PRESS RELEASE
2016年3月29日
富士通株式会社
エースコック株式会社
Fujitsu Vietnam Limited
Acecook Vietnam JSC
富士通とエースコック、ベトナムでの物流を改革し現地ビジネスの改善に向けて協業
富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:田中達也、以下 富士通)と、エースコック株式会社(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:村岡寛、以下 エースコック)は、このたび、ベトナムに進出している日系企業が現地で品質の高い物流を共同利用できる共同物流情報システムの構築に向けて、取り組みを実施することで合意しました。
まず、共同利用の前に、両社それぞれのベトナム子会社である、Fujitsu Vietnam Limited (本社:ベトナム ハノイ市 、代表取締役社長:工藤成、以下 FVL)によるシステム運用のもと、現地で即席麺の売上シェア1位を誇るAcecook Vietnam JSC(本社:ベトナム ホーチミン市、代表取締役社長:梶原潤一、以下 ACV)の物流における試行を6月より開始し、本システムの有効性を検証したのち、2017年3月の本稼働を目指します。
従来、ベトナムの日系企業は、物流に関して現地企業に一任する以外手段がなく、自ら率先した改善の取り組みが難しい状況です。今回、ベトナムでの物流において、契約した現地の物流業者から車両設備や運行記録などのデータを収集する仕組みを構築し、共同物流情報システムで効率的な配車計画や作業進捗状況の把握などを行い、車両の積載率や実車率の向上、物流コストの削減を目指します。また、FVLとACVは、日系企業に対して本システムの共同利用を募るほか、富士通とエースコックはミャンマーなど他のASEAN諸国においても本システムの有効性を検証し、ASEAN地域の物流改善を支援していきます。
図1. ベトナムでの共同物流による運送効率化イメージ
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背景
ベトナムを始めとするASEAN地域では経済の成長市場として注目されるにつれ、同地への進出を検討する日本企業は増加していますが、現在、物流に関しては現地企業に一任する状況です。ベトナムの物流業者は、配車計画や物流に関するデータ管理など、ほぼすべてを手作業で行っており、日系企業は配送実績の結果を受けるのみで、自ら率先した改善の取り組みが行えない状況です。
ベトナムで即席麺の売上シェア1位を誇るACVでは、年間約30億食の即席麺を、ベトナム全土にある7つの拠点から毎日約400~500台の車両で配送しています。そのため、これらの大量の商品を、少ない車両で効率的に運ぶための計画の作成や、車両の位置や作業進捗状況などの運送状況をリアルタイムに把握し適切な指示をすることが可能になれば、コスト削減や物流品質の向上につながると期待されてきました。
今回、これらの課題に対応するため、富士通とエースコックは、ベトナムでの低コストかつ高品質な物流の実現に向けて、共同物流情報システムを構築することで合意しました。
両社の役割
富士通は、1990年代より物流の現場支援を中心としたシステムを提供し、これまで約550社に導入してきました。現在では、物流現場にて発生する様々なデータを収集・分析することで、お客様の物流最適化を支援しています。今回、富士通の物流業務ソリューション「FUJITSU ロジスティクスソリューション Logifit(ロジフィット)」シリーズをベースとした共同物流情報システムを構築し、FVLで現地のシステム運用を行います。
ACVは、富士通が構築する共同物流情報システムの開発に協力し、ベトナム ホーチミン市での試行評価を行うために、2016年6月より試行運用を開始します。これにより、ACVの商品配送における効率的な配車計画作成や、作業進捗状況の把握、物流コストのコントロールや確認などを行い、車両の積載率や実車率の向上、物流コストの削減を実現していきます。
本システムの実用性が確認された後、FVLとACVは、ベトナムの日系企業に本システムの利用を募り、本システムを共同で提供していきます。
共同物流情報システムの概要
1.物流品質の向上
本システムでは、出荷指図内容、運送先からの依頼、道路情報といったデータから、積載条件や納品条件を順守した最適ルートを判断し、車両の積載率や実車率を向上させる最適な配車計画を自動立案します。また、本システム用にドライバーに配付するスマートフォンから、位置情報や運送状況に関する情報がアップデートされることで、ACV側でリアルタイムな進捗状況を把握することができ、そのつど最適な運送指示を実施できます。これにより、適切な配車計画にもとづく効率的な運送と、納品時間の正確性や納品ミスの削減など物流品質の向上を実現します。
2. 物流コストの削減
従来ベトナムにおいて、各工場や拠点単位で実施していた車両の手配を本システムにより集中化することで、往復で積載率や実車率を高める計画を作成でき、無駄な車両の手配がなくなるなど、物流コストの削減が期待できます。
図2. 共同物流情報システム概要
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今後
FVLとACVは、本システムの有効性を検証し、2017年3月からの段階的運用を目指します。
ACVが有する膨大な物量をベースとして開発される共同物流情報システムの構築は、ACVの物流の高度化やコスト低減を実現すると同時に、ベトナムに進出している他の日系企業の課題解消に貢献できるものとして、本システムの共同利用を広く募ることで、ベトナムの物流事情や交通事情の改善の一助となることを目指していきます。
また、富士通とエースコックは、同時にミャンマーなど、他のASEAN諸国についても本システムの有効性を検証していきます。
商標について
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以上
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