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PRESS RELEASE

2015年7月23日
株式会社富士通研究所

郡山市と下水道氾濫の兆候を検知する実証実験を開始

株式会社富士通研究所(注1)(以下、富士通研究所)は郡山市(福島県)と、下水道氾濫の兆候を検知するセンシングシステムの実証実験に関する協定を締結し、7月23日(木曜日)から実証実験を開始します。

本実証実験では、水位計測機能を備えたセンサーをマンホール3か所に組み込んで下水道の水位データを常時モニタリングすることにより、下水道内部の状況把握、樋門の開閉時刻や排水ポンプの稼働開始時刻の予測などを実施し、それらの有効性を検証します。水位データは、富士通研究所と株式会社エフコム(本社:福島県郡山市、代表取締役社長:瓜生利典、以下、エフコム)が構築したデータ集約の仕組みにより、エフコムの福島データセンターに集約します。

本実験成果を基に、郡山市では効果的な下水道改修計画の検討を進め、今後の計画策定に反映させるとともに、富士通研究所では、センシングデータの避難誘導計画への反映など、さらなる利活用方法を検討していきます。

背景

近年、局所的な集中豪雨による都市の浸水被害が多発しており、郡山市の市街地においても過去(1986年~2013年)の27年間で15回の浸水被害に見舞われています。そこで郡山市では、住宅地や市街地の浸水被害軽減を図る取組みを定めた「郡山市ゲリラ豪雨対策9年プラン」を策定し、2014年9月に登録されるなど豪雨対策に力を入れて取り組んでいますが、雨水管路施設の広域にわたって水位をリアルタイムに把握することはできていませんでした。

富士通研究所ではこれまで、都市における大雨やゲリラ豪雨による被害軽減に向け、下水道氾濫の兆候を検知する技術(注2)を開発してきています。この技術は、水位計測機能を備えたセンサーをマンホールに組み込んで水位を計測し、氾濫の兆候などを精度良く検知するものです(2月10日発表済)。

実証実験の概要

目的 :  下水道水位モニタリングの機能・性能検証および長期安定稼働試験と、下水の実測データに基づく水位予測アルゴリズムの検証。
実施期間 :  2015年7月23日(木曜日)~2016年3月31日(木曜日)(予定)
実施場所(図1) :  福島県郡山市 落合掘雨水幹線(おちあいぼりうすいかんせん)

図1 実証実験の実施場所
図1 実証実験の実施場所

実証概要:

本実証実験では郡山市と共同で、落合掘雨水幹線に沿ったマンホールやグレーチング(注3)の3か所以上に水位センサーを設置します。リアルタイムに得られた水位データを用いて以下の分析を行います。

  • 下水道の水位データを常時モニタリングすることにより、従来は運用面で困難であった下水道内部の状況を可視化。
  • 実験で得られた水位変化などの情報を用いて、樋門の開閉時刻や排水ポンプの稼働開始時刻などを予測。

水位データは、富士通研究所とエフコムが構築したクラウド環境へのデータ集約の仕組みにより、エフコムの福島データセンターに格納されます。また、実証期間中はエフコムのフィールドSEが現場のメンテナンスを担当します。

図2 下水道水位センサーの概要
図2 下水道水位センサーの概要

今後

本実証実験の結果をもとに、郡山市では効果的な下水道改修計画の検討を進め、今後の計画策定に反映させていきます。また富士通研究所では、センシングデータの避難誘導計画への反映など、さらなる利活用方法を検討していきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 株式会社富士通研究所:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐相秀幸。
注2 下水道氾濫の兆候を検知する技術:
下水道氾濫の兆候を低コストに検知する技術(2015年2月10日 富士通研究所プレスリリース)
注3 グレーチング:
鋼材を格子状に組んだもので、道路ではマンホールや側溝などの蓋として利用される。

本件に関するお問い合わせ

株式会社富士通研究所
応用研究センター ソーシャルイノベーション研究所
電話 046-250-8186(直通)
メール env-public@ml.labs.fujitsu.com


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