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PRESS RELEASE (お知らせ)

2017年4月11日
富士通株式会社
富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
株式会社富士通コンピュータテクノロジーズ

「平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」にて「科学技術賞」を3件受賞

文部科学省が主催する「平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」において、富士通株式会社(注1)(以下、富士通)は「超並列計算機のためのプロセッサの高次元接続技術の開発」で、富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社(注2)(以下、富士通オプティカルコンポーネンツ)と富士通は「高速100Gビット光通信モジュールの開発」で、科学技術賞 開発部門を受賞しました。

また、株式会社富士通コンピュータテクノロジーズ(注3)(以下、富士通コンピュータテクノロジーズ)、公立大学法人岩手県立大学(注4)(以下、岩手県立大学)、独立行政法人国立高等専門学校機構一関工業高等専門学校(注5)(以下、一関工業高等専門学校)は、「ロボット製作体験による子供たちのロボット科学への理解増進」において、科学技術賞 理解増進部門を受賞しました。

文部科学省では、科学技術に関する研究開発、理解増進などにおいて顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的とする科学技術分野の文部科学大臣表彰を定めています。

受賞者および受賞技術

  1. 科学技術賞 開発部門

    本部門は、我が国の社会、経済、国民生活の発展向上などに寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発、もしくは、発明を行った者を対象としています。表彰式は、2017年4月19日(水曜日)に文部科学省にて行われます。

    (1)案件名:「超並列計算機のためのプロセッサの高次元接続技術の開発」

    • 受賞者:
      安島 雄一郎 (富士通 次世代テクニカルコンピューティング開発本部 システム開発統括部 シニアアーキテクト)
      井上 智宏 (富士通 アドバンストシステム開発本部 プロセッサ開発統括部 第一開発部 マネージャー)
      平本 新哉 (富士通 アドバンストシステム開発本部 プロセッサ開発統括部 第一開発部)
    • 概要:

      従来の1万ノード級の超並列計算機では、計算を行うノードに故障が発生した場合、故障したノードを隔離してシステムの運用を維持します。故障したノードを隔離する方法として、従来はあらかじめメッシュ(ノード間の接続方法の一種)上で区画をいくつかのノードごとに定め、その区画ごとに隔離できるように区画化スイッチで区画間を接続する方法が採られています。しかし、区画化スイッチの数を増やすとコストが増加し、減らすと可用性が低下するという課題がありました。

      本開発では、区画化スイッチを用いないノード間の高次元接続技術による10万ノード級の接続を実現しました。これにより、故障したノードを迂回するように経路制御を行い、並列実行を縮小せずに、システム稼働率を高く維持することを可能にしました。

      本開発により、スーパーコンピュータ「京(けい)」(以下、「京」)(注6)は88,128ノードの接続を実現し、2011年の「Top500」において2期連続で世界最高性能を達成しました。また、90%超の高いシステム稼働率を実現しながら、柔軟な区画化機能により多様な並列計算プログラムを同時に実行し、若手利用枠、産業利用枠を含む幅広い利用者を受け入れています。

      本開発の成果は、「京」だけでなく、富士通の商用スーパーコンピュータ「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10」および「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX100」にも適用しています。さらに現在、文部科学省の「フラッグシップ2020プロジェクト」(注7)で開発中の「ポスト『京』」にも適用される見通しであり、大規模数値シミュレーションを実現する基盤技術として最先端の科学研究、技術開発に寄与しています。

    (2)案件名:「高速100Gビット光通信モジュールの開発」

    • 受賞者:
      古川 博之 (富士通オプティカルコンポーネンツ 製造統括部 製造技術部 部長)
      小林 泰山 (富士通 テクノロジ&ものづくり事業本部 スマートものづくりプラットフォーム開発室 シニアマネージャー兼 共通生産技術センター システム技術部 シニアマネージャー)
      山根 隆志 (富士通オプティカルコンポーネンツ 営業統括部 統括部長代理 兼 オプティカルコンポーネンツ事業部 事業部長付)
      久保田 嘉伸 (富士通オプティカルコンポーネンツ オプティカルコンポーネンツ事業部 第二商品部 担当部長)
      岩本 昌煕 (富士通オプティカルコンポーネンツ 製造統括部 製造部 担当課長)
    • 概要:

      近年、スマートデバイスやクラウドサービスなどの普及による通信トラフィックの増大により、光通信ネットワーク網の大容量化のニーズが高まっています。大容量伝送には、100Gデジタルコヒーレント方式が有効ですが、それを実現するにあたって、光通信モジュールに多数の機能集積が求められ、機器の構造が非常に複雑となるため、より小型で安価に大量生産を行うことが課題でした。

