PRESS RELEASE
2018年4月18日
富士通株式会社
「Fujitsu Technology and Service Vision 2018」を策定
ビジネスや社会の成功を実現する、共創のアプローチを提言
当社は「Fujitsu Technology and Service Vision」の2018年度版を策定し、4月18日に発行します。
デジタル技術を活用した共創は、実証の段階から本格的にその成果を刈り取る段階に入っています。今年度のテーマを「Co-creation for Success」(共創による成功の実現)とし、ものづくりの効率化や、流通での顧客体験の革新、金融サービスの変革など、当社とお客様で取り組む数多くの共創プロジェクトにおいての成功事例などから、デジタル革新の成功要因やデータから価値を生み出すアプローチ、AIなどの先端技術の方向性、さらにIoT・AI時代の新しいビジネスや社会のモデルについて提言しています。
今日、IoTやAI、ブロックチェーンなどのデジタル技術がビジネスや人々の生活に大きな影響を与え、デジタル革新による産業の構造変化が進行しつつありますが、実際のデジタル革新は容易ではなく、企業は数多くの課題に直面しています。その課題を解決するため、デジタル時代のビジネスリーダーには、ビジョンの構想や業界を超えたエコシステムの構築を行いつつ、様々なデータから価値を生み出す取り組みを推進するリーダーシップが求められています。
「Fujitsu Technology and Service Vision」は、2013年4月の初版発行以来、毎年改版を重ねてきました。当社ビジョンの中心的な考えは、デジタル技術で人をエンパワーする(力を与える)ことによって、ビジネスや社会の価値を創出することです。当社では、このアプローチを、「ヒューマンセントリック・イノベーション」と呼び、デジタル革新を実現する最も有効な方法と位置付けています。
2018年度版では、以下の3点を提言しています。
- デジタル革新の6つの成功要因-デジタル・マッスル-
企業がデジタル革新を進める動機は一様ではなく、また、デジタル革新は業界ごとに異なるスピードで進行しています。当社は、お客様との共創の成功事例や独自の調査などを通じてデジタル革新の成功要因を分析しました。その結果、デジタル革新を通してビジネスの成果を達成した企業は、「トップのリーダーシップ」「デジタル革新に必要なスキルを持つ人材の確保」「組織の俊敏性」「デジタル技術とビジネスの融合」「パートナー企業とのエコシステム構築」「データからの価値創出」、という6つの項目で高い能力を有していることが分かりました。これは、デジタル革新とは単にデジタル技術を導入するだけではなく、企業全体の変革の過程であることを強く示唆しています。当社は、これら6つの要素をデジタル・マッスルと呼称し、各々の要素を鍛えて共創することが、デジタル革新の成功の鍵となります。
- データから価値を生み出すアプローチとテクノロジー・ブレイクスルー
近年、ディープラーニングなどのAI技術が目覚ましい進歩を遂げていますが、実際にデータからビジネスや社会にインパクトのある成果を生み出すことは容易ではありません。成果を生み出すためには、多様なデータに対して最適なAI技術とビジネスのノウハウを組み合わせることが不可欠です。当社は、AI、IoT、クラウド、セキュリティを中心としたデジタル技術をつないでデータから価値を生み出すプラットフォームとサービスを提供し、お客様との共創を通じて成果を実現していきます。さらに、従来のAIでは答えることができなかった、なぜその結論が導き出されるのかを説明できる世界初の説明可能なAI技術や、従来のコンピュータでは解くことができなかった複雑な組み合わせ最適化問題を解決できる「デジタルアニーラ」などの当社独自の最先端技術を提供し、ビジネスや社会課題の解決に貢献していきます。
- 人とAIが協働する、IoT・AI時代の自律・分散化された社会モデル
現在、デジタル技術の急速な進歩が新たな変化を引き起こしており、今後、人とAIが協働して経験やデータから学習し、継続的にイノベーションを生み出す新しいタイプの企業であるラーニング・エンタープライズ(学習する企業)が生まれると考えています。また、データ活用における業界の垣根を超えた連携が活発化することで、産業構造が垂直統合型から水平的に分散化されたエコシステム型に変化していきます。そしてあらゆるものがつながるIoT・AI時代には、ブロックチェーンや高度なセキュリティ技術がエコシステムにおけるビジネス取引やデータの信頼性を担保する役割を担っていくと期待されます。今後、形成されたエコシステム同士がつながり合うことで、自律的で分散化されたネットワーク社会に進化していくと考えています。当社は、このような持続可能な社会のことを「ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ」と呼び、長年にわたってその実現に取り組んできました。このビジョンは、2015年9月の国連サミットで採択された、2016年から2030年までの国際目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」の方向性と一致しており、当社はビジョンの実現を通じてSDGsの達成に貢献していきます。
当社は今後も、最新のデジタル技術の活用で培った知見とこれまでの幅広い業種のお客様のシステム構築・運用の実績などを活かし、デジタル革新の共創を実現するビジネス・パートナーを目指します。
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以上
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