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PRESS RELEASE

2019年11月5日
株式会社東京証券取引所
富士通株式会社

東証の株式売買システム「arrowhead」をバージョンアップ

安全・安心なマーケットを目指して

株式会社東京証券取引所(以下、東証)は、富士通株式会社(以下、富士通)の最新の技術を活用し、株式売買システム「arrowhead(アローヘッド)」を4年ぶりに全面刷新して、機能強化と性能改善を図り、11月5日から運用を開始しました。

「arrowhead」は、高性能・高信頼を実現した世界トップレベルの株式売買システムで、様々な最先端技術を結集して、2010年から約10年間、安定的に稼働している大規模ミッションクリティカルシステムです。

この度バージョンアップした「arrowhead」は、売買制度の見直しによる株価急変動の抑止や、終値での約定成立機会の向上、システム性能の安定化など、市場利用者の皆様がより安心して取引できる市場を実現しました。

1. 新「arrowhead」の概要

新しい「arrowhead」は、高速性と高信頼性を両立した現行システムをベースに、より利便性の高いシステムとしてバージョンアップしました。環境変化やユーザーニーズに適応するため売買制度の改善や取引サービスの向上を図り、市場機能の強化を実現しています。

  1. 大引けで約定しないケースを低減

    大引け(後場の最後の売買)に限り、更新値幅(注1)を2倍に拡大します。これにより、売買ニーズが高い引けにおいて、終値での約定が成立しやすくなります。

  2. 急激な株価変動の抑止

    東証では、急激に株価が変動することを抑止する仕組みの一つとして、連続約定気配という制度を導入しています。制度導入時は、大口の1注文により連続的に約定が発生する場合に、価格の急変動を周知することを目的として連続約定気配を表示し、反対注文を呼び込むというものでしたが、マーケットの動向を踏まえ、2015年9月には小口の注文が多数到来して連続的に約定が発生する場合にも表示するように改良しました。

    更に今回は、基点となる約定から一定の時間(60秒)が経過するまでの間については、一定の値幅(気配の更新値幅の2倍)を超過して値動きしないよう改良します。

  3. 処理能力の向上

    取引参加者からの注文集中時や注文件数急増時にも安定的に処理できるよう、システム処理能力を向上します。特に、新しい「arrowhead」では、注文集中時の処理性能の振れ幅を抑えることで、安定的に取引できる環境を提供します。

    表:処理性能の現新比較
    処理能力 従来システム 新システム
    注文応答時間 0.3ミリ秒 0.2ミリ秒
    情報配信時間 1.0ミリ秒 0.5ミリ秒

    ミリ秒=1000分の1秒

  4. テスト環境の強化

    取引参加者や「arrowhead」と接続する取引システムの開発者が、東証のテスト環境で機能確認できる機会を増やすため、これまで限られた日程で行っていたテストを、全営業日の早朝と夜間の時間帯にもテストできる環境を新たに提供します。これにより、市場全体の安全性と利便性向上に寄与します。

2. 「arrowhead」を支える高信頼技術とサポート

全面刷新した「arrowhead」は、富士通の高信頼・高性能サーバ並びに新たな高信頼化・高速化技術を組み入れたミドルウェアなどの最新製品と、長年のシステム構築実績によるエンジニアのノウハウや技術力といった総力を結集して、信頼性と処理性能の向上を行っています。

  1. 高信頼・高性能な最新製品

    新「arrowhead」は、富士通の最新の高性能・高信頼PCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY RX2540 M4」400台で構成しています。

    高速インメモリデータ管理ソフトウェア「FUJITSU Software Primesoft Server」は、処理に必要な全てのデータをメモリ上に配置するため、ナノ秒(注2)レベルの超高速データアクセスが可能で、高いレスポンス性能とスループット性能を実現しています。また、メモリ上に配置したデータを、三重化された待機側サーバへ常時ミラーリングさせることでデータの保全性を確保し、障害時は秒オーダでサーバ切替えが可能です。さらに今回、データを一括処理する機能など、処理効率を高める機能を新たに提供しています。

    バージョンアップした「arrowhead」では、これらの新機能も活用して、高信頼・高性能を保ちながら、注文集中時の性能を安定化させています。

  2. 安定的な市場運営を支える運用・サポート

    今回のバージョンアップでは、長年にわたる富士通のミッションクリティカルシステムでの開発・運用経験及び最先端の技術研究力を活かし、東証と富士通共同でFPGA(注3)技術の適用を研究し、「超高速発注テストツール」を開発しました。このツールにより、実マーケットの水準を大幅に上回るシステム負荷を掛けたテストを東証が繰り返し実行できるようになり、「arrowhead」の信頼性向上に寄与しています。

    長年のミッションクリティカルシステムのノウハウと技術力を持つ富士通のシステムエンジニアや製品開発・サポート担当者などが一丸となり、高度な運用・サポートサービスを提供することで、安定的な市場運営を支援していきます。

東証及び富士通は、新しい「arrowhead」の稼働を契機に、今後も幅広い市場利用者の利便性向上を図り、現物マーケットの一層の発展に努めます。

以上

注釈

注1 更新値幅:
直前の価格と比較して、即時に次の売買を成立できる価格までの値幅のこと。急激な価格変動を抑止するために定められており、この値幅を超過して即時に約定することはできない。
注2 ナノ秒:
10億分の1秒
注3 FPGA:
Field-Programmable Gate Array の略で、論理回路をプログラム可能な半導体チップのこと。単純な処理プログラムを得意とし、CPUに比べて非常に高速かつ大量の演算が可能。IoT等リアルタイム性が求められる技術分野で利用が広がっている。

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本件に関するお問い合わせ

株式会社東京証券取引所
IT開発部トレーディングシステム担当
電話 03-3666-0141

富士通コンタクトライン(総合窓口)
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・富士通指定の休業日を除く)


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