PRESS RELEASE

2023年11月16日
川崎市
富士通株式会社

川崎市と富士通、環境に配慮した行動変容を促進し脱炭素に向けた取組を加速


川崎市と富士通株式会社注1(以下、富士通)は、市民や事業者に向けて環境配慮型のライフスタイルへの継続した行動変容を促すことを目的に、富士通が開発した環境行動変容スマホアプリ「Green Carb0n Club(グリーンカーボンクラブ)」(以下、環境アプリ)を活用した実証実験を2023年12月4日から2024年3月31日まで実施します。

本実証実験では、環境アプリ内で街づくりゲームを新たに提供するほか、ファンコミュニティと連動した企画の実施により、エシカルな製品・サービスの積極的な購入・利用など、市民や事業者の環境に配慮した自発的な行動(環境アクション)の増加と継続性への影響について検証します。また、環境アクションの分析ダッシュボードを提供し、事業者向けの価値検証を実施します。

背景

両者は、これまで、2021年に連携を強化した持続可能なまちづくりを目指す包括協定注2のもと、重点テーマのひとつである「環境」について、環境アクションを促進するための仕組みづくりを推進してきました。その中で、川崎市の脱炭素モデル地区である「脱炭素アクションみぞのくち」での取組の一環として、2022年10月31日から2023年3月31日まで実施した環境アプリを活用した実証実験において、川崎市の居住者や在勤者の環境配慮型のライフスタイルへの行動変容の影響や有効性の検証を行ってきました。

実証実験の結果、環境アプリを通じて環境関連のキャンペーン・イベントへの参加やコンテンツ視聴などの行動に対して、協力事業者が提供する環境に配慮した商品のクーポンやサービス、アクティビティに交換可能なポイントを付与することが、市民や事業者の環境アクションにつながることがわかりました。また、生活に密接する領域やエンターテインメント性の高い領域の情報提供においては、特に環境アクションの継続性が高いという結果が得られました。この結果を受け、さらなる環境アクションの促進に向けて、新たにゲーミフィケーション注3とコミュニティの要素を取り入れた実証実験を行います。

実証実験の概要

今回の実証実験では、環境アプリに連動する街づくりゲームを新たに提供するほか、ファンコミュニティと連動した企画の実施により、市民や事業者の環境アクションの増加と継続性への影響を検証します。また、環境アクションの分析ダッシュボードを提供し、事業者向けの価値検証を実施します。

1. 両者の役割

川崎市:効果検証の結果を踏まえた施策検討
富士通:全体の企画設計およびアプリケーション開発、効果検証

2. 実証期間

2023年12月4日から2024年3月31日(予定)

3. 実施内容

・街づくりゲーム「Green Carb0n Farm(グリーンカーボンファーム)」の提供
株式会社セガ エックスディー注4と富士通が共同開発した街づくりゲーム「Green Carb0n Farm」を2023年12月4日から環境アプリ上で提供を開始します。「Green Carb0n Farm」は、実際の環境アクションと連動し、川崎市を舞台にした街づくりを進めることができるゲームです。これにより、市民の環境アクションの促進を目指します。

図1:「Green Carb0n Farm」のイメージ 図1:「Green Carb0n Farm」のイメージ

・ファンコミュニティと連動した活動
川崎市にゆかりのある団体のファンコミュニティと連動して、環境アプリを通じた環境アクションを促す企画を実施します。共通の趣味を持った参加者同士の交流によって、環境アクションが促進されるかを検証します。なお、先行事例として、富士通フロンティアーズのファンコミュニティと連動し実証実験を実施しました。

・環境アクション分析ダッシュボードの提供
市民の環境アクションや、それによるCO2削減効果が数値化できるほか、環境アクションの属性から関連性や傾向分析を可能にする事業者向けのダッシュボードを提供します。これにより推奨環境アクションを提示するなど、事業者同士のコラボレーション機会創出を図り、環境貢献の効果検証に加え、事業者の事業推進においてどのような影響を与えるか検証します。

図2:事業者向けダッシュボード画面イメージ 図2:事業者向けダッシュボード画面イメージ

今後について

川崎市は、本実証を通じて新たなアプローチから市民および事業者の行動変容を促進するとともに、引き続き「脱炭素アクションみぞのくち」に参画する企業・団体など多様な主体と連携しながら、2050年のCO2排出量実質ゼロの実現に向けた取組を進めていきます。

富士通は、継続した環境アクションの促進を支援するため、環境アプリを市民が街に貢献していることを直感的に体感できるようなデザインや仕様に刷新します。加えて、より多くの事業者の参画に向けて、環境アプリで収集した環境アクションに関連するデータを、安心安全なデータ流通技術を活用し分析することで、事業者による環境貢献の効果検証や環境施策の立案を支援します。これらを通じて、都市のさまざまな情報をデジタル上で再現するソーシャルデジタルツイン注5の社会実装を進め、脱炭素社会実現に寄与していきます。

川崎市長 福田 紀彦のコメント

川崎市は、脱炭素社会の実現に向け、「脱炭素アクションみぞのくち」など、あらゆる主体と連携しながら脱炭素化に取り組んでいます。これまでも、環境アプリを活用し、市民・事業者の環境配慮型ライフスタイルへの行動変容を促す実証実験を行っておりますが、今回の新たな実証を契機として、市内の脱炭素ムーブメントがより一層加速されることを期待しています。
本市は2024年に市制100周年を迎えます。次の100年を持続可能で安心して暮らせる100年としていけるよう、川崎のあらゆる力を集結し、強い意志を持って、脱炭素化の実現に向けた取組を進めてまいります。

富士通 執行役員 SEVP JapanリージョンCEO 堤 浩幸のコメント

富士通は、マテリアリティとして重要な貢献分野のひとつである地球環境問題の解決に向け、かねてより川崎市とともに地域の課題にフォーカスした共創事業の創出に取り組んでいます。
富士通は、川崎市におけるまちづくりパートナーとして、本取組を含めた変革の創出を起点に、社会課題解決に向けた取組を地域のさまざまな主体と共創していきます。また、環境省が推進する「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動(デコ活)」注6と連携し、国内およびグローバルでの脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

商標について

「Green Carb0n Farm」は、富士通より商標登録申請中です。
その他、記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • 注1
    富士通株式会社:
    本社 東京都港区、代表取締役社長 時田 隆仁
  • 注2
  • 注3
    ゲーミフィケーション:
    ゲームのメカニズムを非ゲームの分野に応用することで、ユーザーのモチベーションを高め、その行動に影響を及ぼすこと。
  • 注4
    株式会社セガ エックスディー:
    本社 東京都新宿区、代表取締役社長 執行役員 CEO 谷 英高
  • 注5
    ソーシャルデジタルツイン:
    人や物、経済、社会の相互作用をデジタルに再現し、社会の実態を把握することで、多様で複雑化する課題の解決に向けた施策立案などを支援する技術群。
  • 注6
    「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動(デコ活)」:
    脱炭素につながる新しい豊かな暮らしの実現に向けた国民の行動変容、ライフスタイル転換のうねり・ムーブメントを起こすための環境省が推進する国民運動。
    https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

川崎市
環境局脱炭素戦略推進室
電話:044-200-2865
富士通株式会社



プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。

このページの先頭へ