PRESS RELEASE

2022年10月25日
富士通株式会社

お客様と共創するための「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」提供と、新たなグローバルパートナー共創プログラムを開始

当社は、お客様との共創を加速するため、高度なコンピューティング技術とソフトウェア技術を誰もが容易に利用できるサービス群「Fujitsu Computing as a Service」(以下、「CaaS」)を10月25日より日本国内で提供開始し、同時に、新たなグローバルパートナー共創プログラム「Fujitsu Accelerator Program for CaaS」を開始します。

「CaaS」は、サステナブルな世界の実現を目指す「Fujitsu Uvance」を体現するクラウドサービス群です。現在の社会課題である感染症対策や高機能な新材料の開発、輸配送の人手不足などを最先端のシミュレーションやAI、組合せ最適化などの技術により解決することを目指しています。

今回提供するのは、シミュレーションやAI、組合せ最適化問題のアプリケーションを開発・実行するための「Fujitsu Computing as a Service HPC」(以下、「CaaS HPC」)や「Fujitsu Computing as a Service Digital Annealer」(以下、「CaaS Digital Annealer」)を提供するクラウドサービス、およびアプリケーションの特性に応じた最適な環境の選択や高速化などを支援する「Fujitsu Computing as a Service テクニカルコンサルティングサービス」(以下、「CaaS テクニカルコンサルティングサービス」)です。これらは、「Fujitsu Uvance」のコネクテッドな社会を実現するデジタルインフラ「Hybrid IT」のサービスとして提供されます。
さらに、スタートアップをはじめとする革新的企業と「CaaS」上でユースケースを共創することで社会課題の早期解決を目指す新たなパートナープログラム「Fujitsu Accelerator Program for CaaS」を開始します。本プログラムの成果として創出されるアプリケーションを活用して、「Fujitsu Uvance」のサービスの価値拡充を目指します。

今後、外部クラウドとの連携による環境強化や、「CaaS」のアプリケーション拡充を含めたエンハンス、「CaaS」のアプリケーションを活用した「Fujitsu Uvance」のサービス提供もあわせて進め、2023年度より「CaaS」のグローバル展開を行います。当社は、「CaaS」を活用したお客様との共創を進め、社会課題の解決に向けた取り組みを加速していきます。

「CaaS」と「Fujitsu Accelerator Program for CaaS」の概要

当社は、「CaaS」を活用した創薬や材料開発、荷物の積み付け最適化などのアプリケーションの開発を進めています。これらのアプリケーションは今後順次、「Fujitsu Uvance」のサービスとして提供する予定で、最先端コンピューティングを使用していることを意識せず、サービスを利用可能となります。

さらに、多種多様な社会課題を解決するためには、お客様との共創による新たなアプリケーションやサービスの創出も不可欠であり、そのための開発、実行環境を提供するとともに、それを支援する体制も重要となります。そのため、このたび「CaaS」の提供と、「Fujitsu Accelerator Program for CaaS」を開始します。

1.「CaaS」の概要

「CaaS」は、高度なコンピューティング技術とソフトウェア技術を使ってアプリケーションやサービスの開発・実行をお客様と当社が共同で実現するためのクラウドサービス群で、「CaaS HPC」と「CaaS Digital Annealer」のクラウドサービスと、「CaaS テクニカルコンサルティングサービス」から構成されます。

(1)「CaaS HPC」

スーパーコンピュータ「富岳」注1に採用されたテクノロジーをベースとした「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」(以下、「PRIMEHPC FX1000」)や、Intel社注2の高性能CPUを搭載したPCクラスタ、Intel社の高性能CPUとNVIDIA社注3のGPUを搭載したPCクラスタを、シミュレーションやAIのアプリケーションを開発、実行する環境として利用可能。

(2)「CaaS Digital Annealer」

当社が開発した組合せ最適化問題を高速に求解する当社の量子インスパイアード技術「Fujitsu Quantum-inspired Computing Digital Annealer」(以下、「デジタルアニーラ」、注4)を利用可能。膨大な組合せの中から、指定された条件を満たす一番良い組合せを選出し、配送計画や生産計画、創薬開発、材料探索など、様々な業務における組合せ最適化問題を高速に求解。

(3)「CaaS テクニカルコンサルティングサービス」

お客様の課題を解決する最適なアプリケーションの開発、実行において、アプリケーション特性に応じて、「PRIMEHPC FX1000」、PCクラスタ、「デジタルアニーラ」から最適な環境を選択し、アプリケーションの高速化などを支援。

図1:「CaaS」サービス全体イメージ 図1:「CaaS」サービス全体イメージ

これらのサービスにより、お客様と当社で「CaaS」を活用したアプリケーションを共同開発し、お客様の業務に活用することや、新たなサービスとして利用者に提供することが可能になります。

また、「CaaS」をより安心安全に利用できるようにするために、組織間でのデータのやり取りなどにおいて、高度なセキュリティを実現する「Fujitsu Computing as a Service Data e-TRUST」注5の機能を、2022年度中に提供予定です。

