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PRESS RELEASE

2010年10月5日
株式会社QDレーザ
富士通株式会社
国立大学法人東京大学

「グリーンITアワード2010」において
量子ドット(Quantum Dot)レーザーが、経済産業大臣賞を受賞

株式会社QDレーザ(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:菅原充、以下、QDレーザ)、富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本正已、以下、富士通)、および国立大学法人東京大学(本部:東京都文京区、総長:濱田純一、以下、東京大学)は、「グリーンITアワード2010」(主催:グリーンIT推進協議会、後援:経済産業省)において、「IT機器の大幅な省電力に貢献する量子ドットを用いた半導体レーザ」が高く評価され、本日、「ITの省エネ」部門の経済産業大臣賞を共同受賞しました。

グリーンITアワードについて

グリーンITアワードは、グリーンITの活動を広く社会に浸透させ、環境保護と経済成長が両立する社会を実現させるため、社会におけるエネルギー使用量削減に寄与したIT機器・サービス・ソリューションの開発、普及への貢献、およびそれらの利用を表彰するものです。

受賞について

量子ドット(Quantum Dot 以下QD)レーザーは、量子効果(注1)を最大限に高めた最先端の半導体レーザーで、半導体基板の上に量子ドット(注2)を形成することで実現しています。

QDレーザーは、低消費電力・高い温度安定性・高温耐性などの点で従来の半導体レーザーを凌駕する特性を持った画期的なレーザーで、今後のインターネットの利用拡大やIT機器の性能向上に伴い、増加を続ける消費電力を抑えることが可能になります。

本技術は、1982年に東京大学の荒川泰彦教授(ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構長兼務)らにより提案され(注3)、その後、富士通と東京大学の産学連携により開発されました。本技術を事業化するために設立された「株式会社QDレーザ」は、世界で初めて光通信に向けた量子ドットレーザーの量産を開始しました。

グリーンITアワードでは、本デバイス技術の先進性や、中長期での潜在的な応用分野の広さを評価されるとともに、デバイスの原理そのものから革新をもたらそうという独創的な発想と、それを生み出した15年にわたる産学連携プロジェクトの成果が高く評価されました。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

  注1 量子効果:
原子は、ある特定の狭い領域(数ナノメートルから数十ナノメートル、1ナノメートルは10億分の1メートル)に閉じ込められると、飛び飛びのエネルギーしか取れなくなります。本技術は、この性質を利用し、余分な電流が流れず、必要最小限の電流しか流れないことから、レーザーのエネルギーロスを減らし、温度安定性を高めることができます。
ご参考: やさしい技術講座
  注2 量子ドット(Quantum Dot):
大きさが数ナノメートルから数十ナノメートルの粒状構造。
  注3 Y. Arakawa et al.:
Multidimensional quantum well laser and temperature dependence of its threshold current. Appl. Phys. Lett., Vol40, p.939-941(1982)

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

株式会社QDレーザ
営業・事業企画部
電話: 044-333-3338
E-mail: info@qdlaser.com

富士通株式会社
環境本部 環境企画統括部
電話: 044-754-3413(直通)
入力フォームお問い合わせフォーム

国立大学法人東京大学
ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
電話: 03-5452-6920(機構事務局)
E-mail: arakawa@iis.u-tokyo.ac.jp


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