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PRESS RELEASE

2020年10月12日
富士通株式会社

製造業の競争力強化、働き方の多様化に向け、
ニューノーマル時代のものづくりソリューションを提供

当社は、ニューノーマル時代における 製造業のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)加速に向けたものづくりのソリューションおよびサービスを拡充し、2020年11月よりグローバルに順次提供を開始します。

今回拡充するソリューションおよびサービスは、製造業の生産オペレーション効率化、製造設備の稼働状況可視化、設計・開発業務の高度化などを実現する、以下の4つです。

  • 製造業のDXを加速するためのサービス、ソリューション「COLMINA(コルミナ)」のサブスクリプションサービス
  • グローバルで高いシェアを持つシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア(注1)の「Xcelerator」やアルテアエンジニアリング(注2、以下、米アルテア社)の「Altair HyperWorks Unlimited Virtual Appliance」からなるリモート設計・開発を支援するソリューション
  • 双方向かつリアルタイムのリモートコミュニケーションでものづくり現場の改善活動を支援するものづくり現場リモートエキスパートサービス
  • グラフィックスを多用する3D-CADやCAE(注3)などのアプリケーションをクラウド環境で利用可能にする「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA Design Review 高速リモートデスクトップ」(以下、「Design Review 高速リモートデスクトップ」)

当社は今後、これらと「COLMINA」の既存ソリューションとを強力に連携させ、設計から生産までのグローバルサプライチェーン全体の情報をつなげることで、柔軟性を備えたバリューチェーン再構築、ものづくりをサイバー空間で再現するCPS(Cyber Physical System)(注4)を活用した競争力強化、多様なコラボレーションによるイノベーション創出など、ものづくり業務におけるDX加速を支援していきます。

本サービスは、10月14日(水曜日)から開催するオンライン形式のグローバルイベント「Fujitsu ActivateNow」で紹介します。

背景

昨今、市場のグローバル化による競争激化、厳しい品質要求への対応、人材不足などの製造業を取り巻く環境の変化に応じ、マスカスタマイゼーションやものづくりのサービス化などへの対応が求められています。また、新型コロナウイルスの感染拡大により、製造業においても、サプライチェーンの分断、テレワークの限界による業務停止、感染者発生による事務所閉鎖など緊急事態が生じています。

ニューノーマル時代では、サプライチェーン分散化、ものづくりの自動化・省人化、設計・開発業務や生産追跡・遠隔作業のリモート化などの新たなものづくりへの挑戦が必要不可欠となっています。

当社は、従来取り組んできた「COLMINA」のソリューションに加え、製造業のDX加速を支援するため、新たなものづくりソリューションの提供を開始します。

拡充するソリューション、サービスの概要

  1. 生産オペレーション効率化、工作機械の効率活用を早期に実現するCOLMINAサブスクリプションサービス

    製造業向けにこれまでに提供してきた「COLMINA」のソリューションをサブスクリプションサービスとしてグローバルで提供します。株式会社DUCNET(注5)が2021年4月からサービス提供を開始する製造業のデジタル革新を加速するクラウドサービス「デジタルユーティリティクラウド」を活用し、生産オペレーション効率化や工作機械の効果的活用を実現する設備稼働の可視化、工場ダッシュボード、生産性・品質の分析テンプレート群などを当社サービスとして提供します。従来、製造業各社が個々に構築しているものづくり業務システムをサブスクリプションサービスとして提供することで、様々な業務システムを早期に初期投資を抑えて利用することができ、社内業務の効率化、顧客サービスの高度化、さらにはDXの加速に貢献します。2021年4月から工作機械業界向けに展開し、その後順次自動車や機械・エレクトロニクス市場へ拡大していきます。

    COLMINAサブスクリプションサービス概要
    COLMINAサブスクリプションサービス概要
    拡大イメージ

  2. ニューノーマルにおける製品開発を支援するリモート設計・開発ソリューション
    • シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア社のソリューション群「Xcelerator」

      「Xcelerator」は、異なる場所やデスクトップ環境にいるエンジニアのチームが、クラウド上でCADも含めた設計業務を共同で進めることができる、プロジェクトコラボレーションサービスなどのソリューション群です。本製品の提供により、新型コロナウイルスの影響によって従業員がテレワークで別々の場所に分散して作業するなど、設計開発環境の変化にも柔軟に対応したセキュアなリモート製品開発を支援するとともに、円滑なコラボレーションを可能にし、従来の製品開発環境と同等以上の製品品質を実現します。2021年3月から国内での提供を開始し、2021年中に欧州や北米などグローバルで提供予定です。

    • 米アルテア社のSaaS型CAEソフトウェア「Altair HyperWorks Unlimited Virtual Appliance」

      製品開発に必要なCAEや構造シミュレーションといった様々な解析を行うためのソフトウェア群と、その計算を行うためのクラウド環境がセットになったサービスです。必要な時に必要な実行時間や解析スペックを素早く組合せて利用することができます。リモートワークでのデジタル製品開発や、事業継続に向けた突発的な品質検証などを行えるようになり、製品開発リードタイムの短縮、製品品質の向上を図ることが可能となります。CAE未導入のお客様でも、当社のPLM(Product Lifecycle Management)製品群(注6)およびCAE技術サポートと組み合わせることで、ものづくりプロセスにおけるCAEを早期に実践して行くことが可能です。当社としては、2021年3月から国内での提供を開始し、2021年中に欧州や北米などグローバルで提供予定です。

