当社はこのほど、富士通VLSI株式会社(本社:愛知県春日井市,社長:鹿島田 秀夫)と共同で、SDRインタフェース(*1)を搭載した64メガビットFCRAM(Fast Cycle RAM)「MB81E643242」を開発し、4月18日よりサンプル出荷を開始いたします。
DRAMは、パソコンや携帯情報端末などの情報機器 や、デジタルAVなどの民生機器、通信・ネットワーク関連機器など、さまざまな製品に搭載されております。搭載する製品の高性能化、多機能化にともない、ロジックだけでなくDRAMにもお客様のニーズにきめ細かく対応した製品が求められています。
このような要求にお応えし、当社独自開発の高速・低消費電力メモリFCRAM(技術発表:平成10年6月)をコアに、お客様の用途に最適な仕様を搭載したシステムメモリを提供いたします。
今回の新製品は、FCRAMの特長を活かし、PDAなど携帯機器のデータメモリや、プリンタなど情報機器のバッファメモリなど、低消費電力と高速性の両方を要求する分野に最適です。FCRAMコアにSDRインタフェースを搭載したことにより、用途に適した動作周波数に応じて低レイテンシ(*2)をサポートし、高速ランダムアクセスを可能にいたしました。また、動作周波数をおさえながら性能向上を図れ、電磁波妨害(EMI*3)を軽減できます。
当社は、すでに、マルチメディアグラフィックス向けのFCRAMを開発しており、今後もFCRAMコア技術や、高速インタフェース技術をもとに、お客様の要求に対応した高付加価値FCRAM製品を開発、提供してまいります。
【サンプル価格】 | 3000円(税別) |
【サンプル出荷時期】 | 平成12年4月 |
【販売目標】 | 10万個/月 |
【主な仕様】 |
・プロセス技術 | : 0.2ミクロンプロセス ポリシリコン4層メタル3層 |
・電源電圧 | : 3.3V ± 0.3V |
・動作クロック周波数 |
| 「MB81E643242-13」 | 「MB81E643242-15」 |
RASサイクルタイム | 39ナノ秒 | 45ナノ秒 |
CL=1 : RASアクセスタイム | 35ナノ秒(50MHz) | 43ナノ秒(40MHz) |
CL=2 : RASアクセスタイム | 33ナノ秒(75MHz) | 38ナノ秒(67MHz) |
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・CASレイテンシ(=CL) | : 1または2 |
・I/Oインタフェース | : LVTTL |
・パッケージ | : プラスティック TSOP-86 |
▼ランダムアクセス動作の例
50MHz時の FCRAM「MB81E643242-13」(CL=1)と、SDRAM(CL=2)の比較です。
【用語説明】
- *1 SDRインタフェース(Single Data Rate SDRAM Interface) :
- 一般的なSDRAM。インタフェースと同様、クロックの立ち上り時に同期して動作する。
- *2 レイテンシ(Latency) :
- コマンド入力後に最初のデータが出力されるまでのクロック数。
- *3 EMI(Electro Magnetic Interference) :
- 電磁妨害。電子回路から、導線を伝わる信号が電磁波となって、電源ラインや接地ラインに信号が漏れ、この信号が他の電子回路に侵入して誤動作を起こすこと。
【商標】
*FCRAMは、富士通株式会社の登録商標です。
以 上
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