PRESS RELEASE
2019年12月6日
富士通株式会社
個別受注型製造業のマス・カスタマイゼーションを支援するソリューション
「FUJITSU Application for ETO on SAP Cloud Platform」を販売開始
当社は、個別受注型製造業向けに仕様品の見積や受注後の資材の手配や製造指示などの業務を効率化する「FUJITSU Application for ETO(注1) on SAP Cloud Platform」を12月23日より販売開始します。
本ソリューションは、製品や部品の情報がマスタ上になくても見積や手配業務を可能にするマスタレス運用、主要な業務情報を集約して表示する手配ナビゲータ、営業完結で仕様組合せの整合性判断を可能にするコンフィグレータなどの機能により、見積、手配業務の負荷軽減や短サイクル化を可能にし、製造リードタイム削減や営業と設計、製造部門における仕様変更情報の迅速な共有を実現します。
当社は、今後も、製造業向けのソリューションなどを継続して提供していくことで、製造業のお客様のデジタルビジネスをグローバルで支援していきます。
背景
製造業の現場では、見積や、製造現場への製造指示、資材の発注手配の際に、製造に必要となるBOM(注2)の情報をあらかじめマスタ情報としてシステムに登録しておく必要があります。個別受注型製造業の場合、提供する製品が受注ごとの個別仕様となるため、製品構成などのマスタ登録件数が月に数百から数千件と膨大となります。そのため、登録にかかわるリードタイムにより、製造現場での実際の作業着手が遅延するといった問題が発生しています。また、注文後の仕様変更も日常的に多く発生するため、仕様の組合せの整合性を保つ必要性や、設計や製造部門に確実に仕様変更情報を伝える必要もあり、その都度、伝票の変更をそれぞれの業務ごとのシステムに反映していく業務は、製造現場にとって大きな負荷となっています。
当社は、 SAPジャパン株式会社と2019年4月に協業を開始し、SAPソリューション導入のさらなる効率化を目的にSAP標準アプリケーションの機能を拡張するソリューションをクラウドサービス 「SAP ®Cloud Platform」上で開発してきました。本ソリューションは、本協業のもと、当社から提供する業種向けサービスの第一弾となり、今回、個別受注型製造業のお客様向けに提供を開始します。
本ソリューションの主な特長
本ソリューションは、当社がこれまでGLOVIA 製造業向けソリューションの提供や多くのSAPソリューション導入プロジェクトを遂行する中で培ってきた経験を活かし、「SAP S/4HANA®」の標準機能を活用した現場のシステム運用におけるユーザビリティを向上させる機能を「SAP® Cloud Platform」上で提供します。さらにこの「SAP® Cloud Platform」による開発方式は、「SAP S/4HANA®」のバージョンアップ時の影響を極小化することが可能です。
- マスタレス運用により製造リードタイムの短縮に貢献
通常、販売管理システムは、見積や受注などの伝票登録時に商品や部品などの情報がマスタ上に登録されている必要がありますが、本ソリューションは、事前のマスタ登録なしに伝票登録が可能です。これにより、個別仕様品のマスタ登録やメンテナンス工数を削減できるとともに、マスタ登録待ちで滞留していた営業、生産管理、製造、調達など各部門間の情報伝達スピードを加速させることで製造リードタイムの短縮が見込めます。
- 主要な業務情報を1画面に集約した手配ナビゲータにより煩雑な手配業務のオペレーションを極小化
調達材や工場への指示事項など個別仕様の製品構成における手配業務情報を1画面に集約して表示する手配ナビゲータにより、網羅的な情報の確認や各種業務伝票情報の登録を効率的に行うことができます。これまで1日に数百から数千の画面起動・切替えを必要としていた煩雑な伝票オペレーションを飛躍的に効率化し、現場作業の負荷軽減に貢献します。また、仕様が最終確定していない状態でも、確定した部分からの調達や製造手配を可能とすることで、個別仕様品提供にかかるリードタイムの削減を可能にします。
- 営業完結で仕様組合せの整合性判断を可能にするコンフィグレータ
個別受注型製造業の中には、あらかじめ用意された仕様やオプションの組合せによりお客様の要求を実現しているケースもあります。その場合、営業完結型での個別仕様見積を実現するために仕様・オプションの組合せの整合性をシステム的に判断するコンフィグレータ機能の運用が非常に効果的です。しかし、仕様やオプションの組合せにおける制約・ルールは膨大かつ複雑なため、コンフィグレータ機能を利用するためのマスタ運用は非常に手間がかかります。
本ソリューションは、見積時に営業で完結できることで設計部門とのコミュニケーション工数を削減するとともに、マスタ登録・維持運用にExcelツールを活用することで大幅に運用性の改善を実現しています。
販売価格、および販売時期
品名 | 販売価格(税抜き) | 販売時期 |
---|---|---|
FUJITSU Application for ETO on SAP Cloud Platform | 2,000万円~ | 2019年12月23日 |
販売目標
2022年12月末までに売上15億円。
今後について
当社は、今後も、製造業のお客様のデジタルビジネスをグローバルで支援するため、SAP補完ソリューションを継続して提供していく予定です。また、2020年3月より順次、ドイツ・アメリカ・中国で販売を開始する予定です。
商標について
- SAPおよび記載されているすべてのSAP製品およびサービス名はドイツにあるSAP SEやその他世界各国における登録商標または商標です。
- その他、記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 ETO:
- Engineering To Orderの略。個別受注に対応する製造を行う生産方式のこと。
- 注2 BOM(Bill of materials):
- 部品表、部品構成表。製品に含まれる部品の一覧や構成。品名、数量、仕様、材料などの情報を含み、どのような部品で構成されているかを確認、管理できる。
関連リンク
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