PRESS RELEASE
2020年4月24日
富士通株式会社
AIチャットボットとRPAにより、各種申請手続きを自動で行える
金融分野向け新サービス「Finplex ScrumOne」提供開始
チャットボット上の会話から必要項目の自動入力を可能にするサービス
当社は、AIチャットボットとRPA技術を組み合わせて、銀行や保険会社における住所変更や保険金請求申請、控除証明書の再発行など各種申し込み手続きを自動化する金融分野向けの新サービス「FUJITSU Finplex チャットボット業務自動化サービス ScrumOne(以下、Finplex ScrumOne(フィンプレックス スクラムワン))」を開発し、4月24日より提供を開始します。
本サービスは、顧客接点の高度化を実現する当社のAIチャットボット「Customer Engagement Solution CHORDSHIP powered by Zinrai(以下、CHORDSHIP(コードシップ))」とRPAから成り、「CHORDSHIP」上の会話から、RPAが各種申請手続きに必要な項目を抽出し、既存のWeb申請フォーマットにデータを自動入力します。これにより、利用者はチャットボット上の簡易な質問に回答するだけで、スマートフォンなどで手軽かつスムーズに申請手続きが完了できます。また、金融機関は既存の業務システムやWebフォーマットを活用して素早くチャットでの申請手続きサービスを立ち上げることができ、デジタルチャネル対応の促進とお客様接点の強化を支援します。
当社は今後も、AIなどの先進技術を活用した新サービスをいち早く開発し、金融業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を牽引していきます。
背景
金融業界では、DXやFinTechに代表されるデジタル化が急速に進んでおり、各金融機関はお客様満足度向上や新規顧客獲得のため、スマートフォンへの対応をはじめ、チャットやSNSといったデジタルチャネルにより、お客様接点強化を図っています。新サービスやデジタルチャネル対応は素早い立ち上げが求められ、既存システムを活かし効率的かつ短期での構築が要求されます。現在、金融機関における各種手続きのWeb対応は進んでいますが、Webフォーマット画面はパソコン用に作成されているものが多く、スマートフォンから入力するには使い勝手が悪く、気軽に活用できないといった課題があります。また、金融機関のコールセンターなどでは、特に有事の際に対応要員が不足するといった課題があり、チャットボットによる効率化や24時間対応できる仕組みを構築することが求められています。
新サービス「Finplex ScrumOne」は、当社のAIチャットボット「CHORDSHIP」とRPA連携インターフェースをクラウドサービスで提供し、当社のRPA技術と組み合わせて、既存のWebフォーマットを活かしたチャットサービスを開始できます。
「Finplex ScrumOne 」の特長
- AIチャットボットが問い合わせに対応しながら手続きを実施
AIチャットボットがお客様の問い合わせに対応しながら必要な入力項目を抽出し、手続きを実施します。お客様はチャットボットの親しみやすいアバターから聞かれたことに一つずつ回答を入力していくだけでスムーズに手続きが完了できるため、利便性および満足度が向上します。
当社のAIチャットボット「CHORDSHIP」は、適切な会話を導くトークスクリプト(注1)機能とあらかじめ金融機関が用意したFAQデータを機械学習した辞書とのハイブリッド型AIのため、少ないFAQデータでも会話の意図を的確にとらえた正確な回答を導きます。本サービスでは、問い合わせの多い項目や新しい用語についてAIが自動で追加せず、人が正しいと判断したもののみを追加する仕組みを取り入れています。
また、住所変更や病気・事故時の手続きといったお客様が知りたいことをチャットで入力すると関連する問いを一覧で表示し、そこから手続きページに導くことができます。さらに、解決しない問いには有人チャットや電話オペレーターにつなげるハイブリッド型のシステムを構築することも可能です。
チャット画面からの手続きイメージ - 既存システムを改修せずチャットによる手続きサービスを構築
金融機関がインターネットバンキングなどで運用している既存のWebフォーマットを活かして、短期間で効率的にチャットによる手続きサービスを構築できます。
当社のAIチャットボット「CHORDSHIP」の豊富なUIおよび業務プロセス制御機能とRPA技術を連携することによって、チャットボット上の会話から既存のWebフォーマットに自動入力し、金融機関が持つ業務システムとつなげることができます。業務プロセス制御機能はGUIにてチャットフローや業務システムとの連携について設定可能で、すぐに画面上で動作確認ができます。また、業務システムと連携できるため、既存のWebフォーマット入力と同様のエラーチェックが可能です。
RPA連携インターフェースにより、お客様がすでに導入しているRPAを活用してシステム構築することも可能です。
既存システムへのチャットによる手続きサービス追加のイメージ - 店舗設置のタッチパネルやパソコンと個人スマートフォン間の連携が可能
金融機関の営業店舗などでは、手続き内容を案内するタッチパネルシステムの導入が進んでおり、これらのタッチパネルと個人のスマートフォンを連携させることが可能です(特許取得済み)。他人に見られたくない個人情報などはスマートフォンで続きを入力することができます。
また同様にパソコンでやり取りしたチャット内容を個人のスマートフォンと連携できるため、スマートフォンで続きをやり取りしたり、内容を確認したりすることができます。
設置型タッチパネルと個人スマートフォンの連携イメージ
今後について
今後、本人確認が必要な口座開設業務など、適用手続き範囲の拡大を検討していきます。また、金融だけでなく様々な業界において、お客様接点強化に向けたソリューションとの連携を実現していきます。
販売価格と提供開始日
サービス名 | 販売価格 | 提供開始日 |
---|---|---|
基本サービス | 個別見積 | 2020年4月24日 |
RPA追加オプション | 個別見積 | 2020年4月24日 |
基本スタートアップサービス | 個別見積 | 2020年4月24日 |
追加スタートアップサービス | 個別見積 | 2020年4月24日 |
販売目標
2022年度末までに20システム(当社の決算期は3月末日です。)
「CHORDSHIP」について
「CHORDSHIP」は、チャットで寄せられる問い合わせに対して、当社のAI技術「Human Centric AI Zinrai」が問い合わせ内容を認識し、蓄積されたナレッジから的確に回答するチャットボットサービスです。これまでに、約120システムの稼働実績があります。そのうち金融機関については、三井住友海上火災保険株式会社様、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社様などをはじめ約30システムの実績があります。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
関連リンク
本件に関するお問い合わせ
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