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[ PRESS RELEASE ]
2003-0007
平成15年1月14日
富士通株式会社
世界初、デュアルオペレーションフラッシュメモリ搭載

16ビットCAN内蔵マイコン「MB90890シリーズ」新発売

MB90F897

当社はこのほど、世界で初めてデュアルオペレーションフラッシュメモリを搭載した「F2MC-16LX 16ビットマイクロコントローラ」を開発し、第一弾として、車載ネットワークの標準プロトコルであるCAN(Controller Area Network)対応の16ビットマイコン「MB90890シリーズ」2製品を1月14日より販売開始いたします。

近年、車載ネットワークはCANが世界標準規格として普及しています。当社は、1998年より、自動車の快適制御、安全制御を目指し、多くのCAN内蔵マイコンをラインアップしてきました。

本製品は、デュアルオペレーションフラッシュメモリを1チップに組み込むことで、従来のように、機器の電源切断時に各種データ条件を記録するためにEEPROMを外付けする必要がなく、1チップで読み書き同時処理が可能です。

【本シリーズの特長】

  1. デュアルオペレーションフラッシュメモリ搭載

    従来は電源切断時の各種データ条件を記録するためにEEPROMなどの不揮発性メモリを外付けしていました。今回、当社のフラッシュメモリ技術を活用し、2つのバンクを持った、64キロバイトのデュアルオペレーションフラッシュメモリを搭載することで、1チップでプログラムの実行中に書き換え処理を可能にしました。

    また、外付けしていたメモリ部品および外付けにともなう搭載面積の削減、コストダウンを実現します。さらに、大容量の不揮発性データメモリを活用して、走行距離データの記録機能や、複数のシート状態を記憶しておくなど、快適制御、安全制御、通信制御の実現が可能です。メモリの外付けに伴うセキュリティ面での不安もなくなります。


  2. 3.5Vから5.5Vの広い動作電圧範囲

    動作電圧範囲を3.5Vから5.5Vと、広い範囲を確保して電圧低下などにも耐えられる信頼性向上を図りました。


  3. 入力電圧の"Low"レベル認識マージンの向上

    入力電圧の"Low"レベル認識マージンを、電源電圧(Vcc)の30%以下から50%以下に引き上げました。充分なマージンを持たせる回路設計により、雑音などに対して強いシステムの実現を可能としました。

当社は、今後も、デュアルオペレーションフラッシュメモリを搭載したマイコンのラインアップを強化してまいります。また、システム制御用マイコン「F2MC」において、お客様のシステム設計簡略化に向けて、部品点数の削減や実装面積の小型化を図ることに加え、車載や、デジタルAV、カーオーディオ用途向けなど、ラインアップを強化してまいります。

【サンプル価格(税別)】

「MB90F897」、「MB90F897S」共に 900円

【サンプル出荷時期】

「MB90F897」、「MB90F897S」共に 2003年4月

【販売目標】

1万個/月(2製品合計)

【「MB90890シリーズ」の主な仕様】

・プロセステクノロジ : CMOS 0.35ミクロンメートル
・電源電圧 : 3.5〜5.5V
・動作温度 : −40〜105℃
・最小命令実行時間 : 62.5ナノ秒/4MHz(PLL4逓倍)
・RAM容量 : 2キロバイト
・フラッシュメモリ容量  : 「MB90F897」   : 64キロバイト(サブクロック有)
「MB90F897S」 :  〃   (サブクロック無)
・I/Oポート : 「MB90F897」 :34本(サブクロック有 最大)
「MB90F897S」 :36本(サブクロック無 最大)
・スタンバイモード : スリープモード(*1)、ストップモード(*2)、CPU間欠モード(*3)
・タイマ機能 : 各種タイマ機能搭載
・割り込み機能 : 遅延割込み、DTP(*4)/外部割込み
・UART(SCI)機能 : 2チャネル
・CANコントローラ : 1チャネル
・入力レベルをソフトウェアで選択可能
・ADコンバータ : 8チャネル(8/16ビット)
・パッケージ : LQFP(*5)-48ピン

【用語説明】

*1 スリープモード(Sleep Mode):
CPUの動作クロックを停止させ、CPU以外の機能は動作するモードです。周辺機能を動作させたまま低消費電力化できます。
*2 ストップモード(Stop Mode):
原発振を停止させ、全ての機能が停止したモードで、最も低消費電力でデータを保持できます。
*3 CPU間欠モード(CPU Intermittent Mode):
CPUの動作クロックを一定周期毎に停止させるモードです。CPUを動作させたまま消費電力を抑えることができます。
*4 DTP(Data Transfer Peripheral):
外部周辺ICからのDMA(Direct Memory Access)要求あるいは割込み要求を受け取りF2MC-16LX CPU に自動転送を起動する端子です。
*5 LQFP(Low-profile Quad Flat Package):
表面実装型プラスチックパッケージの一種です。

【商標について】

  • F2MCは、富士通株式会社の登録商標です。
  • その他の製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以 上

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