PRESS RELEASE
2021年3月9日
富士通株式会社
9大学2研究所連合による共同運用データプラットフォームが稼働開始
Society 5.0実現に向けたデータ利活用基盤として全国の大学や研究機関が活用
当社は、9大学と2研究所(注1)が共同運用する、Society 5.0(注2)が目指すデータ集約社会を実現するための新たな基盤である、データ活用社会創成プラットフォーム(以下、本プラットフォーム)を構築しました。本プラットフォームは、2021年3月9日より稼働開始します。
本プラットフォームは、国立大学法人東京大学 柏Ⅱキャンパス 総合研究棟に2021年3月に設置され、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(以下、NII)が運用する学術情報ネットワーク「SINET(注3)」と連携し、全国の大学や研究機関などへ幅広く、計算資源およびデータ収集・蓄積・解析機能を提供します。そのため、本プラットフォームは、最新CPUを搭載した「FUJITSU Server PRIMERGY CX2550(以下、PRIMERGY CX2550)」の次期モデル368台とハイエンドGPU(注4)を搭載した「FUJITSU Server PRIMERGY GX2570(以下、PRIMERGY GX2570)」の次期モデル40台、合計27ペタバイトのストレージシステムなどで構成され、高速計算処理や大容量データの利活用を実現します。
当社は、本プラットフォームの提供を通じて、全国の大学・研究機関における、データを活用した最先端の研究を強力に支援していきます。
背景
近年、データが社会における重要な資産となりつつある中で、様々な場所で生成されるデータを集約し、高度な解析によって新たな知を獲得できる高性能なデータ基盤が求められています。9大学と2研究所は、Society 5.0が目指すデータ集約社会の実現に向けて、日本のあらゆる大学や研究機関が有するデータの収集や蓄積、解析が可能で、かつ用途やニーズに応じてすぐにシステムを拡張できるプラットフォームを必要としていました。
そこで当社は、強みとするシステムインテグレーションにより、当社製の最新PCサーバをベースに、大容量ストレージシステムや仮想基盤、ネットワーク機器などを統合した高性能なシステムを提案し、このたび本プラットフォームの受注にいたりました。本プラットフォームは、NIIが運用する「SINET」を介して全国の大学や研究機関などへ広く計算資源を提供するほか、国立大学法人東京大学情報基盤センター(注5)(以下、東大情報基盤センター)に2021年5月に導入予定の「計算・データ・学習」融合スーパーコンピュータシステム「Wisteria/BDEC-01(ウィステリア/ビーデックゼロワン)」などと連携し、本プラットフォームで収集したデータを用いた高精度なシミュレーションを実現します。
本プラットフォームの特長
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「SINET」と連携し、データをリアルタイムに収集、蓄積、解析できる環境を構築
- 日本のあらゆる大学や研究機関が有するデータベースなどを、「SINET」のネットワークを介して本プラットフォームの計算資源やストレージと接続し、リアルタイムにデータの収集や蓄積、解析が可能。これにより、様々な分野のデータ提供者と利用者が容易に連携できるようになり、開発を強力に支援。
- 仮想化基盤を用いることでユーザが用途やニーズに応じて柔軟に計算資源やストレージの容量を増減して活用できる環境を構築。
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高性能な計算環境と連携し、高精度なシミュレーションを実現
- 本プラットフォームは、東大情報基盤センターの「計算・データ・学習」融合スーパーコンピュータシステム「Wisteria/BDEC-01」、および国立研究開発法人 産業技術総合研究所のスーパーコンピュータシステム「AI橋渡しクラウド基盤」(ABCI)などと連携することで、高精度なシミュレーションを実現。
本プラットフォームのシステム概要
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400台以上の最新PCサーバによる高速計算処理能力とユーザへ計算資源を提供するIaaS基盤の統合
- 1ノードあたり2基のCPU(第3世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー:開発コード名 Ice lake)を搭載した「PRIMERGY CX2550」の次期モデル368台と、1ノードあたり8基のハイエンドGPU「NVIDIA A100 Tensor Core GPU」を搭載した「PRIMERGY GX2570」の次期モデル40台などで構成し、総理論演算性能8.5ペタフロップス(注6)を実現。
- 最新CPUを搭載したPCサーバと最新GPUを搭載したPCサーバを統合して構成することで、PCサーバの機能に加えてAIなどの活用に必要な高速演算機能を併せ持ち、幅広いお客様が活用可能な計算資源を提供可能。