株式会社トヨタシステムズ注6 管理・製造IT本部 本部長 伊藤雅史様のコメント

当社はトヨタ自動車株式会社の生産工場における車両生産順序最適化に「デジタルアニーラ」を適用し、実運用を開始しました。この技術は「CaaS」が提供するコアサービスのひとつです。「CaaS」は富士通のサステナブルな未来を実現するというビジョンを正に具現化させるものと理解します。当社としては今後「CaaS」が多業種・多方面で利活用されることで、技術的な発展とサービスの拡充が進むことを大いに期待しております。

Phytocontrol Group(フィトコントロールグループ)注7 CTO Eric Capodanno(エリック カポダーノ)様のコメント

当社と富士通は、過去2年間、柔軟で使いやすく正確なAIソリューションを構築し、農業食品ビジネスにおける汚染物質検出のために分析の方法を変え、プロセスを迅速化し、人的ミスを排除してきました。このソリューションを当社のクロマトグラフィー注8関連業務に拡張するためには、継続的な学習により様々なAIモデルの精度を向上させる必要があり、より多くの最先端計算リソースが求められます。富士通の「CaaS」は、強力で安全かつ柔軟な環境を提供し、我々の幅広い業務を加速させることができると考えています。

2.新パートナープログラム「Fujitsu Accelerator Program for CaaS」の概要

本プログラムは、「Fujitsu Uvance」が目指す価値に共感いただける国内外の革新的なスタートアップと「CaaS」上で新しいユースケースを共創することで、社会課題の早期解決を目指し、10月25日より開始するものです。参加するスタートアップには、「Fujitsu Accelerator Program for CaaS Co-Creation Partner」として、「CaaS」の無償利用や専任エンジニアのサポートとトレーニング、および共同開発によるユースケース創出に関わる様々な特典を提供します。

国内外のスタートアップと連携し、Web3.0やヘルスケア、製造、物流など様々な分野での「CaaS」のユースケースの共創を目指すとともに、「CaaS」によるスタートアップエコシステム構築をさらに強化、加速するため、スタートアップと企業をつなぐハブとして活動する世界中のスタートアップ支援団体との連携を図っていきます。

図2:現時点で本プログラムに参加しているスタートアップ12社 図2:現時点で本プログラムに参加しているスタートアップ12社

なお、現時点で本プログラムに参加している以下スタートアップ12社、およびスタートアップ支援団体1社からのコメントは、添付資料のとおりです。

  • スタートアップ
    Anifie, Inc(アニフィー).、株式会社グリッド、株式会社HIKKY(ヒッキー)、Infinite Foundry, Lda(インフィニット ファウンドリー).、株式会社Jij(ジェイアイジェイ)、株式会社カシカ、コガソフトウェア株式会社、京都フュージョニアリング株式会社、株式会社日本学術サポート、株式会社PocketRD(ポケットアールディー)、Qubit Pharmaceuticals, SAS(キュービット ファーマスーティカルズ)、Waylay NV(ウェイレイ)
  • スタートアップ支援団体
    Unknown Group BV(アンノウングループ)

添付資料

スタートアップ各社様(アルファベット順)、およびスタートアップ支援団体様からのコメント

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • 注1
    スーパーコンピュータ「富岳」:
    スーパーコンピュータ「京」の後継機として理化学研究所に設置された計算機。2020年6月から2021年11月にかけて世界のスーパーコンピュータに関するランキングの主要4部門において4期連続で1位を獲得するなど、世界トップクラスの性能を持つ。2021年3月9日から共用開始。
  • 注2
    Intel社:
    インテル株式会社 所在地 東京都千代田区、代表取締役社長 鈴木 国正。
  • 注3
    NVIDIA社:
    エヌビディア合同会社 所在地 東京都港区、日本代表兼米国本社副社長 大崎 真孝。
  • 注4
    デジタルアニーラ:
    現在の汎用コンピュータでは解くことが難しい組合せ最適化問題を解くことに特化したドメイン指向型(特定の領域に処理能力を特化)計算機アーキテクチャ(メモリや演算回路からなるコンピュータの基本設計)による情報処理技術。
  • 注5
    CaaS Data e-TRUST:
    セキュアなデータ流通と活用を実現する当社のIDYX技術やCDL技術を搭載した「CaaS」の新たなトラスト機能群。高度なデータセキュリティを提供し、異なるシステムやサービス間でのデータ流通の真正性と安全性を保証する。
  • 注6
    株式会社トヨタシステムズ:
    本社 名古屋市中村区、代表取締役社長 北沢 宏明。
  • 注7
    Phytocontrol Group:
    所在地 フランス ニーム市、CEO Mikaël Bresson(ミカエル ブレッソン)。
  • 注8
    クロマトグラフィー:
    物質中に含まれる化合物の成分を分離、分析するための方法。成分ごとの溶出時間の異なりから各成分を分離させ、さらにイオン化させて質量電荷比ごとに分離して検出する。

関連リンク

当社のSDGsへの貢献について

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。当社のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。

本件が貢献を目指す主なSDGs

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