PRESS RELEASE

2024年4月9日
富士通株式会社

REHAU Industries様の部品製造工程における品質管理を支援

AIを活用した品質管理システムにより、99%以上の精度で品質異常の検出に成功


当社は、ドイツの建材・家具部品メーカーであるREHAU Industries SE&Co.KG(以下、REHAU Industries)様の部品製造工程において、AIを活用した当社の品質管理システムによるエラー検出の実証実験に成功しました。
本システムは、REHAU Industries様が提供する主要製品の製造工程において、部品の異常を検出する機能を備えており、品質管理の最適化に大きく貢献します。

なお、本事例については、2024年4月22日(月曜日)から4月26日(金曜日)(中央ヨーロッパ標準時)にドイツで開催されるハノーバーメッセ2024に出展予定です。当社は、本イベントにて製造業のお客様向けに持続可能な変革を支援するスマート検査ソリューションや支援技術など、製造プロセスの各フェーズ(企画・設計・製造・経営)におけるソリューションを紹介します。

背景と課題

ドイツのアッパー・フランコニアのレーハウ市に拠点を置くREHAU Industries様は、国際的に事業を展開するREHAUグループの一社として、世界をリードするポリマー素材メーカーです。同社は、建設技術、窓、内装、エッジバンド、冷却、流体およびレールソリューションの分野で革新的な製品とサービスを提供しています。

REHAU Industries様では、2万種類におよぶ様々な色や柄、デザインのエッジバンドを世界中の複数の工場で生産しています。エッジバンドは大型の押出成形機を使用して製造され、最後の工程でコイルに巻き束ねます。品質管理については、これまで生産ラインの作業者による目視での確認を行っていましたが、全行程の確認作業は長時間に渡るため、一つの束の最初と最後、あるいは生産途中などランダムでの確認しか実施できないという課題がありました。また、高度かつ安定した生産ラインで工程管理を実施しているにもかかわらず、目視では検出できないエラーが発生するなど、継続的な品質管理上の問題も存在していました。

そこで、このたび、AIを活用した当社の品質管理システムによるエラー検出の実証実験を行うことになりました。

常時監視で全ての不具合を確認

REHAU Industries様のエッジバンド製造工程における課題解決に向けて、効率的な品質管理を行うことができる当社の品質管理システムを試験的に導入した結果、99%以上の精度でエラーを検出することに成功しました。本システムは、完成したエッジバンドの画像を学習させたAIモデルにより自動で確実にエラーを検出することができます。また、常時監視を行い、ログを記録することで品質エラーの原因分析を可能とします。これにより、得られた知識に基づいた潜在的な欠陥や異常を予測し、エラー未検出の再発防止を可能とします。

Fujitsu Germany GmbH, Head of Business Unit Uvance and Member of the Management Team Niels Strohkirchのコメント

REHAU Industries様にとって品質管理の重要性はますます高まっています。製造工程において、特に材料の使用について最適化を実施する場合、例え小さな製造上のエラーであっても、それが将来的に製品の品質に大きな影響を及ぼしてしまう可能性があります。今回の実証で活用した当社の品質管理システムは、経験豊富な作業員の人手による目視が一般的であった領域において、より良い結果の達成が可能であることを実証しています。

REHAU, Smart Technologies Engineer Tobias Lehner様のコメント

REHAUは、富士通とのコラボレーションによる実証実験を通じて、迅速な実証実験の開始とソリューション指向のアプローチにおける高度な専門性について特に強く関心を持ちました。私たちは、富士通の品質管理システムにより、製造工程における無駄を削減し効率化および高品質な製品の提供を実現します。これはコストを削減するとともに、より持続可能な生産を可能とします。今後、本実証環境については、本番環境へ移行する予定です。また、さらなるユースケースを検討していきます。

今後について

今後、当社は、REHAU Industries様の押出成形エッジバンドの製造工程において、当社の品質管理システムを導入していく予定です。これにより、REHAU Industries様の生産ラインにおける品質管理のさらなる効率化を支援します。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

関連リンク

当社のSDGsへの貢献について

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。当社のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。

本件が貢献を目指す主なSDGs

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