  3. ものづくりDXを加速するものづくり現場リモートエキスパートサービス

    当社のものづくり現場で培った実践的技術・知見を持つエキスパートによる設計・製造現場改善やものづくりDX実現をサポートするサービスを、株式会社富士通研究所(注7、以下、富士通研究所)が開発するストレスのない同時双方向遠隔コラボレーション技術「Izumina」を活用し、リモートサービスとして提供します。

    これにより、地理的な制約を受けることなく、実践経験豊富なエキスパートが生産状況の数値データや現場動画などのリアルタイム情報とICT技術を活用して、作業内容や順序の見直しによる作業効率化や工程やレイアウトの見直しによる在庫削減・省スペース化など、お客様の生産性向上やコストダウンを支援します。2021年1月から国内での提供を開始し、2021年中にドイツや北米などの欧米をはじめとしたグローバルで提供予定です。

  4. ストレスフリー、かつ高画質リモートワークを実現するDesign Review 高速リモートデスクトップ

    ニューノーマル時代における設計者リモートワーク用仮想デスクトップソフトウェアです。4K解像度で45fps(注8)を実現し、3D-CAD、CAE、映像やコンピュータグラフィック編集などの高画質領域でのスムーズな操作ができるため、専用ワークステーションは必要ありません。事務用のノートパソコンなどでも描画遅延のストレスを感じることなく、遠隔地からでも自席での業務と同じように作業することが可能となります。また、富士通研究所が開発した技術「RVEC」を利用し、描画するための通信データを従来比2分の1に圧縮します。低速回線でもより高精度かつなめらかな画像転送で、従来と同等の描画が可能になる画面コラボレーション機能によって、設計者・工場間等の複数拠点が参加するデザインレビューも円滑に行うことができ、スピーディーなものづくりを実現します。2020年11月末に国内での提供を開始し、2021年中にドイツやアメリカなど欧米をはじめとしたグローバルで提供予定です。

    ニューノーマルに向けたものづくりソリューション概要
    ニューノーマルに向けたものづくりソリューション概要
    拡大イメージ

今後について

当社は、日本・ドイツ・北米をものづくりソリューション開発および機能強化の中心拠点として位置付け、今後、日本、欧州、北米、アジアへサービス提供を行っていきます。また、クラウドロボティクス(注9)市場における新たなサービス創出や、PLM(Product Lifecycle Management)およびMES(Manufacturing Execution System)(注10)領域におけるものづくりCPS化に向けた、製造業の上流の設計から下流の製造現場までのデータをシームレスに繋ぎ、分析して自律的改善を実現する新たなサービス提供を計画しています。さらに、グローバルにおいて高いシェアを持つ海外ベンダーとの協業も強力に進めていきます。

販売価格、および販売開始時期

製品・サービス名 販売価格(税別) 販売開始時期
COLMINAサブスクリプションサービス 月額:15万円~ 2021月4月より
Xcelerator 未定 2021年3月より
Altair HyperWorks Unlimited Virtual Appliance 85万円~
(500ノード時間/2ヵ月)
2021年3月より
ものづくり現場リモートエキスパートサービス 300万円~ 2021年1月より
Design Review 高速リモートデスクトップ 月額:1.8万円~ 2020年11月より

販売目標

2025年度までに、COLMINAサブスクリプションサービスおよびニューノーマルに向けたものづくりソリューションビジネスで売上500億円(当社の決算期は3月末日です。)

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

関連資料

以上

注釈

注1 シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア:
本社 米国テキサス州プラノ、代表者 トニー・ヘメルガン。
注2 アルテアエンジニアリング:
本社 米国ミシガン州トロイ、Founder, Chariman, and Chief Exective Officer ジェームス・R・スキャパ。
注3 CAE(Computer Aided Engineering):
工業製品の設計・開発工程を支援するコンピュータシステム。
注4 CPS(Cyber Physical System):
フィジカル(リアル)領域で収集したデータをサイバー(バーチャル)領域で分析・検証し、その結果をフィジカル領域に反映させ相互に作用しながら課題解決を図る仕組み。
注5 株式会社DUCNET:
本社 東京都大田区、代表取締役社長 田中隆之。2020年11月設立予定。
注6 PLM(Product Lifecycle Management)製品:
FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA 設計製造支援 iCAD SX、FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA デジタル生産準備 VPS、FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA 技術情報管理 部品表など。
注7 株式会社富士通研究所:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 原裕貴。
注8 45fps(45 frames per second):
1秒当たり45枚のフレーム(画像)を表示すること。
注9 クラウドロボティクス:
クラウドが持つ膨大な計算能力とそこに蓄積された知識を活用して、ロボットやそれを用いた設備・システムを、地理的な制約を受けることなくCPS上で知的に制御しながら開発や運用、管理すること。
注10 MES(Manufacturing Execution System):
製造実行システム。工場の生産ラインで、設備や作業者の作業を監視・管理するシステム。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン(総合窓口)
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・当社指定の休業日を除く)
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  • 説明会資料(PDF)の内容を一部変更しました(2020年11月16日)
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