PRESS RELEASE
2016年3月23日
富士通株式会社
光伝送システム「1FINITY」シリーズのラインアップを大幅拡充
ディスアグリゲーション構成を採用し、各機能をブレードとして提供
当社は、ディスアグリゲーション構成(注1)を採用した次世代グローバル光伝送システム「FUJITSU Network 1FINITY(ワンフィニティ、以下、1FINITY)」シリーズのラインアップを4ファミリに拡充し、光伝送ネットワークの構築に必要となるトランスポート、WDM、スイッチ、アクセスの各機能をそれぞれブレード(注2)として提供します。北米市場を皮切りに2016年度第1四半期(4-6月期)から販売を開始し、順次グローバルに展開します。
お客様は「1FINITY」シリーズを採用することで、ネットワークの構築にあたり、初期投資を抑えながら需要の増加に合わせて段階的に拡大していくことが可能です。トランスポート機能を提供する「トランスポートファミリ」の「T200」では、最新のコヒーレントDSP(注3)を搭載し、世界最高水準となる超高速(最大400Gbps)・超長距離(10,000km以上)の光伝送を実現します。
当社は本製品を、通信事業者に加えデータセンターオペレーターのお客様などにもグローバルに幅広く提供し、今後見込まれるIoTの普及や画像データの増加によるデータトラフィック増大に対応する、より充実したネットワークインフラの拡大に貢献していきます。
背景
これまで光伝送システム市場では、ネットワークインフラの効率的な整備や運用を図るため、光伝送ネットワークに関連した各機能を1台に集約するオールインワン化が進められてきました。しかし近年は、国内外におけるネットワークサービスの急速な変化に、投資の最適化を図りながらいち早く対応していくため、機能ごとに分割され、個別に迅速な機能追加や性能改善を図ることが可能なディスアグリゲーション構成を採用した光伝送システムへのニーズが高まっています。
「1FINITY」シリーズの特長
「1FINITY」シリーズは、トランスポート、WDM、スイッチ、アクセスの機能ごとにディスアグリゲーションし、それぞれを1RU(注4)にブレード化した新たな光伝送システムです。
ディスアグリゲーション構成 イメージ図
- ネットワーク構築の投資最適化を実現
各機能の中から、必要なものだけを選択してスモールスタートを図ることが可能なため、ネットワーク構築にかかる初期投資の削減と、需要に応じた段階的な増強投資が可能です。また、それぞれの機能が個別の機器として独立しているため、最新技術の適用や継続的な性能改善を機能ごとに迅速に行うことができます。
- 当社の既存光伝送システム製品との高い互換性
当社の既存の光伝送システム「FLASHWAVE」シリーズなどと高い互換性があるため、それらの製品をベースに構築された既存のネットワークに対する機能の拡張や補完が容易に行えます。
- ネットワークの自動化と仮想化への対応
当社のSDN/NFVソフトウェア「FUJITSU Network Virtuora(バーチュオーラ)」シリーズと組み合わせることにより、お客様はディスアグリゲーション構成を採用したネットワークの自動化や仮想化を容易に実現することが可能です。
- オープンアーキテクチャー採用による、他社製品との高い接続性
オープンアーキテクチャーを採用しているため、他社のネットワーク機器との相互接続が可能です。また、オープンAPI(注5)による標準インターフェースを採用することで、様々なSDN制御ソフトウェアを通じたOSS(注6)、BSS(注7)との連携も容易に実現できます。
提供製品
FUJITSU Network 1FINITY T200
「1FINITY」シリーズは、機能ごとに分割された「トランスポートファミリ」、「Lambdaファミリ」、「スイッチファミリ」、「アクセスファミリ」の4ファミリで構成されています。それぞれのファミリの機能、および特長は以下のとおりです。
トランスポートファミリ
メトロ網(都市圏)、コア網(都市間)、および長距離向けに大容量トランスポート機能を提供します。
T100 | メトロ網のデータセンター間専用の光送受信機で、800Gbpsの伝送容量を実現。(2015年8月18日に発表済み) |
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T200 | 長距離専用の光送受信機で、400Gbpsの伝送容量を実現。最新の高性能コヒーレントDSPを搭載したことで、超高速(最大400Gbps)・超長距離(10,000km以上)伝送に対応。さらに、適応変調技術(注8)も適用。 |
T300 | メトロ網からコア網、長距離まで幅広く対応可能な光送受信機で、1Tbpsの伝送容量を実現。10G、40G、100Gを多重化して効率的に伝送。 |
Lambdaファミリ(WDM機能)
目的に応じて柔軟な波長配置、方路切り替えが自動設定可能です。4方路、128波長まで対応可能な小型CD(注9) ROADM(注10)機能を提供します。今後リリースするブレードを追加することで、より多くの方路数に対応可能となります。
L100 | ROADM主要部(波長の方路切り替え。) |
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L110 | スプリッター/カプラー部(波長を多重化し、ROADM主要部へ転送。) |
