PRESS RELEASE

2021年10月8日
富士通株式会社

「AI体操採点システム」のAI技術をウェルビーイング領域へ適用する実証を開始

体幹の柔軟性をAIが評価し改善エクササイズを個々に提案する健康増進ソリューション

当社は、センシングAI技術を使った健康増進ソリューションのプロトタイプを開発し、Sante Gym注1の来場者に向けて、10月12日(火曜日)から10月31日(日曜日)までの期間、実証を行います。

本ソリューションは、Webカメラの前で指示された5種類のポーズをとったユーザーの画像データから、AIがユーザーの腰回りを中心とした体幹の柔軟性や可動域を解析・評価し、改善のためのエクササイズを個々に提案するものです。

本ソリューションは、国際体操連盟(本部:スイス ローザンヌ、会長:渡辺守成)様と共同開発し、2019年より体操の国際試合にも使われている、人の動きをマーカーレスで分析する「AI体操採点システム」の技術を基に、当社が新たに開発しました。

当社は、本実証を通じて、人の動きのデジタル化技術を活用した、ウェルビーイング向けソリューションを拡充していきます。

背景

昨今、新型コロナウイルス感染症の脅威が続く中、外出自粛の要請にともなう活動制限や運動不足による健康二次被害、加齢による心身の脆弱性が顕著になる高齢者のフレイルなどが問題になっています。これらの予防には、体の状態を定期的にチェックし、運動を習慣化することが重要です。

当社が国際体操連盟様と共同開発し、すでに体操の国際大会で使われている「AI体操採点システム」は、3DセンサーとAIを活用し、競技者の動作を解析することで採点を支援します。今回、人の動きをデジタル化し測定する本技術をウェルビーイング領域に役立てるため、健康増進ソリューションのプロトタイプを開発しました。

一方、国際体操連盟様では、「体操を通じて健康寿命を延ばすことで人々に幸せをもたらす」という理念のもと、体操を通じた様々な健康関連施策を計画しています。当社は、国際体操連盟様の理念に賛同し、今回、「2021世界体操・新体操選手権北九州大会」に併せて開設されるSante Gym内において、本ソリューションの実証コーナーを設置し、一般来場者に体験してもらう予定です。

ソリューションの概要

ユーザーは、Webカメラの前でアプリが指示する5種類のポーズをとります。Webカメラで撮影した体のデータに対し、AIが骨格を当てはめ、腰回りを中心とした各部位の柔軟性や可動域を測定します。それらの測定値に対しAIが評価を行い、結果に応じた改善エクササイズを提案します。

なお、アプリが提示するポーズや評価モデル、および改善エクササイズは、早稲田大学スポーツ科学学術院 金岡恒治教授によるスポーツ科学の研究成果に基づいて行っています。

測定画面

写真:(左スクリーン)ポーズのガイダンス、(右スクリーン)ユーザーのポーズ別撮影および測定結果 写真:(左スクリーン)ポーズのガイダンス、(右スクリーン)ユーザーのポーズ別撮影および測定結果


評価および改善エクササイズ再生画面

写真:(左スクリーン)全ポーズ撮影後の総合評価、(右スクリーン)総合評価に基づいた改善アドバイスとエクササイズ動画 写真:(左スクリーン)全ポーズ撮影後の総合評価、(右スクリーン)総合評価に基づいた改善アドバイスとエクササイズ動画

実証概要

1. 時期   :   2021年10月12日(火曜日)~10月31日(日曜日)
2. 場所   :   Sante Gym (福岡県内各地)
3. 対象   :   Sante Gym来場者
4. 体験   :   Webカメラの前で指示された5つのポーズをとることで、体験者の体幹の柔軟性や可動域を評価。その場で、評価に応じた改善エクササイズを提案。
5. 体験時間   :   5分程度
6. 実証内容   :   来場者の体験を通じ、評価の納得感やユーザー体験などに関するフィードバックを得ることで、商用化に向けた検討や他の運動メソッドの適用など新たな健康増進メニュー拡充などにつなげる。

コメント

国際体操連盟 岩崎安伸アンチドーピング・メディカルサイエンス委員長

国際体操連盟は「21世紀の産業革命はスポーツとヘルスケアから」をポリシーにしており、体操で培われた技術が健康増進に活かされることは当連盟としての望みでもあります。腰回り・下肢を鍛えることは高齢者のフレイル予防、および健康寿命の延伸につながると考えられるため、今回の富士通のソリューションに大いに期待しています。

早稲田大学スポーツ科学学術院 整形外科医 金岡恒治教授

腰部・体幹の機能改善には、個々人の体の状態に応じた改善メソッドが必要です。私のスポーツ科学の研究成果と、富士通の「人の動きのデジタル化」技術を組み合わせた本ソリューションは、ユーザーの体の状態を可視化し、個々に応じた改善を自動で提案することができます。また、このソリューションはとても手軽なため、定期的な状態チェックと運動習慣化を促進する効果も期待できます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • 注1
    Sante Gym:
    2021年10月18日(月曜日)から開催される「2021世界体操・新体操選手権北九州大会」の期間に、大会組織委員会様と自治体などにより、福岡県内各地に期間限定で開設・運営される健康増進イベントのための施設。

関連リンク

当社のSDGsへの貢献について

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。当社のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。

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