PRESS RELEASE

2023年7月25日
ミサワホーム株式会社
富士通株式会社

ミサワホームと富士通、常時認証技術を活用した、暮らしのパーソナライズ化やセキュアな空間に関する共同実験を開始

ミサワホーム株式会社注1(以下、ミサワホーム)と富士通株式会社注2(以下、富士通)は、持続可能な未来につながる暮らしの提案に向け、富士通が開発した常時認証技術による暮らしのパーソナライズ化や、家族や訪問者を見守る空間に関する検証を2023年6月から開始し、2024年1月まで実施します。

ミサワホームが2021年に建設したコンセプト住宅注3内に生体認証センサとカメラを設置し、これらを組み合わせて人と行動を常に認識する常時認証技術の実証を行います。また、同技術の活用によるパーソナライズ化された空間や、家族や訪問者を見守るセキュアな空間についても検証を実施します。

両社は本共同実験を通して、それぞれが持つ暮らしの知見と先進テクノロジーを掛け合わせることにより、より快適で安全な住まいの提案に生かすとともに、病院や介護施設、オフィスなど公共空間への活用も検討していきます。

図1:常時認証技術を活用した共同実験のイメージ図1:常時認証技術を活用した共同実験のイメージ

背景

ミサワホームは、これまで社会が抱えるさまざまな課題の解決につながる住まいづくりに取り組んできました。2021年には、暮らしと健康、環境、3つのサステナビリティの実現を目指すコンセプト住宅「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」を建設。業種の垣根を越えてソリューション開発や実証実験を行なうなど、イノベーションフィールドとして社会課題の解決に向けた多角的な取り組みを行っています。

富士通は、サステナブルな世界の実現を目指す「Fujitsu Uvance」のもと、豊かで持続可能な社会を実現する「Trusted Society」の取り組みを進めています。また、1980年代から生体認証の研究に取り組み、PCやスマートフォンなどの個人利用端末のアクセス管理だけでなく、災害時などに身ひとつでさまざまなサービスを利用できる社会の実現に向けて研究開発の領域を広げてきました。

そして、ミサワホームと富士通は、2021年から、それぞれの強みである、暮らしの知見と先進テクノロジーを掛け合わせることにより、「2030年の暮らし」をコンセプトに、住まい自体が社会を支え、持続させるためのインフラとなる、未来の住宅の実現を目指して議論を重ねてきました。そのような中でミサワホームは、富士通が開発した常時認証技術で実現し得る新しい暮らしの可能性に共感し、実証実験場所の提供や機器を空間に溶け込ませる工夫など知見の共有を行い、このたびの実用化に向けた共同実験に至りました。

富士通の常時認証技術の概要

常時認証技術は、生体認証技術、「行動分析技術Actlyzer」を組み合わせて、生体認証による本人確認結果を特定エリア内に設置されたカメラで撮影された人物と紐づけることで認証状態を維持しながら、その人物の位置をリアルタイムに推定できる技術です。これまで、カメラの設置位置によって、各カメラ映像中の人物の見え方が異なり、複数のカメラをまたいで人物をトラッキングすることは困難でした。今回、複数のカメラ映像から、トラッキング中に人物の服装や背格好など、外見の特徴を随時抽出して特徴量を更新する技術を開発しました。これにより、人物の見え方の違いを吸収してカメラ間での人物トラッキングを実現しました。この技術は、住宅内のような区切られた空間を行き来する際においても活用が見込まれます。なお、常時認証にかかる処理はすべてクラウドで処理され、エリア内の機器がその処理結果を受け取り、駆動する仕組みとなっています。

今後、パーソナライズ化やセキュアな空間の検証を行うほか、人の行動をトリガーとして、エリア内での転倒事故のリアルタイムな通知やキャッシュレス決済など、認証操作を意識させないサービスへの応用を検討していきます。

図2:富士通常時認証技術の概要図2:富士通常時認証技術の概要

共同実験の概要

1. 期間

2023年6月1日から2024年1月31日まで

2. 場所

「ミサワパーク東京」内、
コンセプト住宅「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」
同住宅はシェアオフィスとして貸し出すパブリックな空間と居住空間の併用住宅で、検証場所は1階シェアオフィス

3. 検証内容

  1. 常時認証技術の実証:意匠性を考慮したカメラの台数・配置での個人特定精度の高さ
  2. パーソナライズ化された空間の検証:動作検知との連携による快適性、コミュニティの誘発性
  3. セキュアな空間の検証:生体認証せずに入ってきた来場者や、転倒した来場者などの異常検知

ミサワホームと富士通の従業員や取引先など、一部関係者がシェアオフィスを使用する際に入口の専用機器で生体認証登録と自身の好みなど自身に関する情報を登録します。シェアオフィス内に設置された生体認証センサとカメラで常時認証を行い、照明機器やスピーカー、モニターなどの住宅機器と連動して、来場者の好む音楽を流すなどパーソナライズ化された住環境の価値を検証します。注4

両社は、今後、暮らしの設備と連携することにより、転倒事故のリアルタイムな通知など、セキュアな空間の構築や、暮らしに寄り添ったパーソナライズ化された新しい住まいの実現を目指します。

図3:グリーン・インフラストラクチャー・モデル図3:グリーン・インフラストラクチャー・モデル

図4:俯瞰マップによる常時認証のイメージ図4:俯瞰マップによる常時認証のイメージ

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • 注1
    ミサワホーム株式会社:
    本社 東京都新宿区、代表取締役社長執行役員 作尾 徹也
  • 注2
    富士通株式会社:
    本社 東京都港区、代表取締役社長 時田 隆仁
  • 注3
    コンセプト住宅:
    所在地 東京都杉並区高井戸東2-4-5(住まいづくりの体感施設「ミサワパーク東京」内、完全予約制)
  • 注4

    モデル住宅退出時に、生体認証、アンケートで回答した趣味嗜好などの個人情報は削除されます。エリア内での移動に関する映像データは、個人と紐づかない状態で厳重に管理して検証に活用し、実証実験終了後に削除します。個人情報の取り扱いに関しては、来場者に、体験エリア入り口のサイネージ、および、顔認証登録アプリの説明文を通じてアナウンスし、合意の上で入場いただきます。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

ミサワホーム株式会社
広報・渉外部コーポレートコミュニケーション課
TEL:03-3349-8088
E-mail:koho@home.misawa.co.jp
富士通株式会社



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