PRESS RELEASE

2022年12月1日
富士通株式会社

食品卸売業界向け「Fujitsu買掛照合AIサービス」を提供開始

買掛照合業務にかかる時間を大幅削減

当社は、食品卸売業界における買掛金の照合業務をクラウドで効率化するSaaS型AIサービス「Fujitsu買掛照合AIサービス」を2022年12月1日より提供開始します。

本サービスは、取引先から受領する請求電子データと自社が持つ買掛電子データを照合する買掛照合業務において、AIが過去の照合実績データを学習し、自動で照合結果を提示するものです。買掛照合業務では、両データを伝票番号などの一意な情報で結び付けられない場合があり、手作業で膨大な工数をかけて行われていますが、本サービスにより、買掛照合業務の大幅な効率化と平準化を実現します。また、照合誤りなどの人的ミスの削減にもつながり、買掛照合スタッフの心理的負担の軽減にも貢献します。

本サービスは順次、他の財務経理業務への適用や他の業界への展開も予定しています。

当社は、今後も、AIなどのデジタル技術の活用により、人手不足などの社会課題を解決し、持続可能な社会の確立とさらなる発展に貢献します。

背景

食品卸売業界は、多数の取引先と膨大な数の取引データをやり取りしていますが、その取引データは取引先ごとに異なり標準化されていないため、伝票番号などの一意な情報で結び付けられない場合があります。そのため、長年の間、手作業での照合による人的ミスの解消や買掛照合スタッフの心理的負担の軽減が求められていました。

そこで当社は、今回のサービス提供に先立ち、2019年から三菱食品株式会社注1(以下、三菱食品)様と複雑な商習慣や明細照合ルールに基づく買掛照合スタッフの暗黙知を抽出し、過去の照合実績データを学習することで「Fujitsu買掛照合AIサービス」を開発し、2020年からパイロット運用を実施してきました。その結果、三菱食品様において、手作業で行っていた買掛照合業務における約800時間/月の工数削減を実現しました。

「Fujitsu買掛照合AIサービス」の特長

1.AIが商品名や取引先名の日本語を識別し、照合率を大幅に向上

これまでの買掛照合業務は、伝票番号や金額、入出荷日をキーに、取引先からの請求電子データと自社の買掛電子データを照合しており、それらが不一致、または欠落した場合には、商品名などを目検で確認するなど、多くの人手を掛けて照合を実施してきました。

本サービスでは、自然言語処理技術を用いたAIにより商品名や届先名を識別し、漢字とカタカナや、正式名称と略称といった違い、また、同一商品が取引先と異なる名称で登録された場合も認識することができるため、照合率が大幅に向上します。

図1:自然言語処理技術の詳細 図1:自然言語処理技術の詳細

2.説明性の高いAIモデルにより、運用性・保守性を担保

本サービスは、複数のAIモデルとロジックを組み合わせたAIハイブリッドモデルで疎結合を実現していることで、どのような過程を経て取引先請求電子データと自社買掛電子データを照合しているのかといった説明性の担保や、精度が下がった場合に照合過程のどこに問題があるのかといった原因調査が容易であり、保守性に優れています。

図2:AIハイブリッドモデルのイメージ 図2:AIハイブリッドモデルのイメージ

3.本サービス運用実績のある買掛照合スタッフがサポート

当社によるサービス提供に加えて、先行導入している三菱食品様と連携し、買掛照合スタッフによるQ/A対応など導入サポートを実施します。

今後の展開

当社は今後も、デジタル技術と業務ノウハウを駆使し、非競争領域業務を中心とした業界共通サービスを開発・提供することで、食品卸売業界をはじめとするあらゆる業界のさらなる持続性と発展性に貢献します。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • 注1
    三菱食品株式会社:
    本社:東京都文京区、代表取締役社長:京谷 裕

関連リンク

当社のSDGsへの貢献について

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。当社のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。

本件が貢献を目指す主なSDGs

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