた共同研究において、2022年3月に3者で実施した1回目の実証実験で取得した、詐欺電話を受けた時の被害者の心理状態や生理反応のデータを基に、特殊詐欺における被害者の心理状態に関係する要素を分析し、被害者の心理状態を数値で把握可能にしました。

本共同研究では、特殊詐欺電話を受けた時に、手口によらず共通して発生する被害者が騙された際の心理状態に着目し、特殊詐欺を推定することを目指しています。当社は東洋大学と、1回目の実証実験のデータを基に、心拍数などの生理反応だけでなく、事前アンケートを用いて測定した疑いやすさ(猜疑心)などの心理的な特性も含めることにより、11要素から心理状態を推定できる結果を得ました。

今後は、上記の結果を基に、高齢者宅などの実用的な使用条件への適用を目指して、2022年度下半期に予定している2回目の実証実験で、カメラやミリ波センサーなどの非接触センサーから推定した生理反応を用いて検証します。また、2回目の実証実験のデータを用いて、推定した心理状態の変化から特殊詐欺を推定するAIモデルの構築と有効性検証を行い、特殊詐欺全般を高精度に検知するモデルの開発を目指します。

特定した要素を用いた特殊詐欺推定AIモデルのイメージ図 特定した要素を用いた特殊詐欺推定AIモデルのイメージ図

当社は今後も、人文社会科学とデジタル技術を融合するコンバージングテクノロジー の一つとして、AIと犯罪心理学の知見を融合し人々の行動を高精度に分析・予測するヒューマンセンシングの技術開発を進め、人々に安心安全をもたらす街づくりに貢献していきます。

本技術の詳細は、2022年9月17日(土曜日)から9月18日(日曜日)まで京都府京都市で開催される「日本応用心理学会第88回大会」にて発表します。

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研究本部 コンバージングテクノロジー研究所
E-mail:fj-actlyzer-contact@dl.jp.fujitsu.com



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