L200 | 光中継増幅機(波長多重化された光を増幅・中継。長距離専用。) |
スイッチファミリ
高密度イーサネットスイッチ機能を提供します。イーサネットVPN(注11)、モバイルバックホールトラフィックやデータセンター間接続を効率的に多重化し、シームレスに光コアネットワークに接続。
S100 | 1Gbps/10Gbpsイーサネットを100Gbpsイーサネットにアグリゲーションする必要のあるネットワーク向けに、1.2Tbps双方向スイッチ容量を提供。 |
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アクセスファミリ
10G EPON (注12)やNGPON2(注13)などの次世代アクセステクノロジーに対応し、家庭向けや企業向け光通信サービス、およびモバイルフロントホール向けアクセス網に、10Gbps光アクセスネットワークを実現します。
A600 | 最大32本の10G EPONポート(2048 ONU)を収容可能。 |
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販売価格、および出荷開始時期
製品名 | 販売価格 | 出荷開始時期 |
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FUJITSU Network 1FINITY トランスポートファミリ | 個別見積り | 2016年度 第1四半期から順次 |
FUJITSU Network 1FINITY Lambdaファミリ | 個別見積り | 2016年度 第1四半期から順次 |
FUJITSU Network 1FINITY スイッチファミリ | 個別見積り | 2016年度 第1四半期から順次 |
FUJITSU Network 1FINITY アクセスファミリ | 個別見積り | 2016年度 第1四半期から順次 |
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 ディスアグリゲーション:
- 機能ごとに機器を分割した構成にすることで、初期投資を抑えながら迅速なネットワーク環境の構築を可能にする手法。
- 注2 ブレード:
- 「アクセスファミリ」は「A600」のみシェルフ型で提供。次機種以降は全てブレードで提供予定。「T200」の400Gbps OTN多重技術は、文部科学省イノベーションシステム整備事業の補助により、産業技術総合研究所が運営する「光ネットワーク超低エネルギー化技術拠点(VICTORIES拠点)」の研究成果の一部を活用しています。
- 注3 コヒーレントDSP:
- デジタルコヒーレント光伝送に用いるデジタル信号処理(Digital Signal Processing)回路。アナログデータをデジタルデータに変換し、各種信号処理を実行する。「T200」、「T300」に搭載される高性能コヒーレントDSPは、総務省の委託研究である「超高速・低消費電力光ネットワーク技術の研究開発」と「巨大データ流通を支える次世代光ネットワーク技術の研究開発」の研究成果の一部を活用しています。
- 注4 1RU:
- 1 Rack Unitの略。1Uとも表記され、19インチラックと23インチラックの1区画分(4.445cm)の高さに相当。
- 注5 API:
- Application Programming Interfaceの略。あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規定のこと。
- 注6 OSS:
- Operation Support Systemの略。通信事業者(キャリア)がサービスを構築、運営していくために必要なシステム。
- 注7 BSS:
- Business Support Systemの略。通信サービス利用者への課金や請求などの情報管理業務を支えるシステム。
- 注8 適応変調技術:
- 光変調方式を複数選択可能にする技術。
- 注9 CD:
- Colorless Directionlessの略。波長制約や方路制約なく、波長・方路分配を実現すること。
- 注10 ROADM:
- Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexerの略。再構成可能な光分岐挿入多重装置。信号光を波長ごとに、適切な方路へ振り分けて送信したり、受信したりする装置。
- 注11 イーサネットVPN:
- イーサネットで構成する仮想プライベートネットワーク。
- 注12 10G EPON:
- IEEEで標準化された上り最大10Gbps/下り10Gbpsを1芯光ファイバで伝送、最大64台のONUで共有する方式・技術。
- 注13 NGPON2:
- ITU-Tで標準化された40Gbps超の光アクセス方式・技術で、10Gbps信号を波長多重(WDM)技術を使って4波以上多重する。PONのように複数のONUで共有する(TWDM)方式と、共有しない(Point to Point)方式の2種がある。
関連リンク
本件に関するお問い合わせ
富士通株式会社
ネットワークプロダクト事業本部
第一オプティカルシステム事業部
044-754-3063(直通)
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