PRESS RELEASE

2025年6月16日
富士通株式会社

プライバシーに配慮した見守りにより介護従事者などの負荷軽減を実現する「ミリ波レーダ見守りシステム」を提供開始

24時間体制で転倒や身体の変化を検知し利用者の安全を見守る


当社は、介護施設、サービス付き高齢者住宅などの居室やバリアフリートイレといった、プライバシー保護の観点からカメラ設置が難しい空間において利用者の安全を見守る「Fujitsuミリ波レーダ見守りシステム注1」(以下、ミリ波レーダ見守りシステム)を、2025年6月16日より日本国内向けに提供を開始します。

近年、介護や医療現場などにおける人手不足が深刻化しており、従事者一人当たりの業務負担の増加により、目が届きにくい場所での高齢者や入院患者の転倒、ベッドなどからの転落、トイレや浴室での急病人の発生といった不慮の事態へのリスクが高まっています。特に、個室やトイレといったプライベートな空間では、プライバシーの観点からカメラの設置が難しく、不慮の事態の早期発見が困難な状況です。

「ミリ波レーダ見守りシステム」は、カメラを使わず、ミリ波注2レーダでプライバシーを保護しながら高度な見守りを実現します。人の動きに加え、呼吸や筋肉動作などの体振動までを点群データとして収集し当社独自のAIで解析できます。これにより、動きを検知することに特化したセンサーを活用した既存システムでは検知が難しい呼吸の微細な変化や体振動の異常といった身体の異変も含めて、異常事態を自動で検知します。転倒だけでなく、その後の胸部の微細な振動まで捉えることができるため、従事者による速やかな対応が可能になります。また、カメラでの映像記録を行わないため、プライバシーを確保しつつ、夜間や早朝などの従事者が手薄になる時間帯においても、24時間体制での見守りや管理業務を支援します。


「ミリ波レーダ見守りシステム」の特長

迅速な対応を支援するアラート発報機能を搭載

異常検知を必要とする様々なケースについて事前に検知対象や範囲を設定することで、特定の条件下にアラートを発報する機能を搭載しています。例えば、人が転倒し転倒後に一定時間起き上がれない状態や、特定の位置に長時間滞在している状態、夜間の睡眠時の異常や呼吸状態の悪化など、人の特定の動作や状況に応じたアラート設定が可能です。アラートの通知先を個別に設定することで、最適な担当者へ迅速にアラートを発報できるため、担当者が異常事態を見逃すことなく初期対応が可能となり、利用者の安全を最大限に確保します。

システム構成のイメージ システム利用イメージ

今後について

当社は、本システムの提供に先駆け、これまで、ミリ波レーダを活用した見守り技術の活用について、イオンモール株式会社注3様とのバリアフリートイレ内での実証実験や、公立大学法人和歌山県立医科大学注4様との入院患者の転倒検知に関する実証実験などを通じて、様々なプライバシー空間で有効性を確認してきました。今後も、「ミリ波レーダ見守りシステム」の提供を通じて、介護現場やサービス付き高齢者住宅をはじめとするプライバシー空間における安全・安心な環境づくりに貢献していきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • 注1
    Fujitsuミリ波レーダ見守りシステム:
    本システムは薬機法で規定された医療機器ではありません。
  • 注2
    ミリ波:
    ミリ波とは30GHz帯から300GHz帯の電磁波を指す。「ミリ波レーダ見守りシステム」では60/79GHzを使用。レーダで感知するため照度の影響は受けず、暗所でも利用でき、個人情報を収集しないなどの特長がある。
  • 注3
    イオンモール株式会社:
    本社:千葉県千葉市、代表取締役社長:大野 惠司
  • 注4
    公立大学法人和歌山県立医科大学:
    所在地:和歌山県和歌山市、理事長・学長:中尾 直之

関連リンク


当社のSDGsへの貢献について

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。当社のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。

本件が貢献を目指す主なSDGs

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