FRAM混載多目的ICカード向け
ソフトウェアソリューション「HIPERSIM」を開発
当社はこのほど、FRAM (*1)混載多目的ICカード用LSIチップシリーズ「HIFERRON(TM)(ハイフェロン) (*2)」向けソフトウェアソリューション「HIPERSIM(TM)(ハイパーシム) (*3)」を開発し、2002年4月より提供を開始いたします。同時に、開発ツールキットの提供も開始いたします。
ICカード市場は、2001年度には全世界で約4000億円、2004年度まで年率30%以上の成長が見込まれています(当社調べ)。ICカード市場のうちFRAM混載ICカードは20%を占めると予想されています。
当社は、「HIPERSIM」を、「HIFERRON」チップシリーズと組み合わせて提供することにより、金融・行政端末、各種モバイル機器などに使われるICカード向けデバイスソリューションとしてスタンダードの確立を目指します。
「HIPERSIM」は、多目的ICカード向けのOSとアプリケーションソフトで構成されています。従来のICカードでは難しかったネットワークを介してのアプリケーションの入れ替えや、複数のアプリケーションの同時実行が可能です。さらに、インターネットブラウジングを簡単に行えるマイクロブラウザ (*4)を搭載しております。
また、次世代携帯端末向けの本人認証等機能を備えたSIM (*5)/USIM (*6)や、ICカードの国際標準規格であるISO-7816 (*7)に準拠するなど、今後多目的ICカードに必要となる機能に対応しております。
ICカードメーカは、当社の「HIFERRON」と「HIPERSIM」を組み合わせることにより、短期間で容易に多目的ICカードを開発できます。
当社は、これからもFRAM事業のR&D・マーケティング活動を積極的に推進し、ブロードバンド・インターネット時代に要求される多目的ICカードに必要なデバイスソリューションを提供し、ICカードの普及を促進してまいります。
【 HIPERSIMの構成 】
お客様の目的に応じて以下の3つのセットを提供いたします。
- マニュファクチャラーズ・セット
独自仕様で多目的ICカードを開発されるお客様向けです。HAL(*8)、ファイルシステム、メモリマネージャ、タスクマネージャ、暗号・復号制御、およびHIPERSIM・API(Application Program Interface)などの基本OSが含まれます。
- ディベロッパーズ・セット
標準規格に準拠した多目的ICカードを開発されるお客様向けです。マニュファクチャラーズ・セットに加えて、アプリケーションマネージャおよびISO-7816準拠のファイルシステム・インタフェースが含まれます。
- テレコミュニケーションズ・セット
標準規格に対応したネットワーク接続機能を有する多目的ICカードを開発されるお客様向けです。ディベロッパーズ・セットに加え、USIMなどのアプリケーションおよびマイクロブラウザが含まれます。
- 【用語説明】
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- *1 FRAM(Ferroelectric Random Access Memory):
- 強誘電体材料を利用した電源を切ってもデータが消えない不揮発性メモリです。低消費電力で、高速書込み、高頻度書き換えが可能です。
- *2 HIFERRON:
- 2001年8月に当社が発表したFRAMを混載した多目的ICカード用LSIチップシリーズの名称です。32ビットRISC CPUにFRAM、マスクROM、SRAM、暗号回路、接触/非接触IFを搭載しています。
- *3 HIPERSIM:
- High-Performance Smart IC Managerの略称です。
- *4 マイクロブラウザ(Microbrowser):
- WML(*9)をサポートしたインターネットブラウザです。欧米を中心に普及しているSIM搭載の携帯端末でも効果的にインターネットのブラウジングが可能になります。
- *5 SIM(Subscriber Identity Module):
- 携帯電話とネットワーク間にセキュアな通信を確立するモジュール。SIMが搭載されたICカードのみを持ち運ぶことで、GSM内のオペレータ間のローミングが可能です。
- *6 USIM(Universal Subscriber Identity Module):
- SIMの進化型で第三世代携帯電話(3G)で利用され、SIMに比べ高速な通信や高いセキュリティを実現するモジュールです。
- *7 ISO-7816:
- ISO(International Organization for Standardization)により制定された接触型ICカードインタフェースの国際標準規格です。
- *8 HAL(Hardware Abstraction Layer):
- ハードウェアの機能をAPI化し、上位層であるOSにその機能を提供するレイヤーです。
- *9 WML(Wireless Makeup Language):
- 携帯電話や腕時計など、表示機能が弱い携帯端末向けのコンテンツ記述言語の一つです。
【商標について】
- HIPERSIM、HIFERRONは、富士通株式会社の商標です。
- FRAMはラムトロン社の登録商標です。
- その他文中に記載の会社名および商品名は、各社の登録商標です。
以 上

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