[ PRESS RELEASE ](製品・サービス) |
2003-0203
2003年10月28日
富士通株式会社 |
デジタル家電市場向け、32ビットRISCマイコンの新CPUコア
世界最高水準の処理性能を実現する「FR80」を開発
デジタル家電市場では、地上デジタル放送の開始を契機にいっそうの普及が見込まれる、デジタルテレビ、DVDレコーダ、HDDレコーダなどに向け、より高速で高機能なCPUに対する要求が高まってきています。
当社は、そのような要望に応えるため、「FRファミリ」において最高の処理性能を実現した、最上位CPUコア「FR80」を開発しました。
「FR80」は、アーキテクチャの最適化を図ったことで、0.18マイクロメートル(以下、 )プロセスで最大動作周波数200メガヘルツ(以下、MHz)を実現しました。これは、従来の「FRファミリ」の約2倍の高速動作となります。
200MHz動作時に、259ミップス(以下、MIPS*2)の高速処理と、140ミリアンペア(以下、mA)の低消費電力を実現し、0.18 プロセスの32ビットRISC CPUとしては世界最高水準の処理性能となる0.54mA/MIPSを達成しました。
なお、「FR80」は従来の「FRファミリ」と互換性のある命令セットを採用しているため、これまで「FRファミリ」を採用していたお客様は、ソフトウェア資産をそのまま活用可能です。
「FR80」の提供開始にあたり、当社は、評価用デバイス、評価用キットに加え、プログラム開発支援ツールとして、「Softune Workbench(ソフチューン ワークベンチ)」(*3)、および「NEXTiCE(ネクストアイス)シリーズ」(*4)を準備しました。お客様は、これらを利用することで、製品開発や性能評価を容易に行うことが可能となります。
当社は、デジタル家電市場向けに、2004年末までに「FR80」を採用した製品を提供することを予定しています。
デジタル家電、ネットワーク機器、車載制御などに求められる高性能システム制御用マイコンに向けて、当社のシステムLSI化技術と、組込みフラッシュメモリ技術を核に、お客様の要求に対応した製品をいち早く開発し、「FRファミリ」のラインアップ強化を図っていきます。
なお、当社は、11月12日(水曜日)から3日間、パシフィコ横浜にて開催される「Embedded Technology 2003(組込み総合技術展)」に「FR80」を出展します。
【「FR80」の主な仕様】
テクノロジ | 0.18  |
内部動作周波数 | 200 MHz |
処理能力 | 259 MIPS |
消費電流/処理能力 | 0.54 mA/MIPS |
パイプライン(*5)段数 | 5段 |
キャッシュメモリ(*6) | 命令系 | 8キロバイト |
データ系 | 8キロバイト |
【商標について】
- NEXTiCEは、コンピューテックス社の登録商標です。
- 記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
用語説明
- (*1)
- RISC(Reduced Instruction Set Computer):必要最小限の基本的な命令セットを持ったCPUです。
- (*2)
- MIPS(Million Instructions Per Second):Dhrystone V2.1プログラムを実行することで求められる、マイクロプロセッサの性能をあらわす値で、1秒間に何百万回の命令を処理できるかを示します。
- (*3)
- Softune Workbench:コンパイラ、アセンブラなどを含む、当社製の統合開発環境です。
- (*4)
- NEXTiCEシリーズ:株式会社コンピューテックスの製品です。
- (*5)
- パイプライン:命令実行を高速化する手法の一つです。5段のパイプラインを備えており、「メモリからの命令取り込み」「命令解読」「命令実行」「メモリへのアクセス」「演算結果や読み出したメモリデータの書き込み」の5つの処理を並列に行うことができ、処理の高速化が可能です。
- (*6)
- キャッシュメモリ:CPUとメモリの中間に位置する高速なメモリのことです。キャッシュを使うことで、CPUのデータアクセスが非常に高速化されます。
関連リンク
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