PRESS RELEASE

2022年4月18日
富士通株式会社

インドに新たな研究拠点を設立し、インド工科大学ハイデラバード校やインド理科大学院と先端AI技術の共同研究を開始

当社は、4月1日に設立したインドの新たな研究拠点「Fujitsu Research of India Private Limited(以下、FRIPL)」(所在地:インド バンガロール市)において、このたび、AI分野で世界的にプレゼンスの高いインド工科大学ハイデラバード校注1やインド理科大学院注2それぞれと、同分野の最先端技術に関する共同研究を開始します。

今回当社は、因果関係をより高精度に推定するAI技術をインド工科大学ハイデラバード校と、また、様々な変化に応じて自律的に学習するAI技術をインド理科大学院と研究開発します。

当社は今後も、FRIPLを通じてインドの研究機関や大学などとのAIや量子ソフトウェア分野における共同研究を加速させ、確立した最先端のAI技術によりグローバルな社会課題の解決に貢献していきます。

FRIPLの概要

当社は、AIやコンピューティングをはじめとする注力技術領域の研究開発において不可欠なソフトウェア技術の強化に向けて、4月1日にインドに新たな研究拠点としてFRIPLを設立し、AIと量子ソフトウェアを中心とした研究開発を行います。また、インド国内における同分野の優れた人材を継続的に採用し、2024年度に研究者を50名規模に拡大します。今後は、セキュリティなどにも研究分野を広げ、日本や欧米などにおける当社の研究拠点と連携しながら、当社グループにおける世界最先端のソフトウェア研究開発を担い、グローバルに広く流通するソフトウェアの創出を目指します。

  • 名称:Fujitsu Research of India Private Limited
  • 所在地:インド バンガロール市
  • 設立日:2022年4月1日
  • 代表取締役社長:原 裕貴 (兼務: 富士通株式会社 執行役員EVP)

FRIPLにおける現地大学との共同研究について

  1. インド工科大学ハイデラバード校との共同研究
    当社は、因果関係をより高精度に推定するAI技術の研究にインド工科大学ハイデラバード校と取り組みます。本技術は、当社の「発見するAI」注3に用いられる大量データから因果関係を高速に抽出する技術に、インド工科大学ハイデラバード校が得意とする幾何学的統計理論に関する知見を組み合わせることで、これまで扱えなかった複雑な因果関係注4を抽出することが可能となり、様々な事象における因果関係を高精度に推定することができるようになります。これにより、革新的な発見につながる有効な気づきを与え、創薬や新材料開発をはじめとする幅広い分野に貢献することを目指します。
  2. インド理科大学院との共同研究
    当社は、インド理科大学院と共同で、様々な変化に応じて自律的に学習するAI技術の研究を実施します。当社が持つ強化学習などの適応型機械学習に関する知見と、インド理科大学院の先進的な深層学習の研究によって蓄積された世界トップレベルの知見や技術を融合して、専門家の試行錯誤なしに高精度な推論が可能な深層学習モデルの自動生成手法を研究開発します。これによりAIの自律的な進化を実現し、大規模システムの自動運用やビジネスKPI(重要業績評価指標)を最大化する経営の意思決定支援のように、常に環境変化への対応が求められる領域でも適用可能なAIの実現を目指します。

当社 執行役員SEVP CTO ヴィヴェック マハジャンのコメント

世界中で日々深刻化する社会課題の解決に向けて、先端技術の役割が一層重要度を増す中、当社は世界のコンピューティング技術のリーディングカンパニーとして、量子コンピューティングやAI技術などを組み合わせ、社会課題の早期な解決を支援していきます。今回、インドに研究拠点を開設する最大の理由は、世界トップレベルの多くの研究者を獲得し、世界のソフトウェア技術を牽引する現地の研究機関や大学とよりスピーディーかつ挑戦的な共同研究を行うためです。当社は、本拠点で競争力のあるソフトウェアを研究開発することで、サステナブルな社会の実現に貢献し続けます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • 注1
    インド工科大学ハイデラバード校:
    所在地 インド ハイデラバード市、学長 B.S. Murty。
  • 注2
    インド理科大学院:
    所在地 インド バンガロール市、学長 Govindan Rangarajan。
  • 注3
    「発見するAI」:
    当社が開発した、現場のデータから新たな発見の手掛かりを提示する技術。
  • 注4
    複雑な因果関係:
    データ間の関係を線形関数で表すことができないなどの特徴をもつ因果関係。

当社のSDGsへの貢献について

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。当社のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。

本件に関するお問い合わせ

富士通株式会社
研究本部
人工知能研究所
E-mail:fj-ai-collab-india@dl.jp.fujitsu.com



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