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PRESS RELEASE

2014年10月15日
富士通株式会社
シンガポール科学技術庁
Singapore Management University

持続可能な社会の共創に向け、先端研究組織を設立

シンガポールでHPCとビッグデータを活用し、社会課題解決のためのソリューションを創出

富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 正已、以下、富士通)とシンガポール科学技術庁(Agency for Science, Technology and Research、所在地:シンガポール、長官:リム・チャン・ポウ、以下、A*STAR)、Singapore Management University (所在地:シンガポール、学長:Arnoud De Meyer、以下、SMU)は、本日、都市などの社会課題解決のためのソリューションの創出を目的とした、5年間の包括共同研究契約を締結しました。

今後、3者は、本契約に基づき、先端研究組織(Center of Excellence、以下、CoE)をシンガポールに設立し、シンガポール首相府の国立研究財団(National Research Foundation、以下、NRF)からの支援も受けながら、高速・大規模計算科学技術(High Performance Computing、以下、HPC)や、実社会で発生するビッグデータを活用した研究を通じて都市などの社会課題解決のためのソリューションを共創し、シンガポールで実証実験を行います。3者が本共同研究に投じる投資金額は、合計で5,400万シンガポールドルです。

共同研究について

世界の人口に占める都市人口の割合は、2050年までに70%に達すると見込まれており(注1)、都市部では人口過密や交通渋滞、資源の有効活用などの様々な社会課題が増加しています。CoEでは、これらの課題を解消し、持続可能な社会を実現するためのソリューション開発を目的とした研究を行います。

<CoEのプロジェクト>

初期段階では以下をテーマとしたプロジェクトに取り組み、共同研究期間中に研究テーマを追加する予定です。

  1. ダイナミック・モビリティ・マネジメント:

    大都市などにおける交通渋滞の緩和や歩行者の動線改善、人ごみの管理などを行うソリューション開発を目的とした研究を行います。センシングやデータ管理・解析、モデリング、シミュレーション、意思決定支援などの研究に必要となる、アプリケーションプログラムやツールを完備した新しいコンピュータ環境を用意し、研究に取り組みます。

  2. 海洋・港湾最適化:

    新規に港湾インフラ設備を増強することなく、港湾オペレーションを最適化することで処理能力を向上させる研究、および船舶の入出港や陸上交通の管理も含めた港湾から陸上までの統合物流最適化の研究を行います。

<CoEの体制>

CoEでは、富士通、A*STAR、SMUの組織の強みや技術力を相互に補完しながら、社会課題解決のためのソリューションの創出に取り組みます。日本とシンガポールのエンジニア、および研究者で構成されたチームを中心とし、SMUの大学院生や博士課程の学生も参加します。

富士通は、ビッグデータの分析技術とHPCにより、ビッグデータ解析とシミュレーションとを統合したソーシャルイノベーションを実現するソリューションを開発します。さらに、富士通研究所の研究開発力も駆使して、CoEの様々な研究テーマに貢献します。

A*STARからは、A*STARの組織である、Institute of High Performance Computingが本共同研究に参加し、交通制御やサプライチェーン・マネジメントに関する研究における複雑なモデリングやシミュレーション、および行動科学分析などに貢献します。

SMUは、人工知能、エージェント・ベース・モデリング(注2)およびシミュレーション、インテリジェント・オプティマイゼーション(注3)、行動心理にまで踏み込み分析する行動経済学、シミュレーションを用いて意思決定を支援する計算社会科学などを組み合わせた、プランニングや意思決定支援ソフトウェアシステムなどで専門性を発揮します。

富士通株式会社 執行役員常務 松本端午のコメント

CoEは、シンガポールで実際に発生するビッグデータを用い、富士通の掲げるビジネス戦略である、ヒューマンセントリック・イノベーションに合致する最先端の研究開発に携わることのできる、またとない貴重な機会です。このプロジェクトを通じ、シンガポールとより密接な関係を築き、安心安全な社会の実現に貢献したいと願っています。

A*STAR、Managing Director、Raj. Thampuranのコメント

今回の共同研究は、シンガポールが直面している主要都市特有の課題解決に大きく貢献することを目指しています。その課題は、複雑で、環境によって変化するため、我々が行おうとしている(実社会を舞台にした研究という)オープンなアプローチを実施することにより、お互いの強みと能力を引き出し、より良いソリューションを導き出すことを期待しています。

SMU、学長、Arnoud De Meyerのコメント

今回の共同研究で、我々が持つ学術的な知識とリソースを共有する事により、複雑な都市と社会問題の解決に貢献できると期待しています。また、今回の活動は、我々を街中にある1つの大学から、シンガポールの都市生活向上という多大な社会貢献を実現できる大学へ発展させてくれると期待しています。A*STAR、富士通との協力の下、データ分析とモデリングなどを駆使し、人間の行動予測を解析するインテリジェントな行動予測ツールなどの開発に役立て、都市や港湾のリソース最適化へ繋げてゆきたいと考えています。

以上

注釈

注1 世界の都市人口の割合が2050年までに70%に達する見込み:
UNICEF “An Urban World” より。
注2 エージェント・ベース・モデリング:
自律的な固体・組織体の行動・相互作用を、全体への影響の観点からシミュレーションするための分析手法。
注3 インテリジェント・オプティマイゼーション:
高度な情報圧縮や検索、時間情報・空間情報の高速処理、確率的な最適化などを用い、刻々と変化する環境のもとで社会全体の問題の解決やビジネス戦略の最適化を行う。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

富士通株式会社
イノベーションビジネス本部 グローバルソリューションビジネス統括部
電話 03-6252-2612(直通)

A*STAR
Corporate Communications、 アシスタントマネージャー、Angeline Ng
電話 +65-6419-1148
メール angeline-ng@scei.a-star.edu.sg

Singapore Management University
Corporate Communications、アシスタント・ディレクター、 Teo Chang Ching
電話 +65-6828-0451
メール ccteo@smu.edu.sg


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