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PRESS RELEASE

2020年10月29日
三菱食品株式会社
富士通株式会社

三菱食品と富士通、売買に関わる照合手作業をAIで効率化

三菱食品株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:森山 透、以下 三菱食品)と富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:時田 隆仁、以下 富士通)は、売掛照合業務を効率化するAI(以下、売掛照合AI)を共同で開発し、パイロット運用を11月16日より開始します。

売掛照合業務とは、自社請求電子データと得意先支払電子データを照合する業務です。両データを伝票番号などの一意な情報で結び付けられない場合があり、これまで、三菱食品の財務経理業務職員が月に1,000時間以上かけて手作業で照合を行っていました。

両社は、こうした照合手作業を効率化するために、6百万件に及ぶ取引データを分析し、現場の意見を取り入れながら検証と改善を2020年3月から繰り返しました。その結果、財務経理業務職員の暗黙知を抽出し、過去の照合実績データを学習することで、照合結果を提示する売掛照合AIの開発に成功しました。売掛照合AIを財務経理業務職員が活用することで、月に1,000時間以上かけていた手作業の照合時間のうち数百時間を削減することができる見込みです。また、経験の浅い財務経理業務職員でも、照合誤りなどの人的ミスの削減が可能です。

両社は、売掛照合AIの開発以前に、すでに2019年2月から同様の技術を用いた買掛照合AIを開発し、財務経理業務職員の業務の効率化を進めており、月に2,000時間以上かかっていた照合手作業時間のうち、数百時間の削減を達成しています。

三菱食品は、食のライフラインを支える食品流通業界のリーディングカンパニーとして、安心安全な商品を顧客小売業や消費者に競争力を以って供給する社会的使命を果たすべく、先んじてデジタル技術を活用した業務改革を進めています。コロナ禍で新しい働き方が求められていることも踏まえ、本件を始めとする様々な取組みで、食品流通業界各社様とも連携し、食品流通業界における効率的な業務プロセスを追求していきます。

富士通は、今後もAIなどの先端テクノロジーと業務ノウハウを活用して、食品流通業界をはじめとする企業や社会のさらなるデジタルトランスフォーメーションを牽引していきます。

背景

食品流通業界は、多数の取引先と膨大な数の取引データのやり取りが必要で、その取引データは取引先ごとに異なり標準化されておらず、伝票番号などの一意な情報で結び付けられない場合があります。そのため、長年の間、手作業での照合による、人手不足や人的ミスなどが課題となっていました。

そうした状況の中、三菱食品はデジタル技術を活用した業務改革の一環として、財務経理業務職員の作業時間削減に取り組んでおり、照合手作業の現状と近年のAI技術の進歩を踏まえ、富士通と共に照合手作業を効率化するAIの開発を進めています。

照合業務のうち、まずは買掛照合業務へのAI適用に2019年2月から着手し、2020年6月より買掛照合AIを本稼働させ、月に2,000時間以上かかっていた照合手作業時間のうち、すでに数百時間の削減効果がでています。

今回、その技術を応用して開発した売掛照合AIのパイロット運用を2020年11月16日より開始し、売買に関わる照合業務全体で月に約1,000時間の削減を実施します。

売掛照合AIの特長

  1. 過去の照合実績データと照合正解確度を活用し、売掛照合における正確性と高速性を両立

    売掛照合AIは、明細照合ルールといった財務経理業務職員の暗黙知を抽出し、過去の照合実績データを学習することで自社請求電子データと得意先支払電子データの照合を行います。

    自社請求電子データと得意先支払電子データは伝票番号といった一意な情報で結び付けられない場合があるため、現行の財務経理システムでは全てを照合できず、財務経理業務職員は各得意先に応じた明細照合ルールを用いて明細照合を実施する必要があります。売掛照合AIは、得意先ごとの明細照合ルールを抽出し、これを自動化します。

    また、AIがどのような照合ルールで明細照合したかによって、照合正解確度を設定します。確度の高い組み合わせは自動で消込を行い、確度の低い組み合わせは担当者が確認の上で消込を行うという手法を取ることで、正確性と高速性を両立させています。確度の低い組み合わせの場合は、確認必要箇所を提示することで従来以上の照合精度を実現します。これにより、月に1,000時間以上かかっていた作業のうち数百時間を削減できる見込みです。

  2. 説明性の高いAIモデルにより、運用性・保守性を大幅に向上

    今回の売掛照合AI向けに作成したAIモデルは、一般的なインプットからアウトプットまでがブラックボックス化するAIモデルとは異なり、複数の小さなAIモデルとロジックを組み合わせたAIハイブリッドモデルとなっています。そのため、どのような過程で得意先支払電子データと自社請求電子データを照合しているかといった説明性の担保や、精度が下がった場合に照合過程のどこに問題があるかといった原因調査が容易であり、保守性に優れています。

売掛照合AIハイブリッドモデルのイメージ
売掛照合AIハイブリッドモデルのイメージ

今後について

三菱食品と富士通は、2021年4月に売掛照合AIの本稼働を計画しています。また買掛照合業務・売掛照合業務と並行して、資金収支業務・入金チェック業務へのAI活用に取り組んでおり、今後、未収消込業務への展開も検討中です。先端テクノロジーを幅広く取り入れることで、財務経理基幹業務のさらなる効率化・品質向上を目指します。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

本件に関するお問い合わせ

三菱食品株式会社
広報・ブランディンググループ
電話 03-4553-3485

富士通コンタクトライン(総合窓口)
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・富士通指定の休業日を除く)


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