      今回、富士通オプティカルコンポーネンツと富士通は、光素子をPLC(Planar Lightwave Circuit)上に直接実装し、最短のワイヤボンディング長で電気的に結合することにより、高速特性と量産化を同時に実現できる光素子直接実装技術を開発しました。また、機械学習(注8)による信頼性の高い画像認識技術と効率的な予測調芯技術による、高精度な高速組立を実現した自動組立技術を開発しました。

      これらの技術により、100Gビット光ネットワークを構築する上でキーコンポーネントとなる、100Gビットデジタルコヒーレント方式に対応した光変調信号を復調する受信デバイスや、光変調信号を作り出す送信デバイス、それらを搭載したコヒーレント光トランシーバーなどを世界最高水準の性能で量産化することに成功しました。

      両社は、本光通信モジュールを世界中のシステムプロバイダーへ供給することにより、世界的な100Gビット光ネットワーク市場の拡大とデジタル社会の発展を支えています。また、増加し続ける通信トラフィックに対応するため、現在100Gビット超の光通信モジュールの開発に取り組んでいます。

  2. 科学技術賞 理解増進部門

    本部門は、青少年をはじめ広く国民の科学技術に関する関心及び理解の増進などに寄与し、または地域において科学技術に関する知識の普及啓発などに寄与する活動を行った個人またはグループを対象としています。

    (1)案件名:「ロボット製作体験による子供たちのロボット科学への理解増進」

    • 受賞者:
      江口 かおる (富士通コンピュータテクノロジーズ 人材開発室)
      新井 義和 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 准教授)
      秋田 敏宏 (一関工業高等専門学校 未来創造工学科 電気・電子系 准教授)
    • 概要:

      富士通コンピュータテクノロジーズと岩手県立大学、一関工業高等専門学校は、子供の理数離れを食い止め、科学や技術への興味を喚起するためには、私たちの身近にあり、ブラックボックス化が進むデジタル機器の基礎となる技術への理解増進が有効との考えから、「家族ロボット教室」を考案し、岩手県にて2011年12月から年10回のペースで継続して実施してきました。

      デジタル機器の基礎となる技術への子供の理解増進を図るとともに、子供だけでなく家族で参加できる教室とすることで、大人も含めた東日本大震災からの復興意欲向上にも貢献しました。

      岩手県の協力の下、開催場所の選定や参加者の募集を行い、教室の講師・サポーターとして岩手県立大学や一関工業高等専門学校の教師・学生に参加を募るなど、産学官連携により実施しました。

      2017年3月31日時点で、教室開催52回、参加家族1,072組、2,159名を数え、多くの子供達にロボット科学への理解増進の機会を提供し、科学技術に関する関心および理解増進に寄与しました。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 富士通株式会社:
本社 東京都港区、代表取締役社長 田中達也
注2 富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 國兼達郎
注3 株式会社富士通コンピュータテクノロジーズ:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 福元芳朗
注4 公立大学法人岩手県立大学:
所在地 岩手県滝沢市、学長 鈴木厚人
注5 独立行政法人国立高等専門学校機構一関工業高等専門学校:
所在地 岩手県一関市、校長 柴田尚志
注6 スーパーコンピュータ「京(けい)」:
文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」プログラムの中核システムとして、理研と富士通が共同で開発を行い、2012年9月に共用を開始した計算速度10ペタフロップス級のスーパーコンピュータ。
注7 フラグシップ2020プロジェクト:
2020年頃をターゲットとし、幅広いアプリケーションを高い実効性能で利用できる世界最高水準のスーパーコンピュータと、我が国が直面する課題の解決に資するアプリケーションを協調的に開発する文部科学省のプロジェクト。
注8 機械学習:
機械(コンピュータ)に様々なことを学習させるための方法論であり、あるタスクに対して人間が手順を事細かにプログラムするのではなく、ビッグデータからコンピュータ自身がどうすべきかを学習していくためのアルゴリズム。

関連リンク

富士通オプティカルコンポーネンツ プレスリリース

本件に関するお問い合わせ

「超並列計算機のためのプロセッサの高次元接続技術の開発」について
富士通株式会社
法務・コンプライアンス・知的財産本部 知的財産戦略統括部
電話 044-754-3050(直通)

「高速100Gビット光通信モジュールの開発」について
富士通株式会社
法務・コンプライアンス・知的財産本部 R&D情報統括部
電話 044-754-3049(直通)
メール contact-jusho@cs.jp.fujitsu.com

富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
マーケティング部
電話 044-754-3135(直通)
メール foc-contact-pr@dl.jp.fujitsu.com

「ロボット製作体験による子供たちのロボット科学への理解増進」について
株式会社富士通コンピュータテクノロジーズ
人材開発室
電話 044-874-2014 (直通)
メール fct-KRK-contact@dl.jp.fujitsu.com


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。