(ご参考)
富士通が構築した「社会保障情報基盤システム」の概要
「社会保障情報基盤システム」とは
「社会保障情報基盤システム」は、社会保障カード(仮称)の実証事業のベースとなるシステムで、いずも医療カード(ICカード)によるPKI(注1)認証、SOA(注2)基盤技術、ID連携技術、ディスカバリー技術(注3)などを組み合わせ、富士通株式会社が開発しました。
「社会保障情報基盤システム」の機能
一般利用者向け
- 利用者自身の診療情報(検査・処方)や健康診断情報のWeb照会
- 外来診療Web予約
- 年金情報のWeb閲覧
診療機関向け
- 被保険者の保険資格のWeb確認
- 患者の診療情報(検査・処方)や健康診断情報のWeb照会
「社会保障情報基盤システム」の特長
|
- いずも医療カード(ICカード)を使用し、自宅・医療機関からの利用者の厳格な本人認証を実現します。また医療機関において、患者(利用者)がICカードを提示することにより健康保険資格のオンラインでの即時確認も可能です。
- 医療保険者、医療機関、年金保険者など、複数の情報保有機関における情報閲覧・手続きのワンストップサービスを実現するために、「マイポータル」サイトを提供しています。本サイトから外来診療予約、診療情報の照会、年金情報の閲覧などができます。
- 利用者がサービスを利用する際に必要となる、病院や診療所が保有する「診療・健診情報」、市町村(国民健康保険)などの医療保険者が保有する「保険資格情報」、日本年金機構が保有する「年金情報」は、プライバシーの侵害等への不安を解消するために情報を一元管理せずに、中継データベースを介して各情報を参照します。中継データベースには利用者のICカード番号と紐づけた各医療機関の診療券番号、被保険者記号番号、基礎年金番号だけが格納されており、これらの詳細情報は、その都度、医療機関や医療保険者が保有するそれぞれのデータベースから、関連情報を取得することで、利用者に情報を提供しています。
- 中継データベースから、医療機関や医療保険者、年金保険者が保有するデータベースを参照する際は、「バックオフィス連携」機能による安全な情報連携を実現しています。
機能 | 要求される技術 | 実現のために提供した製品 | |
---|---|---|---|
1 | ICカード | 認証基盤技術 (PKI認証) |
SafetyMAM(ICカード運用管理システム) SafetyCLIC(暗号メールやSSL通信を実現するための端末ソフトウェア) |
2 | 認証システム | Systemwalker PKI Manager(登録局サーバソフトウェア) | |
3 | マイポータル | SOA基盤技術 | Interstage Application Server(アプリケーションサーバ) |
4 | 中継データベース | ID連携技術 「SAML(注4)」 |
Sun Open SSO Enterprise |
5 | バックオフィス連携 | ディスカバリー技術 「ID-WSF(注5)」 |
表1 社会保障情報基盤システム機能説明
以上
注釈
- 注1 PKI:
- Public Key Infrastructure、公開鍵基盤の略。公開鍵暗号技術と電子署名を使って、インターネット上で安全な通信ができるようにするためのインフラ(基盤)で、インターネット上の盗聴、なりすまし、データの改竄などの脅威を排除することができます。
- 注2 SOA:
- Service Oriented Architecture、サービス志向アーキテクチャーの略。システム全体を「サービスの集まり」と捉えたシステム構築の考え方。
- 注3 ディスカバリー技術:
- ユーザの意志に基づき、Webサイト間でユーザの属性情報を安全に流通させる技術。
- 注4 SAML:
- Security Assertion Markup Languageの略。IDやパスワードなどの認証情報を安全に交換するためのXML仕様。SAMLを用いることで、一度の認証で複数のWebサイトやサービスが利用できるシングルサインオン(SSO:Single Sign-On)を実現できます。
- 注5 ID-WSF:
- Identity Web Services Frameworkの略。Liberty Allianceが定めている、シングルサインオン(SSO)などの機能を実現するWeb Serviceのための仕様。Webサイト間でユーザの属性情報を安全に流通させるための処理とデータモデルを定義。
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