このページの本文へ移動
  1. ホーム >
  2. プレスリリース >
  3. 理研様のデータ科学基盤「HOKUSAI-SailingShip」が本格稼働開始

PRESS RELEASE (導入事例)

2020年10月19日
富士通株式会社

理研様のデータ科学基盤「HOKUSAI-SailingShip」が本格稼働開始

多様な研究データの利活用を促進し、研究活動を強力に支援する基盤を当社が構築

当社は、国立研究開発法人理化学研究所(所在地:埼玉県和光市、理事長:松本紘、以下、理研)様とともにデータ科学基盤「HOKUSAI-SailingShip」を新たに構築しました。本システムは理研様の研究活動において生成される膨大かつ高品質な研究データの処理や利活用を促進する目的で調達・導入され、2020年6月からの試験運用を経て、10月19日より本運用が開始されます。

「HOKUSAI-SailingShip」は、OpenStack(注1)ベースの仮想化基盤「Mirantis Cloud Platform(注2)」を搭載した当社PCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY(プライマジー) CX2550 M5」440台と、データアクセスのための様々なプロトコルに互換性をもつ30ペタバイトのストレージシステムを採用することで、パブリッククラウドとの連携による多様なアプリケーションやデータ資産の利活用を促進し、オープンサイエンスの推進や研究成果の普及が期待されています。

当社は、データ科学基盤「HOKUSAI-SailingShip」により、安心・安全かつ利便性の高い研究環境の基盤運用を強力に支援していきます。

背景

理研様では、物理学や化学、ライフサイエンス、計算科学などの幅広い分野における研究開発活動を進める中で、パブリッククラウドを活用した柔軟な計算リソースの配分や管理能力を有する小規模なシミュレーションが実行可能な環境、およびデータ処理や保存に柔軟に適用できるシステムの必要性が高まっていました。そこで、当社は、従来のスーパーコンピュータに代表されるコンピューティング・オリエンテッドなシステムからスケールアウト型のクラウドタイプのシステムへのパラダイムシフトを目指した理研様のシステム調達に対して、データ科学基盤「HOKUSAI-SailingShip」を受注し、構築しました。本システムは理研様にて10月19日より本運用が開始されます。

「HOKUSAI-SailingShip」の特長

  1. 最新PCサーバ440台で構成する様々なアプリケーションの柔軟な実行環境
    • インテル社最新CPU「第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー」を搭載した「FUJITSU Server PRIMERGY CX2550 M5」440台を広帯域のイーサネット網で接続することで、様々なアプリケーションを柔軟に実行可能。
  2. パブリッククラウドとの容易な連携が可能なスケールアウト型の大規模ストレージ
    • スケールアウト型の柔軟なデータアクセス環境を提供する30ペタバイトの大規模ストレージシステムを構成。
    • 様々なプロトコルに対応したストレージシステムを採用することで、パブリッククラウドをはじめとしたあらゆる外部システムとのデータ連携を容易に実現。
  3. 様々な用途に対応する柔軟なバーチャルマシン環境
    • PCサーバにOpenStackを中核とするプライベートクラウド基盤「Mirantis Cloud Platform」を採用し、事務用途から研究用途まで、要求に合わせて計算資源を柔軟に供給できるバーチャルマシン環境を実現。
    • オープンソースを活用することで、システムのブラックボックス化を防止。

データ科学基盤「HOKUSAI-SailingShip」
データ科学基盤「HOKUSAI-SailingShip」

「HOKUSAI-SailingShip」システムの主な構成

CPUファーム ノード数 440ノード
コア数 21,120コア
総主記憶容量 165.0テラバイト
データファーム 容量 30.0ペタバイト
バンド幅 毎秒350ギガバイト

理研 情報システム本部 部長 黒川 原佳 様からのコメント

理研は、日本で唯一の自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、数理・情報科学、計算科学、生物学、医科学などに及ぶ広い分野で研究を進めています。その中でも様々な実験やシミュレーションにおいて、高品質で膨大なデータが産出され、そのデータ処理や保存を円滑に行うためのCPUやストレージ、OSやミドルウェアなどのIT資源をオンデマンドで柔軟に配分管理できるシステム導入が必要でした。今回本運用を開始する「HOKUSAI-SailingShip」では、OpenStackを中核とするプライベートクラウド基盤の採用とスケールアウト型のハードウェア構成にすることで、理研の利用者が必要とするIT環境を提供できるだけではなく、研究データや解析手法などの利活用を進めるオープンサイエンスの推進にも資する基盤システムとして活躍することを期待しています。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 OpenStack:
仮想マシンを提供するためのオープンソース・フリーソフトウェア。
注2 Mirantis Cloud Platform:
ミランティス社(本社:米国カリフォルニア州、CEO:エイドリアン・イオネル)のクラウド基盤ソフトウェア。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン(総合窓口)
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・当社指定の休業日を除く)


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。