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[ PRESS RELEASE ]
2003-0036
平成15年2月19日
株式会社富士通研究所
富士通株式会社

リアルタイムの暗号化デジタル・ビデオ・ストリーミング技術で遠隔手術を支援

株式会社富士通研究所(社長:藤崎道雄 本社:川崎市) と富士通株式会社は、愛媛県立中央病院(所在地:松山市)と東京大学医学部附属病院(所在地:東京都文京区)間で2月13日に行われた遠隔手術を、リアルタイムで暗号化が可能なデジタル・ビデオ・ストリーミング技術Comet DVIPsec (コメット ディーブイ アイピーセック)を用いて支援するシステムを構築し、実際の遠隔手術の支援を行って、その性能を実証いたしました。

今回構築したシステムは、愛媛県立中央病院の手術室からデジタルビデオ(DV)品質の内視鏡映像を暗号化して東京大学医学部附属病院に送り、その映像を東京大学医学部附属病院の専門医がリアルタイムで見ながらアドバイスを行える遠隔手術支援システムです。映像の高品質性、暗号の強度ともに、従来の遠隔手術システムを凌駕しており、今後の遠隔医療の発展に大いに貢献するものと期待されます。

【背景】

当社は、ブロードバンド・インターネットの時代の高品質な新しいストリーミング技術として、インターネットプロトコル(IP)を用い、DVを無圧縮で転送するシステム(CometDVIP)の開発とその応用研究を進めています。2001年11月にはDVをリアルタイムに暗号化して送信するシステムComet DVIPsecを世界で初めて発表しました(*1)。Comet DVIPsecは、IPの処理を高速に行うネットワークプロセッサComet NP(*2)に暗号処理をさせることで、非常に低遅延かつリアルタイムでの暗号化通信が可能です。

一方、遠隔手術には、患者のプライバシー保護、リアルタイム性、高品質映像などの要件を満たすシステムが必須となります。

【構築したシステムの概要】

遠隔手術支援システムの構成を図1に示します。愛媛県立中央病院と東京大学医学部附属病院の双方にComet DVIPsecマシンを設置します。愛媛県立中央病院のComet DVIPsecマシンからNTTのATM回線を経由して愛媛大学総合情報処理センターにつなぎ、さらにJGN(*3) を使用して、東京大学医学部附属病院に設置したComet DVIPsecマシンに接続します。ATM とEthernetとのブリッジには富士通関西中部ネットテック株式会社(社長:小西勝義、本社:大阪市)の ATMET-100Mを利用しました。

Comet DVIPsecは、従来、遠隔手術を行うにあたり課題となっていた以下のような要件を十分に満たすことが高く評価され、今回のシステムに採用されました。

  1. 通信データ暗号化機能
    患者のプライバシーを保護するため、通信データ暗号化する機能です。特に、今回の遠隔手術では、3DES (*4)の168ビットの暗号鍵を256個用意し、IPパケット毎に違う鍵を使って暗号化することで非常に強固な安全性を実現しています。
  2. 遅延の少ないデータ通信
    手術室と遠隔地の専門医からのコミュニケーションを迅速にするため、データ通信時の遅延を0.1秒未満に抑えています。
  3. DVを用いた高品質な映像
    DVを無圧縮で送信することで、高品質な映像の送信が可能です。

なお、今回構築したシステムで用いているComet DVIPsec関連の製品は、富士通株式会社から2003年度第一四半期に製品化される予定です。

【用語解説および注釈】

*1 世界初、高品質デジタルビデオ画像を暗号化してリアルタイム送信
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2001/11/6-3.html
*2 ネットワークプロセッサComet NP
2001年6月に当社および富士通株式会社が開発した、IPv4/IPv6に基づくインターネットプロトコルの処理を1ギガビット毎秒以上の高速実行が可能なLSIです。さらに暗号通信機能も持っています。
*3 JGN (Japan Gigabit Network)
日本のネットワーク通信研究用超高速光ファイバ通信網の名称です。
*4 3DES
インターネットで広く使われる暗号化方式の一つDES(Data Encryption Standard)を3重に適用し、暗号の強度を高めたものです。DESに比べ処理時間が長くなる欠点を持っていますが、今回のシステムを用いれば高速な処理が可能です。
図1:遠隔手術支援システム

【商標について】

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以 上

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