■「FMV」篇
夜の公園で別れ話をしている男女。
「私たちもうダメよ 別れましょう。」「ちょっと待てって。」
「別れましょう。」「おい!」「さよなら…」
ツカツカと足早に前を歩いていく彼女。
「ちょっと待てよ!」「もうさんざん話したじゃない!」
「ちょと待て、ちょっと待て、ちょっと待てって!!」
「はなして!」
彼女を引き留めようとする木村拓哉さん。
「ちょっと待って!!」「はなしてっ!!」
横断歩道の手前で、彼女の腕をガシッとつかみ、何とか立ち止まらせる。
するとその直後、彼女が渡ろうとした横断歩道で、タンクローリーが乗用車をよけて電柱に激突し、爆破炎上する。突然の大事故に呆然とする彼女。
「だから待てっていっただろ?」
あくまで冷静な木村拓哉さん。
「何?どういうこと?」
危険を予知していた木村拓哉さんに驚いてじっと顔をみつめる彼女。
そう、木村拓哉さんは、タンクローリーが爆破炎上することを予知能力で知っていた"ちょっとだけ先のことが読める、とても頼りになる彼氏"なのでした。
■「ルークス」篇
場所は高級ホストクラブ。ナンバーワンホストの木村拓哉さんが、女性客を甘い雰囲気でくどいている。
「いや、うそじゃないっすよ。」「またあ、みんなに言ってるんでしょ?」
「そういう男に見えますかね?」「すっごい見えるんだけど。ていうかホストでしょ?」
女性の目は潤み、すっかり木村拓哉さんの手中。
「あ、気にしなくていいよ。自前だけど。」「何?急にへんなコト言って」
ふいに妙なことを口走る木村拓哉さんを、不審に思う女性。
「あたし、トイレ。」「アッ、あたしも」
隣りの女性と連れ立って化粧室に立とうとした瞬間、水割りのグラスを倒してしまい木村拓哉さんのスーツにおもいっきりかかってしまう。
「うそっ!ごめんなさい!」「だからいいって。気にしなくて。」
平然としている木村拓哉さんに、さっきの言葉の意味を知る女性。
そう、木村拓哉さんは、彼女が水割りのグラスを倒すことを予見していた"ちょっとだけ先のことが読める、エスパーなホスト" なのでした。