PRESS RELEASE (事例)
2020年2月3日
富士通株式会社
名古屋大学情報基盤センター様の次期スーパーコンピュータシステムを受注
スーパーコンピュータ「富岳」の技術を活用した商用スーパーコンピュータを世界初導入
当社はこのほど、国立大学法人名古屋大学情報基盤センター(所在地:愛知県名古屋市、センター長:森 健策、以下 名古屋大学情報基盤センター)様の次期スーパーコンピュータシステムを受注しました。本システムは2020年7月より稼働予定です。
本システムでは、当社が理化学研究所(所在地:埼玉県和光市、理事長:松本 紘)様と共同開発しているスーパーコンピュータ「富岳」の技術を活用した「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000(エフエックスセン、以下 PRIMEHPC FX1000、注1)」2,304ノードを世界で初めて採用します。また、当社の最新PCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY CX2570 M5(プライマジー シーエックスニーゴーナナゼロ、以下 PRIMERGY CX2570、注2)」221台を並列接続したクラスタシステムおよび、ストレージシステムなどが高速インターコネクトで接続されます。システム全体の理論演算性能の合計は15.88ペタフロップス(注3)となり、国内有数の高い演算性能を実現するシステムとなる予定です。
全国共同利用・共同研究拠点である名古屋大学情報基盤センター様は、学術利用のための計算資源を全国の研究者や民間企業などのユーザに提供しています。
名古屋大学情報基盤センター様では、現在、当社の「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX100」などで構成されるスーパーコンピュータシステムを運用しています。今回、全国共同利用において研究者からのさらなる大規模な計算需要およびデータサイエンスに代表されるスーパーコンピュータへの新たな計算需要に応えるべくシステムの刷新を計画されており、当社ならびに株式会社富士通研究所(本社所在地:神奈川県川崎市、代表取締役社長 原 裕貴)が持つ技術力を結集した提案が評価され、本システムの受注に至りました。
本システムにより、名古屋大学情報基盤センター様は、台風のメカニズムの解明や新薬の設計などの従来の数値計算シミュレーションに加え、医学分野における診断治療支援技術や自動運転技術の開発におけるAI適用など、様々な研究・開発を支援していきます。
また当社は、これまで世界トップクラスのスーパーコンピュータの開発・提供を通じて培った技術や経験により、今後も名古屋大学情報基盤センター様の活動を支援するとともに、「PRIMEHPC FX1000」のグローバルな提供を通じて、社会的課題の解決や最先端研究の加速、および企業競争力の強化などに貢献していきます。
新システムの主な構成
サーバシステム [Type Iサブシステム] |
主な構成製品 | FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000 |
ラック数 | 6 | |
計算ノード数(CPU数) | 2,304(2,304) | |
理論演算性能 | 7.782ペタフロップス | |
総主記憶容量 | 72テラバイト | |
サーバシステム [Type IIサブシステム] |
主な構成製品 | FUJITSU Server PRIMERGY CX2570 M5 |
計算ノード数(CPU数) | 221(442) | |
GPU数 | 884 | |
理論演算性能 | 7.489ペタフロップス | |
総主記憶容量 | 82テラバイト | |
サーバシステム [Type IIIサブシステム] (注4) |
理論演算性能 | 77.41テラフロップス |
総主記憶容量 | 48テラバイト | |
ストレージサブシステム [ホットストレージ] (注5) |
総実効容量 | 30ペタバイト |
ストレージサブシステム [コールドストレージ] (注6) |
総実効容量 | 6ペタバイト |
クラウドシステム (注7) | 理論演算性能 | 537.6テラフロップス |
国立大学法人 名古屋大学情報基盤センター センター長 森 健策 様からのコメント
近年の大学における教育研究活動のデジタル化による、コンピューティングに対する需要がますます高まっています。スーパー台風などの異常気象、地震、津波など国民生活の安全安心に密接にかかわる分野、分子構造や創薬などの化学分野、宇宙や素粒子などの基礎科学におけるシミュレーションなどに加えて、医療分野やモビリティにおける人工知能や機械学習など、コンピューティングに対する需要はますます増大するばかりです。加えて、コンピューティングにおいて消費され、そして、生成されるデータ、これらをつなぐネットワーク、コンピューティングとデータからの知識発見のための可視化も重要です。今回導入するスーパーコンピュータは、大学におけるこれらのデジタルサイエンスのための必須の機能を有するものです。今回導入するスーパーコンピュータは名古屋大学のみならず全国の大学、研究機関等に提供され、我が国の学術研究のますますの発展のために利用される予定です。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000:
- Arm®v8-A命令セットアーキテクチャーをスーパーコンピュータ向けに拡張した「SVE (Scalable Vector Extension)」を採用したCPU「A64FX」を搭載。高い電力あたり性能とともに、高性能積層メモリであるHBM2の高いメモリバンド幅による高い計算効率を実現。
- 注2 FUJITSU Server PRIMERGY CX2570 M5:
- 当社最新PCサーバ。「第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー」と、AIやディープラーニング用途に最適な「NVIDIA® V100 Tensorコア」GPUを搭載し、GPU間は高帯域でエネルギー効率の高いインターコネクト「NVIDIA® NVLink™」で接続する。「PRIMERGY CX2570 M5」ではサーバ1台あたり最大4基のGPUコンピューティングカードを搭載し、それらを「NVIDIA® NVLink™」で接続することにより超高速での通信を実現。
- 注3 ペタフロップス:
- PFLOPS(Peta Floating-point Operations Per Second)。Petaは1,000兆(10の15乗)のことで、毎秒1,000兆回の浮動小数点演算ができることを表す。
- 注4 Type IIIサブシステム:
- 主な構成製品は、大規模SMP(Symmetric Multiprocessing)サーバである「HPE Superdome Flex(日本ヒューレット・パッカード株式会社)」。
- 注5 ストレージサブシステム[ホットストレージ]:
- 主な構成製品は並列ファイルシステム統合ストレージである「SFA18KE(株式会社データダイレクト・ネットワークス・ジャパン)」と、当社の大容量、高性能、高信頼分散ファイルシステムである「FUJITSU Software FEFS」。「FEFS」は「Fujitsu Exabyte File System」の略。
- 注6 ストレージサブシステム[コールドストレージ]:
- 主な構成製品は、「オプティカルディスク・アーカイブ(ソニー株式会社)」。光ディスクで構成され、低消費電力、記録データの長期保持、高耐久性を実現。また、一度データを書き込むと書き換えができないライトワンス記録方式のため改ざんが困難という利点を持ち、研究データの長期管理に適している。
- 注7 クラウドシステム:
- 主な構成製品は、「FUJITSU Technical Computing Solution UNCAI」と「HPE ProLiant DL560(日本ヒューレット・パッカード株式会社)」。「UNCAI」はサーバをプライベートクラウドとして利用/運用するために必要な機能を統合したパッケージ。
関連リンク
- 国立大学法人 名古屋大学 情報基盤センター ホームページ
- スーパーコンピュータ「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC」シリーズ紹介ページ
- 「FUJITSU Server PRIMERGY CX2570 M5」紹介ページ
本件に関するお問い合わせ
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