PRESS RELEASE
2020年10月29日
富士通株式会社
令和2年度関東地方発明表彰「特許庁長官賞」を受賞
当社が創作した音・振動変換器に関する意匠(以下、本意匠)が、このほど公益社団法人発明協会(所在地:東京都港区、会長:野間口有、以下、発明協会)が主催する「令和2年度関東地方発明表彰」において、「特許庁長官賞」を受賞しました。受賞対象は、2019年に当社が出願し意匠として登録された「振動・光で音を知覚する身体装着型装置」(意匠登録第1640713号)」です。
本意匠は、音の大きさをリアルタイムに振動と光の強さに変換することで、リズムやパターンといった音の特徴をからだで感じる音知覚装置に関するものです。
本意匠を用いた製品「Ontenna(オンテナ)」は、全国の多くのろう学校で、発話練習やリズム練習で活用されています。また、映画・スポーツ観戦・音楽ライブ・狂言といった様々なジャンルのイベントにおいて、ろう者のみならず、その家族や健聴者にとっても価値のある体験を生み出しています。
地方発明表彰について
地方発明表彰は、各地方における発明の奨励・育成を図り、科学技術の向上と地域産業の振興に寄与することを目的として大正10年に開始されたものです。全国を8地方に分け、北海道地方発明表彰、東北地方発明表彰、関東地方発明表彰、中部地方発明表彰、近畿地方発明表彰、中国地方発明表彰、四国地方発明表彰、および九州地方発明表彰を実施し、各地方において優秀な発明、考案、または意匠を完成された方々、発明などの実施化に尽力された方々、発明などの指導、育成、奨励に貢献された方々の功績を称え顕彰するものです。
その中でも意匠における「特許庁長官賞」は、製品化し広く一般に利用されて、産業の発展や生活文化の向上に大きく寄与し、さらに形状や機能など構成要素が極めて優れており、新しい意匠の潮流を形成していると認められる意匠の中で、特に優秀と認められるものに贈呈されるものです。
受賞概要
受賞者(注1)
特許庁長官賞 | : | 本多 達也 富士通株式会社 |
高見 逸平 元 富士通デザイン株式会社 | ||
千崎 雄大 株式会社アルテクナ |
実施功績賞(注2) | : | 代表取締役社長 時田 隆仁 |
受賞技術
- 背景と従来技術
従来の音知覚装置は、光によって音の発生を知らせるものが一般的でした。しかし、普段視覚情報に頼って生活しているろう者にとって、さらに光が加わることは負担であることがわかりました。そこで、触覚を用いて音の発生を知らせるアクセサリー型の装置を、ろう者と共に開発しました。
- 物品形状
本意匠は、髪の毛や耳たぶ、えり元やそで口など様々な部位に装着しやすく、装着しても違和感なく、かつ振動を感じ取りやすい形状となっています。
- 産業上の応用
本意匠を用いた製品「Ontenna」は、全国にある多くのろう学校において、発話・発音練習や音楽・ダンス教育などで活用されています。その中で、普段声を出さないろう学校の生徒が積極的に声を出すようになったり、太鼓や笛の強弱を感じることでみんなでダンスを合わせることができたりする効果などが得られました。さらに、複数人が装着した製品を同時に制御できるコントローラーにより、映画やスポーツ、音楽ライブ、狂言などのイベントでは、ろう者だけではなく健聴者に対しても、臨場感や一体感といった付加価値を生み出しています。
写真1:「Ontenna」装着イメージ
写真2:「Ontenna」、充電器、コントローラー
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
関連リンク
本件に関するお問い合わせ
法務・知財・内部統制推進本部
知財インテリジェンスサービス統括部
044-754-3031(直通)
fj-jusho@dl.jp.fujitsu.com
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