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PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)

2011年6月16日
富士通株式会社
欧州富士通研究所

オーストラリア国立大学とスパコンソフトウェアに関する共同研究を開始

オーストラリア研究評議会の資金によりペタスケール・シミュレーションのための数学的手法とソフトウェアを開発

欧州富士通研究所(注1)とオーストラリア国立大学(注2)は、オーストラリア研究評議会(注3)から446,000豪ドルの資金を得て、連携プロジェクトを開始しました。プロジェクトの名称は、「ペタスケールコンピュータシステム上における津波モデリングやプラズマ物理の偏微分方程式の安定的な数値解法」であり、将来のスーパーコンピュータのこれまでにない計算能力を利用した新しい数学的手法の実現を目指します。

今回のプロジェクトの目的は、複雑でダイナミックな現象を理解するための鍵となる、ペタスケール・シミュレーションのための新しい数学的手法とソフトウェアを開発することにあります。富士通株式会社(以下、富士通)は、今後も世界最高レベルの性能を実現するスーパーコンピュータの開発に挑戦し続けるとともに、欧州富士通研究所を通じて、本プロジェクトを支援していきます。

プロジェクトのチームリーダーである、欧州富士通研究所のロス・ノブス博士は、プロジェクトの重要性について次のように述べています。

「我々は、計算科学の極めて重要な技術に関して、オーストラリア国立大学と共同して研究開発できることを大変光栄に思います。本プロジェクトは、昨年スタートし、富士通が推進するオープン・ペタスケール・ライブラリ(OPL)プロジェクトが発展したもので、将来のエクサスケール・コンピューティングに向けて重要性を増している、スケーラブルで、安定的で、耐故障性のあるコンピュータ・シミュレーションの重要な基盤になるものです。

我々は、津波モデリングとプラズマ物理の2つのキーアプリケーションを研究の対象として取り上げ、オーストラリア国立大学が持つウェーブレット(注4)や高次元近似計算などの先端的数学手法を発展させて、ペタスケールコンピュータや将来のスパコン用に先進的な数学ソフトウェアを提供することを目指します。

本プロジェクトの一環として、富士通のスーパーコンピュータを含む、多くの計算コアを持つCPUとそれらを高速に接続した最先端のスーパーコンピュータ向けに、成果を最適化することを予定しています。今後、3年間で素晴らしい成果が得られることが期待できます。」

オーストラリア国立大学のチームは、数学科学研究所のマーカス・ヘグランド教授に率いられ、リチャード・ブレント教授と、スティーブン・ロバーツ准教授、アリステアー・レンデル准教授、そして、コンピュータサイエンス学科のピーター・ストラディンス博士が主任研究者として貢献します。オーストラリア研究評議会からの資金は、富士通とオーストラリア国立大学のチームの共同研究を支援するためのものであり、博士課程を修了した研究者1名と博士課程の学生2名を採用することや、プロジェクト期間中のスタッフの交流やインターンシップのために使われます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 欧州富士通研究所:
Fujitsu Laboratories of Europe Limited。代表取締役社長 丸山 文宏。本拠地 英国ロンドン。
注2 オーストラリア国立大学:
Australia's National University (ANU)。オーストラリア連邦の首都キャンベラに位置する大学。
注3 オーストラリア研究評議会:
Australian Research Council (ARC)。CEO Margaret Sheil。
注4 ウエーブレット:
減衰しながら振動する波形によって信号を表現することと、それを応用した信号処理のこと。

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本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)


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