PRESS RELEASE
2006年4月20日
富士通株式会社
三井物産株式会社
富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:黒川 博昭 以下、富士通)と三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:槍田 松瑩 以下、三井物産)は、両社のベンチャーキャピタル資金をそれぞれ活用し、富士通の量子ドットレーザ技術にもとづく光デバイスのベンチャー企業、「株式会社QDレーザ(キューディーレーザ、以下、QDL社)」を設立します。
今回設立するQDL社の名前の由来となっている量子ドット(Quantum Dot)とは、富士通、および株式会社富士通研究所(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:村野和雄 以下、富士通研究所)が東京大学荒川研究室(荒川泰彦教授)との産学連携にもとづいて開発した、大きさがナノメートル(10億分の1メートル)サイズの半導体微粒子です。これを用いた量子ドットレーザは、温度無依存・低消費電力・長距離伝送・高速などの点で従来の半導体レーザを凌駕する特性を持つ画期的なレーザで、情報トラフィックが飛躍的に増加している光通信において、今後高性能な光源を実現する中核技術となることが期待されます。
QDL社は、これまで富士通が培ってきた高度な量子ドット半導体結晶製造技術と、レーザ設計・プロセス技術を元に、光アクセス系やビル構内の光LANに向けて量子ドットレーザを供給します。QDL社は高性能な量子ドットレーザにより同市場でシェアを獲得し、業界をリードすることを目指します。
富士通は、QDL社の成長を通じて世界トップレベルの量子ドット技術の実用化を進め、現在日米でトップクラスのシェアを持つ中長距離光通信装置市場に加え、今後グローバルに普及が予測される光アクセス系市場などにおける競争力強化を図ります。また、同社に対して共同研究などを通じた技術支援のほか、経営管理事項に関する支援を行います。なお、富士通からの出資は、自己資金で運営するコーポレート・ベンチャー・キャピタルファンドから行います。
三井物産は、100%子会社である株式会社エム・ヴィー・シー(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:長尾 收)が運用する三井ベンチャーズのファンドを通じ、さまざまな形での起業をグローバルな観点から支援するベンチャー投資を行っていますが、本件は、富士通が保有する世界トップレベルの技術と人材を、ベンチャー企業として分社化(カーブアウト)する事例です。
三井物産からQDL社への出資は、三井ベンチャーズの運用する自己資金ファンドから行います。三井ベンチャーズは、QDL社の事業計画策定、経営管理、資本政策立案・資金導入などを支援するほか、同社事業の拡大過程において、本技術の世界市場への展開を支援していきます。三井物産は、金融市場本部において幅広い企業投資事業を行っていますが、本件のように、日本企業の中核技術・人材を、第三者資本との組み合わせによって効果的に活用する仕組を、ベンチャー起業・育成の一つのモデルとして展開することを目指します。
(1) | 会社名 | : | 株式会社QDレーザ |
(2) | 事業内容 | : | 高性能量子ドットレーザと光デバイスの開発・製造・販売 |
(3) | 代表者 | : | 代表取締役社長 菅原 充(富士通研究所) 取締役副社長 大久保 潔((株)エム・ヴィー・シー) 取締役 吉川 誠一(富士通研究所) 取締役 山口 伸英(富士通) 取締役 長尾 收((株)エム・ヴィー・シー) |
(4) | 設立 | : | 2006年4月(予定) |
(5) | 資本金 | : | 2億9千万円 (資本準備金を含む。2社が段階出資し、持分比率は富士通61%、三井物産(ファンド)39%となる) |
(6) | 所在地 | : | 〒102-0073東京都千代田区九段北 1-14-17 三創九段ビル5階 (MVC事務所内) |
以上
富士通株式会社 広報IR室
電話:03-6252-2174(直通)
三井物産株式会社 広報部 報道室
電話:03-3285-7562(直通)
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