このページの本文へ移動
  1. ホーム >
  2. プレスリリース >
  3. 中国の蘇州同済ブロックチェーン研究院と富士通研究開発中心有限公司がブロックチェーンシステムの解析技術に関する共同研究を開始

PRESS RELEASE (技術)

2019年11月6日
株式会社富士通研究所

(本資料は、富士通研究開発中心有限公司が発行したプレスリリースの抄訳です。)

中国の蘇州同済ブロックチェーン研究院と富士通研究開発中心有限公司が
ブロックチェーンシステムの解析技術に関する共同研究を開始

中国の蘇州同済ブロックチェーン研究院(注1)(以下、STBC)と富士通研究開発中心有限公司(注2)(以下、FRDC)は、ブロックチェーンにおけるトランザクションデータを解析する技術の共同研究を本日より開始します。

ブロックチェーンでは、すべての取引の内容がトランザクションデータとして蓄積されていくため、ある事象に関する取引に対して解析・検索することが難しい課題があります。今回、FRDCで開発したブロックチェーンのトランザクションデータを解析する技術を、STBCが独自開発したブロックチェーンプラットフォーム WuTong Chain(ウートン チェイン)(注3)に実装し、WuTong Chainの既存および新規利用企業に11月6日より試用サービスとして提供します。これにより、両者は実際の利用環境における本技術の有効性を共同研究で確認します。

蘇州同済ブロックチェーン研究院(STBC)について

STBCは、ブロックチェーンの技術および応用利用の研究開発、人材育成、評価サービス、企業インキュベーションなどの総合的サービスの提供を目的に、中国トップ大学の一つである同済大学と、蘇州市政府が共同で設立した機関です。2018年3月に、ブロックチェーンプラットフォームWuTong Chainを発表し、すでに物流追跡、サプライチェーン金融、司法証拠保全などの用途で中国企業に利用されています。

背景と課題

ブロックチェーンは、データ改ざんが難しいシステムとして、金融のほか、IoT、医療、新エネルギー、保険、サプライチェーンなどの多様な取引において適用が検討されています。ブロックチェーンでは、取引の発生した日時や取引相手、取引内容などがトランザクションと呼ばれるデータとしてブロックの方式で分散された台帳に記録されますが、ブロックの連鎖は取引の順序と無関係なため、調べたい取引の一連の経緯を把握、検索するのに時間を要しました。

このような課題に対して、FRDCでは、ブロックチェーンの台帳におけるトランザクションデータを効率的に可視化、検索できるデータ解析技術の研究開発を進めてきました。

共同研究の概要

このたびSTBCとFRDCは、物流サービス、サプライチェーン金融、司法証拠保全などでブロックチェーンの実利用が進む中国において、さらなる利用分野の拡大のため、ブロックチェーンでのデータ解析技術に関する共同研究を開始しました。

本共同研究では、FRDCが開発したブロックチェーンのトランザクションデータ解析技術に基づく分析・可視化機能を、STBCが開発したWuTong Chainへ実装し、2019年11月6日から2020年6月までの期間、既存および新規のブロックチェーン利用企業に試用サービスとして提供します。これにより、両者は、実際に使われているブロックチェーン環境で、台帳のトランザクション検索が可能な今回の機能と、元々のブロックチェーンの特長であるデータ改ざん防止の機能が両立し、ブロックチェーンのさらなる利便性を追求することについて有用性を検証します(図1)。

  1. 期間

    2019年11月6日から2020年6月

  2. 役割分担

    蘇州同済ブロックチェーン研究院

    FRDCが開発したブロックチェーンのトランザクションデータ解析技術が実装されたWuTong Chainを、既存および新規のブロックチェーン利用企業に試用サービスとして提供。

    富士通研究開発中心有限公司

    ブロックチェーンのトランザクションデータ解析技術のWuTong Chainへの実装、およびWuTong Chainの台帳のトランザクションデータ解析技術の向上、各用途におけるブロックチェーンの実利用から得られたユーザーニーズに対する技術開発と改善。

図1 共同研究のイメージ
図1 共同研究のイメージ
拡大イメージ

今後

両者は共同研究を通じて、ブロックチェーンのデータの検索性の向上を実現し、より利便性の高いブロックチェーン技術の展開と適応や、より広い分野でのブロックチェーン連携を促進していきます。FRDCは、株式会社富士通研究所(注4)と連携して、本共同研究を通じて得られる実際の企業利用に基づく確かな成果を、富士通株式会社がお客様向けに提供するブロックチェーン基盤サービス向けに適用をすすめていきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 蘇州同済ブロックチェーン研究院:
本社 中国江蘇省蘇州市、院長 馬 小峰。
注2 富士通研究開発中心有限公司:
本社 中国北京市、董事長 原 裕貴。
注3 WuTong Chain:
蘇州同済ブロックチェーン研究院が自主設計・開発した高性能ブロックチェーンプラットフォームで、スマートコントラクト、UTXO (Unspent Transaction Output) アカウント体系、中国のSM2/SM3/SM4暗号化アルゴリズムをサポートしている。
注4 株式会社富士通研究所:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 原 裕貴。

本件に関するお問い合わせ

株式会社富士通研究所
ソフトウェア研究所
電話 044-754-2675(直通)
メール labs-bcdev-inquiry@dl.jp.fujitsu.com


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。