PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)
2008-0239
2008年11月19日
富士通株式会社
~ ハイエンドテクニカルコンピューティングサーバ「FX1」が、日本一の実行効率を達成 ~
このたび、アメリカ・テキサス州オースティン市で開催されている「SC08」にて発表された最新のTOP500リストに、当社の新スーパーコンピュータシステムがランクインしました。
当社のハイエンドテクニカルコンピューティングサーバ「FX1」を中核としたこのシステムは、世界トップレベルとなる89%以上の実行効率(注1)を実現し、このたびのTOP500リストに掲載されている日本のシステムでは最も高い実行効率となります。
[関連リンク]富士通のHPC 紹介サイト
最新のTOP500リストにおいて、以下の当社新スパコンシステムが新たにランクインしました。
順位 | お客様名 | システム名 (ハードウェア) |
CPU | 性能値 | 実行効率 |
---|---|---|---|---|---|
222位 | 宇宙航空研究開発機構 (JAXA)様 |
JAXAスーパーコンピュータシステム (ハイエンドテクニカルコンピューティングサーバ「FX1」) |
富士通 SPARC64 Ⅶ |
18.54 テラフロップス (TFLOPS)(注2) |
89.81% |
この結果は、当社のテクニカルコンピューティングサーバ「FX1」の高性能ハードウェアと、その性能を引き出すハイパフォーマンスコンピューティング用ミドルウェア「Parallelnavi(パラレルナビ)」およびシステム構築技術が結びつくことで実現したものです。
本システムは、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(理事長:立川 敬二、東京都調布市、以下、JAXA)様向けのスーパーコンピュータシステムの一部であり、2009年4月の本格稼働時には3,392ノードの「FX1」から構成され、理論ピーク性能は135TFLOPとなります。
JAXA様は、本システムを宇宙輸送システム(ロケット)や航空機などの開発のための先進的な数値シミュレーションを行なう中核的計算エンジンとして活用する予定です。
世界のスーパーコンピュータを「LINPACK(リンパック)」と呼ばれる並列計算プログラムで測定し、その処理性能によって500位までランク付けするものです。1993年より開始され、毎年2回、6月と11月に最新の順位が発表されます。
「FX1」は、マルチコアCPUの性能を最大限に引き出す新しいアーキテクチャーを採用し、当社にて開発した高性能クアッドコアCPU「SPARC64™ Ⅶ」とバランスの取れた高いメモリバンド幅を実現するチップセット、その性能を最大限に引き出すための高性能コンパイラにより、既存のマルチコアCPUのシステムでは実現困難だった非常に高い実行効率を可能にします。
また、通信経路上で通信データに対して種々の演算を施すことが可能な高機能インターコネクト(注3)を活用することで、並列アプリケーションのスケーラビリティを飛躍的に向上させるとともに、長年のテクニカルコンピューティング分野での経験で培われた並列処理ソフトウェア「Parallelnavi(パラレルナビ)」が提供するさまざまな運用機能・豊富な開発環境ツール群により、高性能並列計算環境を容易に利用することを実現します。「FX1」は、1ノードあたり40ギガフロップス(GFLOPS)(注4)の理論ピーク性能を実現します。
「Parallelnavi」は、科学技術計算に必要なコンパイラや数学ライブラリなどの開発環境に加え、実行環境、ファイルシステムなどを備えたHPCミドルウェアで、当社の提供する各種HPCプラットフォームに対応しています。
特に、数学ライブラリはLINPACKの処理性能を大きく左右するもので、今回の測定においても、各システムの高効率な結果に寄与しました。
記載されている商品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
テクニカルコンピューティング・ビジネス推進部
電話 : 03-6252-2483 (直通)
E-mail : contact-hpc@cs.jp.fujitsu.com
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