PRESS RELEASE

2024年7月18日
富士通株式会社

データドリブンな人的資本経営の実践に向けた課題や示唆をまとめた「CHRO Roundtable Report 2024」を発行


当社は、企業価値向上につながるデータドリブンな人的資本経営を実現するため、人的資本経営に先進的に取り組む企業とともに2022年4月からCHROラウンドテーブルを毎年実施しています。第2回となる今回は、株式会社NTTドコモ注1様、テルモ株式会社注2様、三井化学株式会社注3様、株式会社三菱UFJ銀行注4様、株式会社リコー注5様のCHRO(Chief Human Resource Officer)やCHO(Chief Human Capital Officer)とともに、第1回CHROラウンドテーブルで導き出された人的資本価値向上モデルの検証を行い、各社の取り組みや事例を「CHRO Roundtable Report 2024」として公開しました。当社はデータとAIを活用する「Fujitsu Uvance」のオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」注6を利用して分析し、管理職のピープルマネジメント力と、従業員エンゲージメントおよび組織パフォーマンスの関連性を本レポートにおいて具体的に紹介しています。

CHRO Roundtable Report 2024のサマリ

本レポートでは、参加企業における人的資本経営の事例を基に、人事データを使って企業価値を向上させるストーリーの構築と、各社のデータ分析から得られた新しい示唆をまとめています。

1. 人的資本価値向上モデルの検証結果:

第1回CHROラウンドテーブルで導き出された人的資本経営のストーリーの構築に向けて、本ラウンドテーブルでは人的資本価値向上モデルが多くの企業で汎用的に活用できるかを検証しました。参加企業各社の人材戦略や施策を人的資本価値向上モデルに紐づけ、人的資本経営の実現につながる各社のストーリーを可視化し、関連性が見られた項目を紹介しています。

図1 人的資本価値向上モデル図1 人的資本価値向上モデル

2. エンゲージメントデータを用いた相関関係の分析、因果関係の特定:

本ラウンドテーブルでは、人事領域において企業の競争力に直結する経営指標として重要視されている従業員のエンゲージメントデータに特に着目しました。参加企業各社のエンゲージメントスコアと人事施策・組織情報の関係や、エンゲージメントデータを用いた相関関係の分析、因果関係の特定を試みた検証を行い、そこから得られた示唆を各社の事例とともに紹介しています。

富士通の事例紹介サマリ

レポート内の当社の分析事例紹介では、ピープルマネジメントを切り口としたエンゲージメントの分析結果を掲載しています。

・エンゲージメントデータの活用事例:

当社はデータとAIを活用する「Fujitsu Uvance」のオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を利用し、当社が年2回行う31項目の質問に対するエンゲージメントスコアを用いて、データ間の因果分析を実施しました。データ分析の結果から、ウェルビーイングの領域で、「男性は心理的報酬のスコアが高いと他の項目も高まる可能性がある」「女性はチームワークなど周囲の環境がウェルビーイングに結びつく可能性がある」ということと、マネージャーのピープルマネジメント力の向上注7がエンゲージメントのさらなる向上注8、および組織のパフォーマンス向上につながる鍵となりうるという示唆が得られました。

図2 因果分析結果図2 因果分析結果

CHROラウンドテーブルについて

当社は、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」というパーパスの実現を目指し、企業活動を推進しています。この一環として、2022年からは経営層と社会課題解決に焦点を当てたCxOラウンドテーブルプロジェクトを展開し、そこから得られた成果により、社会に提言を行っています。CHROラウンドテーブルは2022年4月より毎年開催しており、Ridgelinezが実施支援を行っています。当社は、本ラウンドテーブルにおける議論を通じて、より多くの企業が人的資本経営を実現することを目指し、毎年新たな参加企業とともに企業変革を推進しています。

今後について

当社は、今後もCHROラウンドテーブルを通じて、人事施策と企業の売り上げや利益の関連性を明確にするモデルの導出を目指します。そのために参加企業を拡充し、データ分析結果から得られた幅広い洞察や知見に基づいて、企業が経営戦略と連動した独自の人事戦略を実践できるよう、より高度な人的資本データの可視化などを支援します。

第2回CHROラウンドテーブルの概要

  1. 実施時期:
    2023年7月から2024年5月
  2. 参加者注9
    株式会社NTTドコモ 代表取締役副社長 CFO/CIO/CISO/CPO/CCO/CRO/CHO 栗山 浩樹 様
    テルモ株式会社 経営役員チーフヒューマンリソースオフィサー(CHRO)足立 朋子 様
    三井化学株式会社 取締役 専務執行役員 CHRO 安藤 嘉規 様
    株式会社三菱UFJ銀行取締役常務執行役員 CHRO(人事部担当)丹後 健史 様
    株式会社リコー コーポレート上席執行役員 CHRO 瀬戸 まゆ子 様
    富士通株式会社 執行役員SEVP CHRO 平松 浩樹
  3. モデレーター:
    富士通株式会社 CEO室長 西 恵一郎
  4. 実施内容:
    CHROラウンドテーブルを通した意見交換および討議
  5. レポートの概要:
    本音で語る人的資本経営「働きがいデータ」の効果的な使い方とは?
    記事内より「CHRO Roundtable Report 2024」をダウンロードいただけます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • 注1
    株式会社NTTドコモ:
    本社 東京都千代田区、代表取締役社長 前田 義晃
  • 注2
    テルモ株式会社:
    本社 東京都渋谷区、代表取締役社長CEO:鮫島 光
  • 注3
    三井化学株式会社:
    本社 東京都中央区、代表取締役社長 橋本 修
  • 注4
    株式会社三菱UFJ銀行:
    本社 東京都千代田区、取締役頭取執行役員 半沢 淳一
  • 注5
    株式会社リコー:
    本社 東京都大田区、社長執行役員:大山 晃
  • 注6
    「Fujitsu Data Intelligence PaaS」:
    AIサービス「Fujitsu Kozuchi」と、企業、業種を超えたデータ連携とトレーサビリティを実現するブロックチェーン技術「Fujitsu Track and Trust」、PalantirやMicrosoft Azureなどのデータ基盤の3つで構成されたプラットフォーム。
  • 注7
    ピープルマネジメント力の向上:
    当社では7つのエンゲージメント項目(チームワーク、仕事の意義の理解、イニシアチブ、フィードバック、心理的報酬、個人の強みの理解、裁量性)の向上がピープルマネジメント力の向上につながると仮定しています。
  • 注8
    エンゲージメントのさらなる向上:
    当社のエンゲージメントスコアは誇り、充実感、やりがい、推薦の4つのエンゲージメント項目の平均値で算出しています。
  • 注9
    参加者:
    参加者の情報は2024年5月時点です。ただし、株式会社リコーについては、2024年3月までコーポレート上席執行役員 CHRO 瀬戸 まゆ子様が参加し、2024年4月以降は、コーポレート執行役員 CHRO 長久 良子様が参加しました。

関連リンク

当社のSDGsへの貢献について

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。当社のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。

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