PRESS RELEASE (環境)
2017年3月3日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所
「第26回地球環境大賞」の大賞を受賞
世界最小・最高効率のACアダプターを開発
当社はこのたび、フジサンケイグループが主催する「第26回地球環境大賞」の大賞を受賞しました。
これは、株式会社富士通研究所(注1)(以下、富士通研究所)による窒化ガリウム(GaN)(注2)高電子移動度トランジスタ(HEMT)(注3)(以下、GaN-HEMT)を使用した小型で高効率なACアダプターの開発が高く評価されたものです。
当社グループは、事業を通じた社会への貢献を目指し、エネルギー効率の高い製品開発を目標として、情報通信機器に使用される電源用パワーデバイスの省エネ化にも取り組んできました。その中で富士通研究所は、GaN-HEMTを使用した世界最小・最高効率となるACアダプターを2015年に開発しました。このACアダプターは、モバイル機器充電時の無駄な消費電力の5割以上を削減でき、従来の3分の1の時間で急速充電ができます。今後、このACアダプター技術を広く適用し、環境負荷低減に貢献していきます。
地球環境大賞について
フジサンケイグループが主催する「地球環境大賞」は、産業の発展と地球環境との共生を目指し、温暖化の防止や環境保全活動に取り組む企業や団体などを顕彰するための制度です。
GaN-HEMTを活用した世界最小・最高効率のACアダプターについて
富士通研究所は、2015年にスイッチ素子に動作抵抗の小さいGaN-HEMTを使用した小型で高効率なACアダプターを世界で初めて開発しました。従来発生していた高速動作の際の損失電流を抑制するため、開発時、新たな技術として、交流から直流への変換においてスイッチングのタイミングを正確に制御する回路を導入しました。GaN-HEMTの持つ低い動作抵抗を活かすことで、小型化・高効率化を実現しています。これにより、モバイル機器充電時の無駄な消費電力を5割以上削減でき、従来の3分の1の時間での急速充電が可能となりました。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 株式会社富士通研究所:
- 本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐々木 繁。
- 注2 窒化ガリウム(GaN):
- ワイドバンドギャップ半導体で、シリコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)など従来の半導体材料に比べてより高い電圧で動作可能。
- 注3 高電子移動度トランジスタ(HEMT):
- High Electron Mobility Transistor。バンドギャップの異なる半導体の接合部にある電子が、通常の半導体内に比べて高速で移動することを利用した電界効果型トランジスタ。1980年に富士通株式会社が世界に先駆けて開発し、現在、衛星放送用受信機や携帯電話機、GPSを利用したナビゲーションシステム、広帯域無線アクセスシステムなど、IT社会を支える基盤技術として広く利用。
関連リンク
- 世界最小・最高効率の12ワット出力ACアダプターを開発(2015年12月9日プレスリリース)
- 地球環境大賞紹介サイト
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