PRESS RELEASE

2023年8月30日
パナソニック株式会社
富士通株式会社

パナソニック、強靭なグローバルサプライチェーンマネジメントの実現に向けて富士通のリスク管理サービスを導入

パナソニック株式会社エレクトリックワークス社注1(以下、パナソニックEW社)は、電設資材の全製品を支えるサプライチェーン体制のさらなるレジリエンス強化を目的に、富士通株式会社注2(以下、富士通)が提供するサプライチェーンリスク管理サービスを2021年7月より導入し、これをベースにパナソニックEW社独自の運用手法「ES-Resi.TM(イーエスレジ)」として確立することで、グローバル規模でのサプライチェーンリスクマネジメントに取り組んできました。

これまでパナソニックEW社のサプライチェーンリスク管理は、国内17拠点および海外7拠点の各拠点単位でそれぞれ運用していたため、災害発生時に影響を受けた部品や製品、お客様に関する情報を把握し全社としての対策アクションを立案するまでに時間を要するケースもありました。今回、本運用手法をパナソニックEW社全社へ展開し、経営トップから各拠点の管理者に至るまで、タイムリーな情報把握を可能とすることで、迅速な対策アクションを促進し、サプライチェーンマネジメントのさらなる強靭化を実現しました。

さらに、パナソニックEW社が提供する電設資材製品を安定的に供給することで、デベロッパー様・ハウスメーカー様などのお客様からの信頼性を大幅に向上することができました。

背景

近年、半導体の供給不足や、激甚化する自然災害など、企業運営において予期せぬ事態が常態化する中、有事における自社やサプライヤーの調達状況の把握など、事業継続に向けた迅速な対策が急務となっています。このような状況の中、パナソニックEW社は、国内の製造工場を中心に住宅用の部材などの生産停止や出荷停止などの多大な影響を受けましたが、これらの原因の多くは自社の直接的な被害によるものではなく、部材を供給するサプライヤーの被災によるものでした。

パナソニックEW社は、自社が保有するサプライチェーンの脆弱性への対策強化を重要経営課題として認識し、より強固な事業継続体制を整備するため、富士通のサプライチェーンリスク管理サービスを導入し、これをベースに2021年11月に独自の運用手法「ES-Resi.TM」を確立するとともに、有事における情報収集力の向上や、デベロッパー様やハウスメーカー様など各業界のお客様との情報連携強化、サプライチェーン上に潜む災害リスクの顕在化による事前対策に取り組んできました。

富士通はこれまで、多くの製造業のお客様に対しサプライチェーンにおける事業継続能力の向上、サプライヤーの被災状況の迅速な把握、代替調達先の選定による安定供給の実現などに貢献してきました。今回、これまでの導入実績で培ったノウハウと知見を活かし、パナソニックEW社の「ES-Resi.TM」定着化を支援しました。

「ES-Resi.TM」の主な特長

「ES-Resi.TM」は、事前にサプライヤーの供給体制におけるリスクを洗い出し、自然災害やサプライヤー側の事故など予測不能な事象に起因した部品調達の影響度合いを把握することができます。これにより、有事におけるサプライヤーの被災状況を迅速に把握し、生産計画の見直しや代替調達の検討ができるほか、自社のリスク対策状況を全社で一元的に可視化できます。

1. 自然災害発生時における迅速な影響把握と対策アクションの促進を実現

震度5強以上の大規模地震や、危険な場所からの避難が必要とされる大雨警戒警報レベル4以上の気象庁データを自動的に取り込み、警戒対象地域のサプライヤー拠点を地図上で表示し、影響のある調達部品や発注元情報を把握することが可能です。また。これらの情報をビジネスコミュニケーションツール「Microsoft Teams」のチャット機能を活用して、パナソニックEW社の経営層を含む全社関係者での迅速な影響把握と対策アクションの促進を実現しています。

図1:自然災害発生時の「Microsoft Teams」スレッド共有図1:自然災害発生時の「Microsoft Teams」スレッド共有

図2:震度5以上や大雨警戒レベル4以上の気象庁データに自動リンクしたサプライヤー情報の提供(注3)図2:震度5以上や大雨警戒レベル4以上の気象庁データに自動リンクしたサプライヤー情報の提供注3

2. グローバルでも国内同様のアクションを展開

パナソニックEW社のサプライチェーンに影響を及ぼす、グローバルな災害情報をリアルタイムに災害アラートとして「Microsoft Teams」のチャット機能を活用し、国内と同じ水準で展開しています。

図3:グローバル災害アラートを「Microsoft Teams」スレッドで共有(注3)図3:グローバル災害アラートを「Microsoft Teams」スレッドで共有注3

3. 全社規模のリスク対策状況を一元化して可視化

商品カテゴリーごとに重要品目を選定し、そのリスク対策状況を全拠点が共有サプライチェーンツリーで事前登録することをKPI指標に設定しました。これにより、全社規模のリスク対策状況を一元的に可視化でき、リスク管理運用を全社で標準化することで、主力商品のサプライチェーンの強靭化を実現しています。

図4:重要製品のサプライチェーンツリー&リスク対策登録図4:重要製品のサプライチェーンツリー&リスク対策登録

今後について

パナソニックEW社は、今後も、デジタルテクノロジーを活用し、レジリエントなサプライチェーンの更なる高度化に向けた取り組みを継続し、経営課題解決やDXの加速を目指します。

富士通は、今後も、パナソニックEW社の取り組みを継続して支援するとともに、「Fujitsu Uvance」のもと、革新的なデジタルツインとAIの技術で、製造業のイノベーションとレジリエンス時代の変革を加速し、お客様のサステナビリティ経営を支え持続的な成長の実現を目指します。

商標について

「ES-Resi.TM」は、パナソニックホールディングス株式会社の商標です。

その他、記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • 注1
    パナソニック株式会社エレクトリックワークス社:
    所在地 東京都港区、社長 大瀧 清
  • 注2
    富士通株式会社:
    本社 東京都港区、代表取締役社長 時田 隆仁
  • 注3
    図2、図3の画面イメージ:
    富士通のサプライチェーンリスク管理サービスの画面(地図情報は「Google Maps Platform」を利用)

本件に関するお問い合わせ

パナソニック株式会社エレクトリックワークス社
調達センター
TEL:06-6908-1131
富士通株式会社



プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。

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