PRESS RELEASE
2017年3月10日
富士通株式会社
「第49回(平成28年度)市村産業賞」の「功績賞」を受賞
当社は、公益財団法人 新技術開発財団が主催する「第49回市村産業賞」において「超高性能かつ超高信頼なオンライン基幹システムの基盤技術開発」により「功績賞」を受賞しました。
近年、ビジネスモデルの革新やハードウェア製品の性能向上によるデータ処理量の増加に伴い、社会活動の根幹を支えるミッションクリティカルシステム(注1)において、大量データの超高速処理と高い信頼性の両立がこれまで以上に求められています。今回の受賞技術は、それらを実現する新たな基盤技術の開発・実用化と、その後の継続的な開発が日本経済に貢献したことが評価されました。
受賞者および受賞技術
[市村産業賞 功績賞 受賞者]
本賞は、優れた国産技術を開発することで、産業分野の発展に貢献・功績のあった技術開発者またはグループを対象としています。なお、贈呈式は、2017年4月26日(水曜日)に帝国ホテル(東京都千代田区)にて行われます。
受賞者 :技術開発者 | ||
山本 昌司 | (富士通株式会社 プラットフォームソフトウェア事業本部 第一プラットフォームソフトウェア事業部 第四開発部 部長) | |
飯野 健二 | (富士通株式会社 プラットフォームソフトウェア事業本部 第一プラットフォームソフトウェア事業部 第四開発部 シニアアーキテクト) | |
田中 環 | (富士通株式会社 プラットフォームソフトウェア事業本部 第一プラットフォームソフトウェア事業部 第四開発部 マネージャー) | |
件名 :「超高性能かつ超高信頼なオンライン基幹システムの基盤技術開発」 |
[受賞技術]
当社は、証券取引や銀行業務といった社会活動を支えるオンライン基幹システムにおいて、以下の技術の開発に成功し、超高性能と超高信頼を両立したインメモリ型のオンライン基幹システムの基盤技術を開発、実用化しました。
- 階層通信制御技術
独自ネットワークプロトコルを開発し、汎用プロトコルを超える高速通信を実現しました。また、サーバ間の通信経路の冗長化により、単一ネットワークの障害時における業務中断時間ゼロの高信頼なネットワークの両立を実現。
- サーバ間データ同期技術
DRAM(注2)を用いたインメモリによる高速なデータ処理を実現するとともに、独自のサーバ間データ同期技術を開発したことで、複数サーバ間での同一データ共有を可能にし、データ不揮発化を実現。
- 統合調停技術
PCサーバで構成されたシステムにおいて、複数の異常を統合的に制御する異常検知機構および自律判断機構、切替え機構を開発し、専用サーバを用いずに業務停止ゼロの信頼性を実現。
当社は本技術を継続的に発展させ、金融業界を中心とした重要な社会システムを支えることで日本経済に貢献しています。
一例として、2010年から稼働している株式会社東京証券取引所(注3)の株式売買システム「arrowhead」は本技術を適用しており、2015年にさらなる高速化・高信頼化を図るなど継続的な強化を行い、稼働以降の全面取引停止ゼロ、代金ベースで1日平均約2.5兆円の売買、1日最大3.2億件の取引キャパシティを達成しています。このように、本技術は世界トップレベルの高速・高信頼のオンライン基幹システムの安定稼働を支えています。
なお当社は、本技術を搭載した高速・高信頼オンライン基幹システム向けデータ管理ソフトウェア「FUJITSU Software Primesoft Server(フジツウ ソフトウェア プライムソフト サーバ)」を2010年より販売しています。
当社は今後、本技術の日本国内での適用実績をもとに、海外展開や、大量データの安定処理が求められるIoTシステム基盤への適用など、世界のミッションクリティカルシステムを支える基盤技術として、業種を超えてグローバルに普及させていくことを目指します。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 ミッションクリティカルシステム:
- 障害の発生による中断や停止が社会に多大な影響を及ぼすシステム
- 注2 DRAM(Dynamic Random Access Memory):
- コンピュータに使用される揮発性の半導体メモリの一種。
- 注3 株式会社東京証券取引所:
- 本社 東京都中央区、代表取締役社長 宮原幸一郎
関連リンク
- 東証の株式売買システム「arrowhead」をリニューアル(2015年9月24日プレスリリース)
- 世界最高水準!次世代株式売買システム「arrowhead」を稼働(2010年1月4日プレスリリース)
- 高速インメモリデータ管理ソフトウェア「FUJITSU Software Primesoft Server」製品紹介サイト
本件に関するお問い合わせ
富士通コンタクトライン(総合窓口)
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