PRESS RELEASE (サービス)
2016年10月17日
富士通株式会社
AIを活用したエンタープライズ型チャットボットサービス「Finplex Robot Agent Platform」を提供
お客様自身で機械学習工程をマネジメントすることで、効果的・効率的な学習を実現
当社は、AIを活用したエンタープライズ向けのチャットボット(注1)サービスを実現する「FUJITSU 金融ソリューション Finplex Robot Agent Platform(フィンプレックス ロボット エージェント プラットォーム)」(以下、Finplex Robot Agent Platform)を開発し、2017年1月より提供します。
「Finplex Robot Agent Platform 」は、機械学習による知識をもったロボット(Bot)と、チャットツール利用者がチャット形式で会話を行うことにより、商品セールスやカスタマーサポート対応のロボットによる自動支援を実現します。これまでブラックボックスになっていた、学習データを用いた機械学習やスクリプト作成などの機械学習工程を、お客様自身がマネジメントできるようにすることで、低コストで効果的・効率的な学習が可能です。
「Finplex Robot Agent Platform」は、当社のAI技術「Human Centric AI Zinrai」(注2)の技術を活用しており、先行してソニー銀行株式会社様(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊藤 裕)による実証を行っています。当社の金融ソリューション体系「Finplex」(注3)のラインナップのひとつとして金融機関向けに提供を開始し、今後は金融分野以外の様々な業種・業態のお客様や、グローバルにも順次展開していきます。
背景
近年、散乱する情報の中から必要としている情報に素早くたどり着く手段として、サービスごとに個別アプリをインストールして利用する代わりに、日常的に使用しているチャットツールが活用され始めています。
特に、チャットをコミュニケーションツールとして普段使用しているユーザー層が、これまで時間的・心理的なハードルの高さから利用に消極的だった金融サービスに対して、チャットを通じて利用したいというニーズが高まってきています。このような市場動向を捉え、チャットボットサービスを実現する「Finplex Robot Agent Platform」を開発しました。
特長
「Finplex Robot Agent Platform」は、当社のデジタルビジネス・プラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」より、チャットボットサービスの開発に必要な機能一式を提供します。
- チャットインターフェースを実現するメッセンジャー機能
チャット形式による対話インターフェースであるメッセンジャー機能を提供します。本機能には、今後株式会社富士通研究所の業務指向型対話技術(注4)の搭載を予定しています。
- 学習データの管理を行う類義語編集機能
機械学習させたいデータのアップロードや、学習させたデータの管理(追加、削除、編集)を行う類義語編集機能を提供します。本機能により、お客様自身で機械学習の度合いを自由に操作できます。(特許出願済)
- サービスシナリオを生成するスクリプト編集機能
チャットボットを使って提供したいサービスを、自由に構築できる「スクリプト編集機能」を提供します。本機能により、お客様自身でサービスシナリオの生成や編集が容易になり、チャットボットサービスの早期立ち上げが可能となります。
- 既存チャットツールとの連携を行うAPIゲートウェイ
他社が提供しているチャットツールとの連携を容易にするAPIゲートウェイを提供します。これにより、お客様がすでに導入しているチャットツール をそのまま活用できます。
図: 「Finplex Robot Agent Platform」の機能概要
拡大イメージ
効果
金融サービス利用者に、チャットツールを活用したサービスを提供することで、24時間365日いつでもどこでもサービスが利用できるようになり、サービス提供側もこれまでリーチできなかった市場(顧客層)へのアプローチが可能になります。
また、従来のロボットへの機械学習は、お客様の持つデータを専門の技術者が解析し、学習を行うという手法が一般的であったのに対して、「Finplex Robot Agent Platform」では、お客様自身で機械学習工程のマネジメントを行えるため、低コストで効果的なロボットのコントロールが可能となります。
今後の展開
「Finplex Robot Agent Platform」の機能の拡充を加速し、金融業界のお客様の知見や当社のノウハウ、Fintechを代表とするスタートアップ企業のサービスと連携させ、お客様や金融業界全体の価値の最大化に向けて取り組んでいきます。
現在、ソニー銀行株式会社様にて利用者の利便性向上に向けた検証を行っており、今後は業種・業態を問わないサービスプラットフォームとして、金融分野以外のお客様や、グローバルにも順次展開していきます。
当社は今後も「KNOWLEDGE INTEGRATION for BIG CHANGE」のスローガンの下、お客様やパートナー企業とともに蓄積してきた豊富なナレッジを活用し、新たな価値をお客様に提供していきます。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 チャットボット:
- チャットボットの「ボット」は、「ロボット」が語源。人間の代わりにコミュニケーションを自動で行ってくれるプログラム(もしくは、それを含むシステム全体)のこと。
- 注2 Human Centric AI Zinrai:
- 当社グループが取り組んできた「知覚・認識」や、「知識化」、「判断・支援」、そしてそれらを高度化し成長させる「学習」などのAIに関する研究開発の結果である技術やノウハウを結集し、体系化したもの。
- 注3 Finplex:
- 金融機関のお客様と未来を共創することを目指して、当社のデジタルビジネス・プラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」に対応した金融ソリューション体系。
- 注4 業務指向型対話技術:
- 富士通研究所が所有する技術。主に窓口対応業務に向け、簡単な設定をするだけでAI技術により、ユーザーの要望を正しく理解し、必要な情報を自然に聞き出しながら自律的に対話する技術。
関連リンク
- 当社が培ったAI技術を「Human Centric AI Zinrai」として体系化(2015年11月2日 プレスリリース)
- 金融業界のデジタル革新の加速に向け、金融ソリューションを「Finplex」として新たに体系化(2016年3月30日 プレスリリース)
- AIを活用した業務指向の対話技術を開発(2016年5月16日 プレスリリース)
本件に関するお問い合わせ
富士通コンタクトライン(総合窓口)
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