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PRESS RELEASE

2020年12月11日
富士通株式会社

「Ontenna」プログラミング教育環境の無償公開を開始

全国のろう学校をはじめとした小学生向け体験型プログラミング学習を提供

当社は、音をからだで感じるユーザインタフェース「Ontenna(オンテナ)」のプログラミング教育環境を、全国のろう学校や普通学校向けに、2020年12月11日より無償公開します。

文部科学省が目指す「誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学び」の実現に向けたICTによる教育環境整備支援活動の一環として、当社は2019年6月より「Ontenna」の体験版を全国の7割強のろう学校に無償提供しており、発話やリズム練習の授業や学校生活などで現在広く活用されています。

今回、さらに本活動を深化させ、「Ontenna」のプログラミング教育環境を無償公開し、子供たちがこのプログラムを活用して自分の聞きたい音に対し「Ontenna」の振動や光をカスタマイズすることが可能になります。これにより、子供たちにプログラミング学習を体験する機会を提供し、高度ICT社会を担う次世代の人材育成にも貢献していきます。

なお、今回開発した「Ontenna」プログラミング教育環境は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)の研究領域「イノベーション創発に資する人工知能基盤技術の創出と統合化」における研究課題「計算機によって多様性を実現する社会に向けた超AI基盤に基づく空間視聴触覚技術の社会実装(研究代表:「xDiversity(注1)」落合陽一)」の支援を受けて開発したものです。

写真1:「Ontenna」イメージ
写真1:「Ontenna」イメージ

背景

「Ontenna」は、音の大きさをリアルタイムに振動と光の強さに変換し、伝達するユーザインタフェースです。これを髪の毛や耳たぶ、えり元やそで口などに付けたユーザーは、リズムやパターン、大きさといった音の特徴を知覚することができます。「Ontenna」は、ろう者に音を届けることを目的に、ろう学校の教育現場をはじめ、スポーツ観戦やコンサート、タップダンス鑑賞など、様々な環境での実証やろう者との協働研究を経て、2019年8月より提供しています。

今回、ろう学校でも広く使われている「Ontenna」に対し、プログラミング機能と指導教材を併せた教育環境を無償公開します。プログラミングを通し、ユーザーが感じたい音の大きさや高さに対して、「Ontenna」の振動や光のパターンをカスタマイズすることが可能になります。また、教育指導者へは、教育指導案・授業用スライド・ワークシートなどを提供することで授業での活用を支援し、全国のろう学校や普通学校に対してプログラミング教育の普及を目指します。

「Ontenna」プログラミング教育環境の概要

  1. プログラミング機能

    今回、世界中の学校で初心者学習用に使用されているビジュアルプログラミングランゲージツール「Scratch」(注2)を使った「Ontenna」プログラミング機能を提供します。ユーザーが感じたい音の大きさや高さに対して、「Ontenna」の振動の強さや光の色をプログラムすることで、「大きな音が鳴った時に3回振動するOntenna」「小さな音をキャッチすると赤く光るOntenna」といったカスタマイズができるようになります。

    写真2:「Scratch」を使ってOntennaにプログラムする様子
    写真2:「Scratch」を使ってOntennaにプログラムする様子

    写真3:プログラミングを行うろう学校の生徒の様子
    写真3:プログラミングを行うろう学校の生徒の様子


  2. 指導教材

    全国のろう学校や教育機関での活用を目指し、プログラミング機能の指導教材をろう学校の先生と協力して作成しました。

    1. 対象授業

      総合的な学習の時間

    2. 対象学年

      小学部4年生への指導を基準に作成。ただし、3~6年生への指導も可能。

    3. 内容
      • 教育指導案:教育指導者向けプログラミング授業指導案
      • 授業用スライド:プログラミング授業の投影資料
      • ワークシート:プログラミング学習プリント
      • ユーザーズマニュアル:プログラミング機能の基本操作集

    写真4:ろう学校の生徒が考えた「Ontenna」のアイデア
    写真4:ろう学校の生徒が考えた「Ontenna」
    のアイデア

    写真5:それぞれプログラミングした「Ontenna」を発表するろう学校の生徒の様子
    写真5:それぞれプログラミングした「Ontenna」
    を発表するろう学校の生徒の様子


  3. 今後

    まずは、ろう学校でのプログラミング教育の活用を進め、普通学校向けにも広く普及させていきます。さらに、機械学習を用い、チャイムの音や赤ちゃんの泣き声といった、特定の音に反応する「Ontenna」のプログラミング機能の開発を目指します。

プログラミング教育用「Ontenna」の無償貸出について

今回のプログラミング教育環境の公開にあわせ、「Ontenna」 を用いたプログラミング教育に興味のある学校・教育機関を対象に、アンケート回答にご協力いただいたうえで、標準で「Ontenna」10個を1か月間無償で貸出しします。プログラミング教育用「Ontenna」無償貸出しのお申込みは「Ontenna」プログラミングサイトをご確認ください。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 xDiversity:
クロスダイバーシティ。落合陽一氏が代表を務める本CREST研究課題の活動体。
注2 Scratch:
Scratch財団がマサチューセッツ工科大学メディアラボ ライフロングキンダーガーデングループと共同開発する、無料の教育プログラミング言語およびその開発環境。8~16才をメインターゲットとし、初心者向けのプログラミングツールとして世界中で活用されている。

関連リンク

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