- 全てのPCサーバに仮想化基盤「VMware vSphere® 7」を統合することで、同時に数千のプロジェクトに対し、ユーザの用途やニーズに応じて計算資源を柔軟に提供できるIaaS基盤を構築。
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最先端のストレージシステムやネットワーク機器と相互接続可能S基盤の統合
パートナー企業が提供する最先端のストレージシステムやネットワーク機器と相互接続可能な仕組みを、当社のシステムインテグレーションにより構築。これにより、効率的かつセキュアにデータの収集や蓄積、解析が可能。
本プラットフォームの主なシステム構成
高性能計算システム① | 主な構成品 | FUJITSU Server PRIMERGY CX2550 次期モデル |
ノード数 | 368ノード | |
ピーク性能 | 2.1ペタフロップス | |
総主記憶容量 | 94テビバイト(注11) | |
高性能計算システム② | 主な構成品 | FUJITSU Server PRIMERGY GX2570 次期モデル |
ノード数 | 40ノード | |
ピーク性能 | 6.4ペタフロップス | |
総主記憶容量 | 10テビバイト | |
大容量ストレージシステム | 合算容量 | 27ペタバイト |
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
注釈
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注19大学と2研究所:
国立大学法人 北海道大学(本部:北海道札幌市、総長:寳金 清博)
国立大学法人 東北大学(本部:宮城県仙台市、総長:大野 英男)
国立大学法人 筑波大学(本部:茨城県つくば市、学長:永田 恭介)
国立大学法人 東京大学(本部:東京都文京区、総長:五神 真)
国立大学法人 東京工業大学(本部:東京都目黒区、学長:益 一哉)
国立大学法人 東海国立大学機構 名古屋大学(本部:愛知県名古屋市、総長:松尾 清一)
国立大学法人 京都大学(本部:京都府京都市、総長:湊 長博)
国立大学法人 大阪大学(本部:大阪府吹田市、総長:西尾 章治郎)
国立大学法人 九州大学(本部:福岡県福岡市、総長:石橋 達朗)
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(所在地:東京都千代田区、所長:喜連川 優)
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(本部所在地:東京都千代田区、理事長:石村 和彦)
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注2Society 5.0:
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された。IoT、ロボット、AI、ビッグデータといった社会の在り方に影響を及ぼす新たな技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会の実現を目指すこととしている。 -
注3SINET:
Science Information NETworkの略。 -
注4GPU:
Graphics Processing Unitsの略。画像処理や画面描写に特化して処理を実施する演算装置。 -
注5国立大学法人東京大学情報基盤センター:
所在地 東京都文京区、センター長 田浦 健次朗 -
注6ペタフロップス:
PFLOPS(Peta Floating-point Operations Per Second)。Petaは1,000兆(10の15乗)のことで、毎秒1,000兆回の浮動小数点演算ができることを表す。 -
注7株式会社データダイレクト・ネットワークス・ジャパン:
本社 東京都千代田区、代表取締役 ロベルト・トリンドル -
注8NVIDIA Corporation:
本社 米国カリフォルニア州サンタクララ、CEO ジェンスン・フアン -
注9Juniper Networks, Inc.:
本社 米国カリフォルニア州サニーベール、CEO ラミ・ラヒム -
注10ソニー株式会社:
本社 東京都港区、代表執行役会長兼社長CEO 吉田 憲一郎 -
注11テビバイト:
2の40乗バイトを示す記憶容量の単位の一つ。
関連リンク
- PCサーバ FUJITSU Server PRIMERGY
- 東京大学情報基盤センターが Society 5.0 実現へ向けた「計算・データ・学習」融合スーパーコンピュータシステムの導入を決定(2020年12月10日 東大情報基盤センタープレスリリース)
本件に関するお問い合わせ
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富士通コンタクトライン(総合窓口)
0120-933-200(通話無料)受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・富士通指定の休業日を除く)
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