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PRESS RELEASE

2013年7月10日
株式会社富士通総研
富士通株式会社

複数家電を自動で制御するHEMSの開発に着手

背景

現状のHEMSの省エネ機能は、家電の消費電力の可視化や、一般的な省エネアドバイスを行う機能が中心です。家庭でのスマートな節電を実現する鍵となるHEMSを普及させるには、様々な生活スタイルに沿った適切な省エネ制御を先回りして提案したり、自動的に制御したりする仕組みが必要となります。

富士通総研は、環境省の「平成24年度HEMS制御によるCO2削減効果の調査事業」を受託し、住む人に負担が少なく、省エネ効果の高い機器制御システムを富士通とともに開発し、効果検証を実施しました。調査モニターの世帯に、電力、人感、温度、湿度、光度、睡眠などのセンサーや、遠隔制御のための赤外線リモコンを配備し、それらのデータ収集、機器の制御に「My Cloud」を活用しました。1分ごとの電力データを把握することでリアルタイムに省エネ制御を行える実証システムを構築し、自動化に向けたノウハウを蓄積しました。これにより、モニター世帯において、冬季の電力消費量を10パーセント以上削減（注3）できる可能性が示されました。

この実証結果を踏まえ、今年度は、住む人の要求に応じて、家庭内の複数の家電や住設機器を自動で制御することを目指します。

自動制御システムの特徴

• 複数の家電を組み合わせた制御

  部屋が適温になったらエアコンの運転（電源）をオフするだけでなく、代わりにサーキュレータを回すなど、家庭内の家電をネットワーク接続することで、種類やメーカーの異なる複数の家電を組み合わせて最適に制御します。

• 世帯や個人の嗜好・くせに応じた制御

  世帯や個人で異なる電力使用のパターン（夜間のパソコン利用が多い、1日中テレビをつけたままにすることが多い）を、センサー情報から把握し家電を制御します。

  また、パーソナリティ（暑がり・寒がり、面倒くさがり・小まめ）、ライフステージ（幼児、受験生、高齢者がいる世帯）、ライフスタイル（朝型・夜型、昼間不在がち）など、世帯の特性を捉えた機器の制御を実行します。

• 受容度の把握

  自動制御を実行する前に、利用者に対し問いかけメールを発信し、承諾した場合のみ実行するなど、人の暮らしに配慮した適切な省エネ制御を行います。

今後について

本実証事業で培ったノウハウを蓄積し、順次、HEMS環境を構築できる富士通の「My Cloud」の機能として搭載していく予定です。また、富士通のスマートシティビジネスへの活用も検討していきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

注1 HEMS(Home Energy Management System)：

家庭におけるエネルギー管理システム。住宅に設置されたエネルギーを消費・創出する機器や、その量を測るメーター機器などをネットワーク接続することで、稼動状況監視や遠隔操作での自動制御などが可能。

注2 「My Cloud」：

2012年5月にパソコンの新コンセプトとして発表した個人向けパソコン用クラウドサービス。生活の中で撮り溜めた写真や動画データを自動整理し一元管理したものを、様々なモバイル機器により宅外視聴が可能。また、エアコンなどの家電を外出先からコントロールするなど、人々の暮らしを豊かにするサービスを提供。

注3 10パーセント削減：

一定期間における特定家電機器の待機電力などを削減した場合の、本実証結果から得られた理論値。

関連リンク

• 富士通パソコンの新コンセプト「My Cloud（マイクラウド）」（2012年5月9日 プレスリリース）
• My Cloudサービス紹介サイト「FMWORLD My Cloudページ」

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