PRESS RELEASE

2021年9月29日
富士通株式会社

ビル設備管理のDXを加速するクラウドサービス「Futuric/CL」を販売開始

稼働データを一元管理し、業務効率化と省エネによる脱炭素化を強力に支援

当社は、ビル管理システム「FUJITSU Public Sector Solution Social Century Sustainable 施設総合管理システム Futuric」(以下、「Futuric」)シリーズのラインアップを拡充し、ビルや施設内に設置された設備の稼働状況やエネルギー使用量のデータをクラウドに蓄積し、インターネット上の統合建屋ダッシュボード画面で一元管理できるクラウド型の新サービス「FUJITSU Public Sector Solution Social Century Sustainable 施設総合管理クラウド Futuric/CL」(フューチャーリックシーエル、以下、「Futuric/CL」)を9月29日より販売開始します。

「Futuric」シリーズは、建物規模に応じて、電力、空調、照明などの設備管理点数500点から最大20万点まで統合監視できるオンプレミス型の設備監視システムとして、大規模および中規模ビル向けにラインアップを展開しています。クラウド型の新サービスは、コストが課題で導入が進まなかった中小規模のビルや複数のビルを管理するオーナーおよび管理会社向けに、設備の規模に応じてシステムコストを抑えて導入できる月額定額制です。また、設備稼働状況はクラウド上で収集および可視化できるため、それらの情報をもとに無駄な空調や照明をコントロールするなど、ZEB(Net Zero Energy Building)注1の達成に必要な省エネの実現や脱炭素化に貢献します。さらに、常駐勤務が必要となる防災センターや中央監視室での監視や制御などの管理業務を遠隔からWeb画面上で可能にし、ビル管理業務の働き方変革を支援します。

当社は、本サービスを通じて、ビル管理業界における場所を問わない多様な働き方の推進、および労働人口不足や高齢化、技術継承などの課題解決をデジタルトランスフォーメーション(DX)で加速するとともに、環境と人に配慮した安心・安全でレジリエントな社会づくりを目指す「Trusted Society」の取り組みを強力に推進していきます。

背景

新型コロナウイルスの感染拡大により、ニューノーマルにおける働き方が多様化する中、ビル管理業界では、特に防災センターや中央監視室の管理業務において常駐勤務が必要とされており、さらに人手による点検作業なども継続して行われています。また、大規模から中規模ビルにおいては、オンプレミス型の設備監視システムの導入による業務効率化が進む一方で、延床面積が一万平方メートル以下の中小規模ビルにおいては、運用管理などのコスト面に課題があるため設備監視システムの導入が限定的な上、大規模ビルよりもさらに慢性的な人手不足や高齢化対策に課題がありました。

当社は、これらの課題を解決するため、大規模および中規模ビル向けビル管理システム「Futuric」シリーズの提供ノウハウを生かして、様々な設備稼働データをクラウドに集約し、インターネットを経由してパソコンから遠隔で監視や制御が行えるクラウド型の新サービス「Futuric/CL」を開発しました。

「Futuric/CL」の特長

1. 最大100棟にわたる複数ビルの設備稼働状況をクラウド上で一元管理、監視業務の効率化を実現

温湿度計などから出力されるアナログ計測値や、電力量計から出力されるパルス積算値を定期的に収集し、それらをトレンドグラフで表示することで、エネルギー使用の傾向や設備の状態をクラウド上で常時監視することができます。ビルオーナーや管理者は、Windows OS注2のパソコンからインターネット経由で統合建屋ダッシュボード画面にアクセスすることで、ビル1棟から最大100棟にわたる複数ビルの設備の状態をリアルタイムに把握し、遠隔操作で設備機器のON・OFF制御やスケジュール運転の設定などを一元管理できます。これにより、常駐管理者が不在のビルでも遠隔から監視や制御ができるため、複数ビルの管理や休日夜間対応などにおける人手不足の解消につながります。また、設備の稼働状況の可視化により、それらの情報を活用して無駄な空調や照明をコントロールすることでエネルギー消費の削減が可能なため、ZEBの達成に必要な省エネを実現し、脱炭素化に貢献します。

また、設備の故障や建物内の異常などの警報を検知した際には、Webブラウザの起動状態に関わらずパソコンから警報音が鳴るため、迅速な対応が可能です。

トレンドグラフの画面イメージ トレンドグラフの画面イメージ


統合建屋ダッシュボードの画面イメージ 統合建屋ダッシュボードの画面イメージ

2. クラウド型サービスにより導入設備や運用管理コストを大幅に削減し、中小規模ビルへの導入を促進

大規模ビルの運用に適したオンプレミス型の設備監視システムで必須とされるB-OWS(マンマシン機能)注3やB-BC(収集・制御系マシン)注4の一部をクラウド側で実行可能な仕組みにしたことで、専用サーバーの現場設置や耐用年数が経過した機器の交換、またOSやWebブラウザなどのアップデート作業が不要になるため、初期導入や機器更新コスト、運用負荷を大幅に削減できます。

また、販売モデルは設備管理点数に応じて用意しており、最大200点まで監視可能なライトと、3,000点まで監視可能なスタンダードの2つのモデルから選択できます。これにより、導入コストが課題となっていた中小規模ビルや複数ビルのオーナーおよび管理会社においても導入しやすくなります。


販売価格、および販売開始日

製品・サービス名 販売価格(税込) 販売開始日
FUJITSU Public Sector Solution Social Century Sustainable
施設総合管理クラウド Futuric/CL
ライト:月額7万7,000円
スタンダード:月額44万円
9月29日

販売目標

2024年度末までに140社への導入を目指す(当社の決算期は3月末日です)。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • 注1
    ZEB:
    Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称。省エネによって使用エネルギーを削減し、また、使用する分のエネルギーを創ることで、エネルギー消費量を正味でゼロにすること。
  • 注2
    Windows OS:
    Windows 8.1以降のパソコン。
  • 注3
    B-OWS(マンマシン機能):
    設備管理者の運用を支援する監視・表示系の装置。
  • 注4
    B-BC(収集・制御系マシン):
    現場設備の情報やB-OWSからの操作内容を収集・制御する装置。

関連リンク

当社のSDGsへの貢献について

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。当社のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。

本件が貢献を目指す主なSDGs

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