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PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)

2016年11月11日
富士通株式会社

デジタル革新を支えるOSSデータベース新製品「Enterprise Postgres」を販売開始

「PostgreSQL」をベースに、当社技術によりセキュリティや処理性能、信頼性を向上

当社は、お客様のデジタル革新を実現するSoE(システム オブ エンゲージメント)領域向けに、オープンソースソフトウェア(以下、OSS)ベースの新たなデータベースソフトウェア「FUJITSU Software Enterprise Postgres(フジツウ ソフトウェア エンタープライズ ポストグレス)」(以下、「Enterprise Postgres」)を、11月11日より国内向けに販売開始します。

本製品は、業務システムにおいて採用が進んでいるOSSデータベース「PostgreSQL(注1)」をベースに、高いセキュリティや処理性能、信頼性を実現する当社独自の技術を実装したことにより、お客様は安全かつ迅速に「PostgreSQL」を活用できます。また、期間に応じて利用料を支払うサブスクリプションライセンスで提供することで、お客様の初期導入コストを抑え、システム規模に合わせて段階的に適用拡大を図ることが可能です。

当社は今後も、お客様のニーズに応える製品をタイムリーに提供することで、デジタル革新を支えていきます。

背景

デジタル革新を実現するSoE領域に向け、最新のデータ活用技術が迅速に提供されるOSSデータベースの活用が拡大しています。しかし、その導入や運用には専門の技術者が必要であるほか、システムのサポートやセキュリティが保証されていないなどの課題があります。また、センシングデータや地図情報、SNSなどの大量データを扱うには品質や性能面での不安があるため、ビジネスを支える基盤システムへの本格導入を躊躇する企業も少なくありません。

このような課題に対応するため、当社は、日本でも業務システムにおいて採用が進むOSSデータベース「PostgreSQL」をベースに、当社の独自技術を実装することによってセキュリティや処理性能、信頼性を強化した「Enterprise Postgres」を、24時間365日の技術サポートと長期の製品保証を付帯して提供します。

図. 「Enterprise Postgres」の製品イメージ
図. 「Enterprise Postgres」の製品イメージ

「Enterprise Postgres」の特長

「Enterprise Postgres」は、企業向けデータベースソフトウェアに求められる高いセキュリティと処理性能、信頼性を実現する当社独自の機能を実装したデータベースソフトウェアです。「PostgreSQL」を始め、その活用に必要な各クライアントモジュールや運用ツールなどの周辺OSS、contrib(注2)モジュール(49種類)を一括で提供することにより、「PostgreSQL」を導入する際に必要となる、周辺OSSごとのライフサイクルやサポートの考慮が不要となります。また、導入・運用やトラブル発生時における24時間365日の技術サポートを長期にわたって保証しています。なお、本製品は、OSSのニーズが高い海外にて先行販売し21か国で商談を進めており、今回、国内でも販売開始します。

当社は、2003年から「PostgreSQL」の開発コミュニティーに参加し、開発メンバーの一員として「PostgreSQL」の技術開発などを行っているほか、日本における「PostgreSQL」の普及や促進を目的とした特定非営利活動(NPO)法人「日本PostgreSQLユーザ会」にも参画し、その活動を支えています。

  1. 情報漏えいを防ぐ透過的データ暗号化

    当社が独自開発・提供してきたデータベースソフトウェア「FUJITSU Software Symfoware Server」で培った透過的データ暗号化技術(注3)を実装しています。これにより、お客様が従来使用していたデータベースから「Enterprise Postgres」へ移行する際、アプリケーションを改修することなくセキュリティを強化できます。また、ユーザデータだけでなく、トランザクションログ(WAL:Write Ahead Logging)や一時ファイル、バックアップデータも含めて一括した暗号化が可能です。

    なお、暗号アルゴリズムは、キー長(鍵の桁数)128ビットと256ビットの強力なAES(注4)を採用しています。

  2. 変化への即応を支えるインメモリ機能

    株式会社富士通研究所(注5)が開発したインメモリによる高速化技術を「PostgreSQL」に実装しました。本機能によって、データの更新処理に適した格納方式(ロー型)にてデータを格納している「PostgreSQL」に対し、分析に適した格納方式(カラム型)のデータを扱うことが可能になるため、カラム型インデックスによる高速分析を行うことが可能です。既存の業務処理に影響を与えることなく、分析結果をビジネスへ素早く反映できます。

  3. 高速化と安定稼働を両立する並列検索

    データベース内の大量データを扱うバッチ処理時間などを短縮できる、並列検索を実現しています。本機能によって、検索・集計処理を複数のCPUコアに分散させて処理を行えるだけでなく、CPUの負荷状況に応じて最適な並列数を自動で決定できる独自の機能を追加しています。これにより、CPUに余裕がない場合にはサーバの過負荷を回避するために並列化を行わず、CPUに余裕がある場合は並列数を自動で増加できるため、CPU性能を最大限に引き出した検索処理の効率化と安定稼働の両立が可能です。

製品の標準価格、および出荷時期

製品の標準価格、および出荷時期
製品名 標準価格(税別) 出荷時期
Enterprise Postgres 9.5 Standard Edition サブスクリプション 21.2万円/コア(年額) 2016年11月末
Enterprise Postgres 9.5 Advanced Edition サブスクリプション 114.0万円/コア(年額)

動作環境

動作環境
製品名 動作OS
サーバ クライアント
Enterprise Postgres 9.5 Standard Edition Red Hat Enterprise Linux 7
Red Hat Enterprise Linux 6
Microsoft Windows Server 2016
Microsoft Windows Server 2012 R2
Microsoft Windows Server 2012
Microsoft Windows Server 2008 R2
Microsoft Windows Server 2008
Microsoft Windows Server 2016
Microsoft Windows Server 2012 R2
Microsoft Windows Server 2012
Microsoft Windows Server 2008 R2
Microsoft Windows Server 2008
Microsoft Windows 10
Microsoft Windows 8.1
Microsoft Windows 7
Microsoft Windows Vista
Red Hat Enterprise Linux 7
Red Hat Enterprise Linux 6
Oracle Solaris 11
Oracle Solaris 10
Enterprise Postgres 9.5 Advanced Edition

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 PostgreSQL:
カリフォルニア大学バークレー校で開発されたデータベースシステム「POSTGRES」を元に、PostgreSQL Global Development Groupによって開発・維持されているBSDライセンスによるフリーソフトウェアのデータベース。
注2 contrib:
「PostgreSQL」のソースコードと一緒に配布されているOSSで、デフォルトではインストールされない「PostgreSQL」周辺の拡張モジュール。
注3 透過的データ暗号化技術(Transparent Data Encryption):
データベースに暗号化を設定することで、アプリケーションを改修せずにデータベース内のすべてのファイルやデータが暗号化される技術。
注4 AES(Advanced Encryption Standard):
アメリカの国家新標準暗号規格(Advanced Encryption Standard)にて規格化された共通鍵暗号方式。
注5 株式会社富士通研究所:
本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:佐々木 繁

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン(総合窓口)
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)


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