PRESS RELEASE
2007年8月9日
株式会社山形富士通
株式会社富士通研究所
財団法人神奈川科学技術アカデミー
~世界初!アルミナナノホール1個1個への記録・再生を実証~
株式会社山形富士通(注1)、株式会社富士通研究所(注2)、財団法人神奈川科学技術アカデミー(注3)重点研究室益田グループ(グループリーダー:益田秀樹 首都大学東京 教授)は共同で、次世代のハードディスク(HDD)技術であるパターンドメディア(注4)の実現に向けて、アルミナナノホール(注5)に充填した磁性体1個1個に情報を記録・再生することに世界で初めて成功しました。
今回開発した技術は、テラビット級の垂直磁気記録(注6)媒体の実現に向けた基礎研究の成果で、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の革新技術開発研究事業として受託していたものです(研究期間:平成16年度~18年度、3年間)。
本成果により、現行製品の5倍に相当する1平方インチあたり1テラビット(注7)の記録密度を持つHDDの実現に大きく前進しました。
デジタルコンテンツの増加にともない、パソコンや家電市場においても、年々、HDDの大容量化が求められています。さらなる高密度化を実現する次世代のHDD記録媒体として、磁性材料を人工的に規則正しく並べたパターンドメディアと呼ばれる記録媒体が必要となると考えられています。
当研究グループでは、これまでナノメートルサイズの磁性体を充填したランダム配列のナノホールをディスク上に形成し、磁気ヘッドを浮上させて記録・再生を実証してきました。しかし、さらなる高密度化を実現するパターンドメディアの形成には、磁性体を規則的に配列させる必要があります。
今回、ナノインプリントリソグラフィ法(注8)を用いて、アルミニウムの表面にナノメートルサイズの凹みパターンを形成し、規則配列ナノホール(図1)をディスク上の広範囲に一括形成する技術を開発しました。さらに、高速で回転させたディスクに磁気ヘッドを浮上させ、世界で初めて、記録・再生の測定を実現しました。
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今回開発した技術を用いて、2.5インチディスク上にナノホールを規則的に配列させたパターンドメディアを実現しました。既存の磁気ヘッド(再生素子幅:100ナノメートル(nm))で測定するため、ナノホールのピッチを磁気ヘッドと同等の100nm間隔で形成しました。磁気ヘッドを浮上させ、ビット長100 nmの信号を記録することにより、 上向き(“1”)、下向き(“0”)に交互に並べた各ナノホール内において磁性体の磁気信号を観測することができました(図2)。
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当研究グループは、既に25 nmピッチの1次元配列のナノホールの形成を実現しています。(2007年1月10日発表)。今後は、ナノホールを25 nm間隔で円周方向に規則配列した記録媒体を作成し、1平方インチあたり1テラビットの記録・再生を目指す基礎研究を行っていきます。
以上
株式会社山形富士通
厚木分室(株式会社富士通研究所 厚木研究所内)
電話: 046-250-8813(直通)
E-mail: nanotech-mag@ml.labs.fujitsu.com
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