PRESS RELEASE

2024年12月5日
日医工株式会社
富士通株式会社

日医工と富士通、AIの活用により医薬品製造DXへの取り組みを推進

作業品質の高度化と製造技術者の早期育成に向けた共同実証実験を実施


日医工株式会社注1(以下、日医工)と、富士通株式会社注2(以下、富士通)は、富士通の行動分析AIサービス「Fujitsu Kozuchi for Vision」および株式会社ブロードリーフ注3(以下、ブロードリーフ)の作業分析・業務最適化ソリューション「OTRS」および「OTRS+AI」を活用し、日医工の医薬品製造現場における無菌室の入退室時の作業漏れ検知や製造技術者の早期育成に向けて、共同実証実験を実施しています。

背景

日医工では、医薬品の製造工程や検査工程の品質向上・業務効率化を実現するため、医薬品製造DXへの取り組みを推進しています。様々な課題がある中で、日医工では、無菌製剤の製造工程における作業品質の標準化、および新人や中途採用者の早期育成も課題と考えています。これらの課題を解決するため、両社は、日医工の製造工程における作業漏れ検知の高度化や、ベテラン技術者のノウハウ継承による技術者の早期育成に向けて、AIを活用した共同実証実験を行うことについて合意しました。両社は、医薬品の供給不足解消に向けて医薬品製造のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速していきます。

実証実験の概要

1. 実証期間:

2024年11月19日から2024年12月20日まで(予定)

2. 実施場所:

日医工 岐阜工場(岐阜県高山市)

3. 実証内容:

  • 日医工岐阜工場の医薬品製造現場での作業において、リアルタイムに人の動作を検知する技術注4を搭載した富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi for Vision」を活用します。無菌室の入口に設置した監視カメラの映像データから入退室時に、無菌製剤の製造過程における適正かつ標準化された作業が確実に行われているかを分析し、技術者の作業漏れをリアルタイムに検知できるかを検証します。検知結果の通知方法については、現場技術者に対してアラーム音や警告ライトの点滅による喚起、スマートフォンの活用など、様々な仕組みを検討します。適正かつ標準化された作業実施の再確認および再実施を確実に行うことで、非標準的な作業に起因する製品廃棄処分をゼロとし、その先に実現しうる無菌製剤の安定供給を目指して取り組みます。
非標準的な作業の検知例(左:OK行動、右:NG行動) 非標準的な作業の検知例(左:OK行動、右:NG行動)
埃を吸引する動作の検知 埃を吸引する動作の検知
複数人同時の手洗い消毒作業の検知 複数人同時の手洗い消毒作業の検知
  • 医薬品業界における製造現場の人材不足や現場技術者の早期育成に向けて、ブロードリーフの生産性向上・業務最適化ソリューション「OTRS」および、富士通の作業分節AI技術注5を搭載した「OTRS+AI」を適用します。まず、ベテラン技術者の作業映像から要素作業ごとに分割したデータを教師データとして作成しAIに学習させます。次に、経験の浅い技術者の作業映像を学習したAIが自動で作業分節したものと、先に作成した教師データとを並列表示し、教育指導者が比較検証しながら、経験の浅い技術者のスキルアップを促します。これにより、技術者のスキルレベルを短期間でベテラン技術者のレベルまで引き上げることを目指します。また、技術習得時間の短縮だけでなく、動画による作業標準マニュアルの作成や技術者の事前の動作シミュレーションなど、人材育成全体で効率化を図ることで教育にかかるコストを大幅に削減し従来比50%を目指します。
左:ベテラン技術者、右:経験の浅い技術者の並列表示による動作比較シーン 左:ベテラン技術者、右:経験の浅い技術者の並列表示による動作比較シーン

今後について

両社は、実証実験の結果を踏まえ、「Fujitsu Kozuchi for Vision」および「OTRS」、「OTRS+AI」について、日医工岐阜工場への2025年3月の本格導入に向けて取り組みを進めていきます。

日医工は、実証実験により得られた知見やノウハウを活かし、日医工岐阜工場をスマートファクトリーのモデルとして確立し、日本国内の全工場をスマートファクトリー化することで医薬品製造DXを加速させ、医薬品の安定供給に貢献していきます。

富士通は、日医工のスマートファクトリー化や医薬品製造DXへの取り組みを継続して支援していきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • 注1
    日医工株式会社:
    本社:富山県富山市、代表取締役社長:岩本 紳吾
  • 注2
    富士通株式会社:
    本店:神奈川県川崎市、代表取締役社長:時田 隆仁
  • 注3
    株式会社ブロードリーフ:
    本社:東京都品川区、代表取締役社長:大山 堅司
  • 注4
    リアルタイムに人の動作を検知する技術:
    検出が難しい作業の切れ目を精度よく検出し、一連作業の要素作業を切れ目ごとに順序性をもって確認することで、リアルタイムな検知を実現する技術(特許出願済み)。
  • 注5
    作業分節AI技術:
    作業映像から要素作業ごとに分割したデータを教師データとして学習し、同一作業における要素作業を高精度に自動検出することが可能。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

日医工株式会社
経営企画部 広報グループ
電話:076-442-7026
富士通株式会社



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