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PRESS RELEASE

2018年1月15日
信濃毎日新聞株式会社
富士通株式会社

信濃毎日新聞社と富士通、
多様なメディア配信に活用可能なAIによる自動記事要約システムを実現

信濃毎日新聞株式会社(本社:長野県長野市、代表取締役社長:小坂 壮太郎、以下 信濃毎日新聞社)と、富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:田中 達也、以下 富士通)は、富士通のAI(人工知能)技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を活用した記事要約の実証実験を行い、多様なメディア配信に活用できる自動記事要約システムを実現しました。

信濃毎日新聞社は本システムをCATV向けのニュース配信サービスに導入し、2018年4月より本格的な運用を開始します。これにより、CATV向けニュース配信サービスの運用の迅速化を実現します。

本システムは、株式会社富士通研究所(注1)が開発した、自然言語処理技術と機械学習を組み合わせた自動要約技術を活用したものです。実証実験では、1件の記事あたり人手で最大約5分かけて行っていた要約作業を瞬時に自動実行するとともに、既存の要約技術であるLEAD法(注2)よりも人手に近い高精度な要約が可能であることを実証しました。

富士通は、本システムを信濃毎日新聞社の現在のワークフローを変更することなく容易に適用できるWeb API(注3)として提供します。

背景

近年、新聞社がニュース配信するメディアは紙媒体にとどまらず、WebニュースやSNSなど多様化が進んでいます。配信するメディアごとに文字数の制限が異なるため、新聞社は、その文字数に合わせて記事を要約する必要があります。その作業は従来人手で行われてきたため、作業効率の向上やコストの削減が困難でした。

そのような中、信濃毎日新聞社はCATV向けニュース配信サービスにおける業務効率の改善に向け、富士通と共同でAIを活用した自動記事要約システムの実証実験を実施しました。実証の結果、人手で行った場合と同等の高い精度の要約記事を瞬時に作成できることを確認できたため、信濃毎日新聞社はこのたび、本システムを実際の業務に導入することを決定しました。

実証実験で作成した要約モデルの連携イメージ

自動記事要約システムの概要

信濃毎日新聞社の過去記事と、それらを人手で要約した記事をセットにした合計約2,500セットの記事を自然言語処理および機械学習させることでモデル化し、CATV向けニュース配信サービスに最適化された要約記事を自動作成できる自動記事要約システムを構築しました。本システムを利用して記事を自動要約することにより、人手では記事1件当たり最大約5分かかっていた要約を瞬時に行うことが可能になります。また、従来の自動要約手法であるLEAD法では、文字数制限に応じて文章の先頭から機械的に抜粋して要約記事を作成するのに対し、本システムでは記事先頭以外からも重要文を抽出して要約を行うため、人手と同じように精度の高い要約記事を作成することができます。本システム完成後、過去に配信された一般社団法人共同通信社(注4)の「ニュースパック」(注5)を要約したところ、同様の結果を得ることができました。

また、本システムはWeb APIで実現するため、従来のCATV向けニュース配信サービスのワークフローに影響を及ぼすことなく、容易に業務適用することができます。

記事先頭以外からも重要文を抽出して自動要約をした例
記事先頭以外からも重要文を抽出して自動要約をした例
拡大イメージ

期待される導入効果

信濃毎日新聞社のCATV向けニュース配信サービスでは、これまで「配信記事の選定」、「メディア編集システムへの送信」、「記事要約」、「見出し作成」、「校閲」の5つのプロセスで実施してきました。最も時間を要するプロセスが「記事要約」で、1件あたり3分から5分を費やしています。自動記事要約システムを適用することにより、このプロセスが不要になるため、全体プロセスの約5割程度の時間短縮が期待でき、同サービスの運用の迅速化を実現します。

今後の展開

富士通は今後、CATV向けニュース配信だけではなく、電光掲示板ニュースやSNSなど、文字数制限の異なるメディアごとに最適化された要約モデルを構築し、多様なメディアに対応可能な自動記事要約システムの製品化を進めます。また、メディアだけでなく様々な業種でも容易に活用可能にするため、汎用性の高いAI機能をAPIとして提供するサービス「FUJITSU Cloud Service K5 Zinraiプラットフォームサービス」の一部として提供することを目指します。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 株式会社富士通研究所:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐々木 繁
注2 LEAD法:
先頭から順に文字数制限の範囲内で文を抽出する方法。
注3 Web API:
Web Application Programming Interfaceの略。Webサイトなどの開発を効率的に行うための技術。
注4 一般社団法人共同通信社:
本社 東京都港区、社長 福山 正喜
注5 ニュースパック:
共同通信社が加盟社などに提供する、デジタル向けニュース配信サービス。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

信濃毎日新聞株式会社
技術局
電話 026-236-3188

富士通コンタクトライン(総合窓口)
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・当社指定の休業日を除く)


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